3章 ~fly~
だいぶ遅くなって申し訳ない。
いろいろやっていたら遅くなってしまいました。
まあ、文量も全然変わってないんで期待せんといてな。
「ぅぅぅぅぅううううわぁぁああああ~。」
こんな奇声を上げながら推定上空100メートルから落ちる俺。
「あはははは。やはり慣れぬときついか。ほれこのまま落ちると、死ぬぞ。
ほれほれ、もっとはばたかんか。」
と、楽しそうにはやし立てる幼女リズは、俺の腰にしがみついたまま大笑いしていた。
数分前
「童の羽を使って、おぬしが空を飛ぶのじゃそして、童をその遊園地というところへ運ぶのじゃ。童は疲れずに遊園地へ行けて、おぬしは、空を飛ぶという貴重な経験ができる。名案じゃ。」
「は?俺が空を飛ぶ?むりだろ。お前ほんとに人間の限界わかってんのか?」
と、いきなり切り出された名案とやらに惑わされ、俺は少し強めにこう言いてしまった。しかしリズは、そんな返しにひるみもせず説明を始めた。
「使いには、その主の天使が、天使の体を預けている時だけ、主が許せば、能力を使うことができるのじゃ。例えば、今から童が、春斗に天使の羽を使う許可を出すじゃろ?そうすると、おぬしのセンスが良ければ、空を飛び、童ほどのおなごを抱える力も手に入るのじゃ。だからそれを使って、お主は童を遊園地へと連れて行くのじゃ。」
そういうとリズは、俺の指の模様に手をかざしこう言った。
「主が羽の使用を命ず。その眠れる力を開放しろ。」
すると、俺の肩甲骨あたりから、キラキラと白い光の粉が漏れ、瞬く間に、巨大な羽を構築していった。触れない、輝く翼は、昨日見た、リズの羽そのものを、俺のサイズに合わせたものだった。
「どうじゃ、翼をもった感想は。」
「そんな簡単に言われても触れねぇし感覚もねぇし…手過去何で、飛べるのかよ。」
と、俺が、自身の安全を案じ確認をすると、練習が必要だと、外へ連れ出された。
「まず、翼の生え際を意識してみろ。そして肩の骨を回す感覚で、翼に、意識を流しこむのじゃ。」
「こ、こうか?」
と俺が言われたように、肩に意識を集中して、肩を回してみると、動き始めたSLの、車輪部分のようにぎこちなく羽ばたき、一瞬だが、体がふわりと、浮いた。
「おお。春斗は、感がいいの。じゃあ早速遊園地へ行くか。」
と、俺の腰にしがみついた。
そして今に至る。
「春斗よ。」
「なんだ。」
やっとコツをつかんで、気を張っていれば高度を保てるようになってきた俺の気も知らないリズが、おれの耳元でささやく。
「その、言いにくいのじゃが。」
「だから何だよ。」
明らかに背中の上でもじもじしている。
「いわねーとわかんねーぞ。」
俺はそう発言を催促した。
「お主察しが悪いな。おなごがもじもじして言いにくいことといえばあれしかなかろう。トイレじゃ。」
俺は少し焦ってバランスを崩した。しかし体制を立て直し辺りを見回した。ここら辺は田舎で、辺り一面雪景色だ。こんなに寒い中、朝からトイレに行ってないんじゃしょうがない。しかし俺には疑問があった。素朴な疑問だ。
「天使も用を足すんだな。」
普通に考えて、天使やら、神やら、昔のアイドルなどがトイレに行くことなんか誰も想像できまい。
「なんじゃ。行ってはおかしいのか。まあ無理もないじゃろう。童のような天使でもモノを食えばそれが出る。当たりまえじゃ。」
なるほど、という前に俺はもう一つ驚いたことがあった。
「お前がしたいのって、大だったのか。」
リズは黙ってしまった。ことばの置き土産のように小声で、「バカ」とつぶやいたように聞こえたが、耳を引っ張られしっかり聞こえなかった。とりあえず。この村唯一のコンビニエンスストアでトイレを借りることにした。ちなみにだが、この村は広いわりに何もなくただただ耕作地が広がっていて、海あり山あり平地ありのアニメでよく見る田舎とは違うのがまた寂しい。
コンビニのトイレを借りて用を済ませている間、ただトイレを借りるだけでは申し訳ないと思いカップラーメンを二つ使ってお湯を入れてまっていた。さすが近代の店。店内にお湯があるなんて、気が利いている。と現代人とはあるまじきことを思ってしまっていた。
「お待たな。地上のトイレもきれいじゃった。。あったかい便座なんて人間にはもったいないじゃろ。」
と、リズが出てきた。温水便座なら俺も用を足そうかなとも思ったが、あいにく家で出し切ってきたので、この案はすぐ引っ込んだ。
「ちゃんと手、洗ったか?」
「しっかり洗ったわ。高貴な童が身を清めないなんてことはないんじゃよ春斗よ。」
「そうか、なら良し。もうすぐ昼だし、遊園地まではもうちょっとだが、これでも食って、先に小腹を満たしておこう。どうせ、遊園地でもなんか食うんだろ?」
「遊園地に曰はくいいものもあるのか。よいぞ!童の気分も上がってきたぞ。」
俺はそう喜ぶリズを見て、なんだよやっぱり見てくれどおり子供じゃねーかと思いつつカップラーメンを渡した。
よんでくれてありがとう。
次はまた遅くなる(予言)
この作品が好きな人は気長に待ってくれ。(そもそもそんな人いない)