表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/39

日常と変化 2

電話を切り、公園の正門へ向かう。

先ほどの場所から正門に進むにつれて、人や、車の音が増えてくる。

それに反する様に自然の匂いは少しずつだが薄れてきた。


正門に着くと、周りには数人の人がそれぞれ過ごしていた。

その中に、こちらに向かって手を振る人物がいる。


髪は金髪ショートカット、上下ジャージ、サンダル姿でコンビニ袋を持った人物。

待ち合わせをした友人、ユウだ。

「おう!出たなチンピラ!」

「誰がチンピラだ」

久々の再会に2人で笑いあった。


彼は中学時代の同級生。

建設関係の仕事で、1年前に東京に配属なったそうだ。


「久しぶりだな」

「確かに!仕事は?突然呼んで大丈夫だった?」

「全然大丈夫!明日昼からだから!バイト君は?」

「バイト君って言うな!間違ってないけど」


ユウと俺はまるで中学時代に戻ったかの様に接していた。

「あれ?コウタ、酒は?」

「あ〜落ち合ってから一緒に買いに行こうと思ってた」

「いいよいいよ。俺買って来てるし、無くなったらまた買いに行けばいいし」

「じゃあ、その時の分は俺が金出すよ」

「OK」


そう話すと、俺たちは空いているベンチに座って缶ビールを飲み始める。

3人掛けのベンチの両端に1人ずつ座り、真ん中にいくつかつまみを置いていた。


学生時代は誰と付き合ってた、あの時は喧嘩(けんか)したなど、他愛(たあい)の無い話を1時間程しただろうか。

すると、ユウが3本目のビールを飲み干したタイミングでーー


「んで?なんかあったの?」

こいつは昔から鋭い。

「いや、なんかつまんねぇなぁって思って」

「バイトが?」

「ん〜……人生が?」

俺が笑って答える。

ユウがしばらく考え、さきいかを咥えながら笑って言った。

「俺の勤めてる会社はいる?社員で働いて、彼女見つけて、後々にでも結婚とかしてさぁ。そしたら生きる理由みたいなのが見つかるかもしれないじゃん」

「あ〜……う〜ん……」


しばらく沈黙していると、酒を買い足すためにユウがコンビニに向かってくれた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ