表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行っても存在する、成りたい自分と成れる自分の壁。  作者: 棚橋 将紀
第2章 目覚めと困惑
16/39

目覚めと困惑 5

「なんじゃ。お主、魔法珠(マジックボール)を知らんのか」

「はぁ……」

「魔法珠はなぁ、あっという間にスキルを身に付ける為のものじゃぞい」

「ス、スキル……ですか?」

「そうじゃ。スキルじゃぞい。能力ってやつじゃな。お主が授かったのは言語のスキルじゃぞい」


あの不思議な玉は、魔法珠(マジックボール)と言うらしい。

自分の持っていない能力を覚えるための物だそうだ。

……そんなの聞いたことない。

ここは地球じゃないのか?

地球上にそんな物があれば、有名になっているはずだ。

21年間生きてきて、そんなの……

生きてきて……俺は……自分の家で死んだのか?


「聞いとるんか」

「あ、あの!ここは死後の世界とかですか?!」

「んん?あーはっはっはっは!何を言っとるんじゃぞい!」


違うようだ。


「ここはロップ村じゃぞい」

「ロップ村……どこの国ですか?」

「ホーランド王国じゃぞい」


……知らない。

聞いたこともない。

地球ではないのはわかる。

俺は……地球ではない、異世界に飛ばされたようだ。


「あの、お名前は?」

「わしの名前か? わしの名前はバチェロじゃぞい。お主は?」

「俺の名前は山本コウタです。多分……違う所……皆さんが知らない所から来ました」

「わしらが知らん所はたくさんあるでなぁ。ま、言葉が通じんほど遠い所から来たのはわかるぞい!」


そう言うと、バチェロだけでなく、今まで俺たちの話を聞いていた周りの人達も声を上げて笑った。


俺を食うためじゃなく、コミュニケーションを取るために、ここへ連れて来てくれたバチェロ。

悪い人じゃなさそうだ。

なんだか悪いことをしたな。

見た目が怖いから、何かされると思っていた。

どこかのタイミングで謝ろう。

俺は人を見た目で判断したクソ野郎だ。


「ついてこい。わしがこの村を案内してやるぞい」

「い、今からですか?」

「んー。そうじゃな。もう夜じゃし、案内は明日にするか。コウタ!今日はわしの家に来ると良いぞい」


バチェロが俺を案内しようとしてくれるが、村人に止められている。

今は夜。

たしかに薄暗い中を案内されても理解出来ないかもしれない。

俺はこの場所がどこなのか見て回りたいが、聞きたい事もたくさんある。

今日は大人しくバチェロの家にお世話になる事にした。


村の人達に助けてくれたお礼を言うと「また明日ね」とそれぞれが自宅に戻って行く。

バチェロにもお礼を言ったが、恥ずかしい事は止めろ、と照れていた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ