日常と変化 2
電話を切り、公園の正門へ向かう。
先ほどの場所から正門に進むにつれて、人や、車の音が増えてくる。
それに反する様に自然の匂いは少しずつだが薄れてきた。
正門に着くと、周りには数人の人がそれぞれ過ごしていた。
その中に、こちらに向かって手を振る人物がいる。
髪は金髪ショートカット、上下ジャージ、サンダル姿でコンビニ袋を持った人物。
待ち合わせをした友人、ユウだ。
「おう!出たなチンピラ!」
「誰がチンピラだ」
久々の再会に2人で笑いあった。
彼は中学時代の同級生。
建設関係の仕事で、1年前に東京に配属なったそうだ。
「久しぶりだな」
「確かに!仕事は?突然呼んで大丈夫だった?」
「全然大丈夫!明日昼からだから!バイト君は?」
「バイト君って言うな!間違ってないけど」
ユウと俺はまるで中学時代に戻ったかの様に接していた。
「あれ?コウタ、酒は?」
「あ〜落ち合ってから一緒に買いに行こうと思ってた」
「いいよいいよ。俺買って来てるし、無くなったらまた買いに行けばいいし」
「じゃあ、その時の分は俺が金出すよ」
「OK」
そう話すと、俺たちは空いているベンチに座って缶ビールを飲み始める。
3人掛けのベンチの両端に1人ずつ座り、真ん中にいくつかつまみを置いていた。
学生時代は誰と付き合ってた、あの時は喧嘩したなど、他愛の無い話を1時間程しただろうか。
すると、ユウが3本目のビールを飲み干したタイミングでーー
「んで?なんかあったの?」
こいつは昔から鋭い。
「いや、なんかつまんねぇなぁって思って」
「バイトが?」
「ん〜……人生が?」
俺が笑って答える。
ユウがしばらく考え、さきいかを咥えながら笑って言った。
「俺の勤めてる会社はいる?社員で働いて、彼女見つけて、後々にでも結婚とかしてさぁ。そしたら生きる理由みたいなのが見つかるかもしれないじゃん」
「あ〜……う〜ん……」
しばらく沈黙していると、酒を買い足すためにユウがコンビニに向かってくれた。