表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行っても存在する、成りたい自分と成れる自分の壁。  作者: 棚橋 将紀
第2章 目覚めと困惑
17/39

目覚めと困惑 6

バチェロさんの家に着くと、適当な所に腰掛けろと促された。

家の中には、ローテーブルが1つ、中心に置いてある。


バチェロさんの家は、ロップ村にある他の家よりも1周り大きい。

この村では高い地位にいるんだろう。

大きいと言っても、決して豪華な家ではない。

ロップ村に相応しい、全面木製の外壁だけで、内装を綺麗に整えた家ではない。

まるで子供の秘密基地の様だ。


そんな家の中には、明かりが1つ。

たった1つしか無いのに、妙に明るい。

先程目覚めた時も思ったが、小さな電球ほどしかない大きさなのに、妙に明るいコレはなんなのか。


目を薄めてよくよく見てみると、眩しくてよくは見えないが、透明な入れ物に石が入っているだけ。

その石が光り輝いていた。


「あの、バチェロさん。これってなんですか?」

「んあ? これは魔晶石じゃぞい。なんじゃお主、魔晶石(ましょうせき)も知らんのか」

「初めて見ました」

「お主はだいぶ変わっとるなぁ。 そんな事より、ほれ、早く座らんか」


どこもかしこも珍しい物だらけで、俺は入口に立ったままでいた。

中央のローテーブルの横に座ろうと、1歩踏み出した時ーー


「ふにゃ!!」


俺は何かを踏んだ。


音の方を見ると、そこには猫耳をつけた美少女が、自身のつけた尻尾を抱いて座っている。

髪は茶髪で、つり目気味、均整のとれた顔立ちの女の子。

小学生くらいだろうか? 小柄な子だ。


「なんじゃディオネ、そんなとこで寝とったんか」


入口のすぐ横で寝ていたらしい美少女は、チラチラと俺を見ながらバチェロさんの横にフラフラと歩いて行く。

それにしても、この村では猫耳が流行っているのか、猫耳の人を何人か見かける。


「お主もはよ来るぞい」

「あ、はい。すいません」


俺と、バチェロさん、猫耳の美少女は、小さなローテーブルを囲む形で座った。

女の子が、まるで犬の ”おすわり“ の様に座っているのが気になったが、俺はバチェロさんに色々聞いてみる事にした。


「腕に怪我をしてたと思うんですけど……」

「あぁ、それはここにおるディオネが治したぞい」

「治した? えっと……俺は長い期間眠ってたって事ですか?」

「いんや? 川で見つかって、今までそんなに時間は経っとらんぞい」


……は?

どう言う事だ。


「あのね、ディオはヒーラーにゃの」


そう言うと、猫耳美少女は襟元に付けているバッジを見せて来た。

そんな物見せられても、何もわからない俺が、小首を傾げていると。


「お兄さん、職業は?」

「職業……フリーターかな?」

「……。」


会話はしたが、お互いがお互いの言う事をさっぱり理解していない。

なんだか気まづい空気が流れた。


「あ、えっと……俺の名前は、山本コウタ。君は、ディオちゃんでいいのかな」

「ディオは、ディオネって言うの。じいちゃんと暮らしてるの」

「ディオネは、わしが養っとるんじゃ。 この村の獣人の中ではなかなかの治癒能力を持つ、優秀な子なんじゃぞい」


そう言うと、バチェロさんはディオネちゃんの喉を撫で、ディオネちゃんは喉を鳴らしていた。


「……あの……獣人って……え?」

「お主、何にも知らんのじゃな。獣人は、人と何かしらの動物が混ざった種族じゃぞい」

「え。その耳は……え……本物って事ですか?」

「ん?よくわからんやつじゃな。本物に決まっとるぞい」


どうやら、いままでパーティ用のコスプレだと思っていた物は本物の猫耳や尻尾で、人間以外も存在する様だ。

ここは完全な異世界。

もうそれを受け入れるしかなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ