目覚めと困惑 2
なるべく周りに気づかれない様にここを離れたい。
武器庫の様なこの建物から右を見ると、木製の塀が途切れた部分がある。
幸いにも今いる場所はこの集落の出入口側の様だ。
俺は変に注目を集めないために、あえて歩いて集落の出入口に向かった。
この集落には何人か人がいるが、きっと何食わぬ顔で移動すれば、誰の注意も引かないはずだ。
そう思って普段通りにスタスタと歩いてみる。
「@^&&$#$^&」
「@^&*%$$^#$」
完全にバレた。
早速バレた。
数人が口々に何かを言いながら、こちらに向かってくる。
俺は “ばっ” とそちらを振り向くと、すぐに全力で出入口へと走った。
なんとか集落を出て、後ろを振り向くと、数人の人だかりの中、先程の武器庫の住人もこちらに手を伸ばし、何かを叫んでいる。
その姿を見て、俺は驚いた。
猫耳のカチューシャの様な物を頭に付けている。
なんなんだあいつ。
こっちは必死なのにふざけてやがる。
しばらく走って後ろを振り向くと、もう誰も追って来ていない事がわかった。
必死で逃げたはいいが、ここがどこなのかがわからない。
周りを見渡すと、だだっ広い草原。
所々ハゲて地面がむき出しにはなってはいるが、草原地帯のようだ。
集落の方面を向いて、右手には大きな川があり、その先には森が広がっている。
左手には進むにつれてハゲた部分が多くなってはいるが、草原が広がり、更に先には大きな街の様なものが薄っすら見える。
ピクニックには最適な場所といえるだろう。
先程の集落を見てみると、川沿いにある、100m四方程の小さな村の様だ。
しかし、なぜか村全体が木の塀で囲まれている。
村の入口には開閉式の門の様な物もある。
開いてて良かった。
あの門が閉まってたら逃げられなかった。
しかし、小さな村に門がある。
……危険があるって事か。
やっぱりピクニックには不向きな場所だ。
村の外には危険があると思った俺は、少しだけ先程の村に近づく事にした。
村から50m程離れた場所に数本の木が立っている。
俺はその木陰に身を隠しながら、村を観察していた。
人の出入りは多少あるが、村の中で争いがあるわけではなさそうだ。
時折、村の中に入って行く人の中に、猫耳カチューシャを付けている人や、全身着ぐるみの人もいる。
今夜はパーティーだろうか。
しばらく観察をしていたが、ポカポカ陽気に心地良い風も相まって、激しい眠気に襲われた。
「とくには何にも起きなそうだから大丈夫か」
そう独り言を言って俺は寝そべり、昼寝をする事にした。
しばらく眠り、目を覚ますと、夕方になっていた。
辺りはオレンジ色に染まり、とても幻想的に見える。
とても広い平原でのその景色に感動していたが、何故か左手に激痛を覚えた。
切る様な痛みに驚き、左手を見るとーー




