二章 ~ Girl’s mystery.~
こんには!穴熊激です。
第2章のページまで足を運んでくれてありがとうございます。
第1章で、僕の文章には圧倒的に語彙力が足りないとわかっていただけたと思います。
なので今後とも、そこには目をつぶっていただきこの作品を楽しんでいただけると嬉しいです。
それではどうぞ!ごゆっくり。
今日は本当にいい朝だ。晴れているし、雪も降っていない。何より休日というのが、本当にいい。と、
大きな伸びをしながらこんなことを俺は思っていた。すると、もぞもぞと自分の布団が動き出したので、
「う、うわぁ。」
と、情けないほどに驚いてしまった。
「なんじゃ、うわぁとは。まったく朝から騒がしい奴じゃの、春斗は。」
と、小学生ほどの幼女が布団から顔を出した。そういえば昨日、いえに帰ると幼女がいて、その幼女から羽が生えて...とここまで考えてから思い出したかのように右手の中指を見た。そこには、まるで、どこかのお姫様のティアラのような模様が浮かんでいた。
「お前、夢じゃなかったのか。」
と、思ったことを口に出した俺に、幼女ことリズは、
「ああ、そうじゃ。昨日のことは現実じゃ。」
と、言った。
「昨日はとっても激しく、濃厚な夜だったぞ。それなのにお主ときたら...本当に忘れてしまったのか?」
「いやいや俺がお前みたいなロリガキにてぇ出すわけねえだろ。大体そんなこと誰に教わるんだよ。」
と、リズの悪ノリに構わず、まっとうな社会人としての答えをした。
そもそも、こいつには謎が多い。まず、どうして俺の家に入ってきたのか。ただ単に鍵が開いていたからなのか、それともこの場所に意味があるのか。そして、リズ自体が一体どういう存在なのか。見た目は小学生低学年ほどで、ぺちゃんこの胸を張って上からものをいう。肩甲骨辺りまで伸びた黒い髪は、墨汁につけた筆のようで、つやつやしていた。そのまっすぐな瞳は、よく見ると、左右で色が違った。左は少し茶色がかった黒で、右目が、少し青みがかったグレーなのだ。よく見ないと気付かないが、一度見てしまうとどうしても気になってしまう。その目は生まれつきか、と聞こうとして、リズのほうを向くと、
「おい春斗。」
と先手を打たれてしまった。
「なんだ?リズ。」
と、初めて名前を呼ぶような気がするが、自然に聞き返した。
「童は、腹が減ったぞ。おぬしは、童の使いであるのだから、飯の支度でもしてもらわなくてはな。」
と、言った。
正直腹は立つが、飯のついでにいろいろ聞き出してやろうと、
「はいはい。今準備すっから、ここに座って待っとけ。」
と、いつも向かいには誰もいない食卓の俺の席の反対側を開けてやった。
トタトタと軽い足音を立てて、ちょこんと椅子に座るリズを見てから朝食の眼ニューを考えた。一応、高校の時の家庭科は、満点だったので、そこそこ料理には自信があった。しかし、普段から一人なので分量を気にするものは作るのは面倒だと思い冷蔵庫を開けた。ちょうど卵が二つと、冷凍ご飯パックが、4つ入っていたので、茶碗にカチカチのご飯を開けて、レンジに放り込んだ。使うことはないだろうが、一応買っておいた来客用の茶碗も洗い、もう一つご飯を開けた。一つ目のご飯が温まったので、ご飯の山の先端をえぐり、そこへ、といておいた卵を流し込む。それをリズの前に差し出した。
「ほら、これが日本の伝統料理にして最高にうまいTKGだ。」
と、言うとリズは、
「てぃけぇじぃ?」
と首をかしげた。
「たまごかけごはんだよ。食ったことないのか?」
と聞くとリズは首を縦に振った。
あんな日本料理を外国人に自慢するかのような出し方をして、食ったことあったらどうしようかという後悔がぱっと消え、TKGの魅力を早く知ってほしくなり、醤油をその輝くTKGの上に注いだ。
「よし、食っていいぞ。ご飯が熱いかもしれないから気をつけろよ。」
と言って、リズが食べ始めたのを確認した後、自分の分のTKGと、沸かした湯にかつおだしと、乾燥わかめと、みそを入れただけの味噌汁を持って自分の席に着いた。その頃には、もうリズのTKGはなくなっていた。
「てぃけぇじぃとやら、なかなかにうまいな。童は感心したぞ。その汁物もよこせ。」
と言って、味噌汁もすすり始めた。
「なあ、どうして、お前はここに現れたんだ?」
と、聞くと、
「童は、この地に用があってきたのじゃ。昨日は雪がひどくて、なかなか動けぬから、休めるところを探していたのじゃ。そしたら、おぬしの家は不用心なことに錠がかけられておらんかった。だから童はここをテリトリーにしたのじゃ。」
神界では錠の閉め忘れは土地の放棄を意味するからのと、付け足して答えた。
「お前の用事ってなんだ?」
と、さっきの返答についての新たな疑問を問うと、
「童は神を見る者。つまり神のお目付け役ということじゃ。このあたりに神が下りたので、その観察にと来たのだが、その神がなかなか見つけられなくての、困っているんじゃ。」
と、わかめを唇に張り付けながら答えた。俺はそのわかめを取ってやりつつ、思わず、
「天使ときたら次は神か。」
と声を漏らした。
こうして、俺の質問タイム兼朝食は終了し、そのまま皿洗いも終えた。
俺が皿洗いをしている間、静かにしていたリズに俺は、一番気になっていたことを聞いた。
「なあ、お前の眼って、生まれつきそうなのか?」
すると、いいところに気が付いたな、と、リズが答えた。
「天使はみな左右で違う色の眼を持っているのじゃ。そして、童は、生まれた時からこの目の色なのじゃ。ほかの天使はみな鮮やかな色の眼じゃが、童のものはそうではないな。じゃが、別に気にしているわけではないぞ。これなら人間にも紛れられる。」
「人間に紛れるって?」
と、聞き返すとリズは、
「童たち天使は、天使の体と、人間の体を使い分けることができる。じゃが、その体の容姿は天使の時も人間の時も、一緒なのじゃ。じゃから、左右の眼の色が、同じに近い童はきっと、天使の中でも人間に溶け込んだ時一番自然なのじゃ。」
といった。
「それと、春斗。童のことが気になるのはわかったが、そうやすやすとなんでも答えん。面倒じゃ。そこで、童の予見だけ話すから、よく聞いておくのじゃ。」
と、リズは付け足した。図星を突かれ、黙ってしまった俺を見てリズは話を続けた。
「まず、使いについてじゃが、要は童のぱしりじゃ。なんでも命令を聞いてもらう。安心せい。人間の限度は十分理解しておる。できる範囲のことを命ず。」
と、リズは上から目線で言った。毎回思うのだが、年端もいかないこの幼女に上からものを言われるのは、とても悔しくイライラする。だが俺はそこをこらえて続きを待った。
「そして第二に、使いは、童の依り代、というか、要はロッカーじゃ。童たち天使は、人間の姿に慣れるが、その時は、天使の体を誰かに預けねばならない。その時に、童の言うことを忠実に聞く使いであるお主は、勝手がいいのじゃ。」
と、言って、リズはいきなり、服を脱ぎだした。
「ちょっ、おい何してるんだよ。」
一糸まとわぬ姿で近づいてくるリズを見ないよう、手で顔を覆ったが、リズの小さい手で、手をどけられるそして、俺の右手の中指の模様をやさしく二本の指で撫でた。すると模様が光りだし、気づけば白い何もない世界に俺はいた。リズは、その光る模様に手をかざし、
「主の体をここに預ける。肉の体を呼び覚ませ。」
と、つぶやいた。
するともうここは元の俺の部屋で、目の前には、裸のリズが立っていた。余りに一瞬のことだったので、俺の口は数秒間あきっぱなしになっていた。我に返った俺は、目の前に裸の幼女がいることを思い出し、服を着るように言った。
「なんじゃ、童は気にせんのに。まったく、しょうもないの、おぬしは。」
と、言ってしぶしぶという表情で、服をつまみ上げた。暖房が聞いているとはいえ寒いであろうに、なぜ裸でいるのかわからなかった。
リズは服を着るとこういった。
「春斗よ、今の童は、羽もない輪もないただの人間と同じじゃ。童はひまじゃから、外を見に行きたいどこか連れていけ。」
俺は、
「ここら辺はど田舎だから何にもないぜ、外は寒いし、家にいるほうが、是っていいって。」
と、言った。しかしリズはこういった。
「別に近くじゃなくてもよかろう。確か遊園地とかいうのが東のほうにあったはずじゃそこがいい。」
遊園地は確かに東のほうにあるが、ここからは、30キロほど離れていて子供と歩いていける距離ではない。さらに俺は車もバイクも持っていない。そして今日は休日なので、田舎のバスはお休みなのだ。
「そんな遠いところ簡単にはいけねぇよ。」
と、俺がいうと、
「何も歩いて行けとは言っていない。」
と意味深な笑顔を浮かべつつ言った。そして、こう続けた。
「おぬしが飛べばいい。」
第二章 end
はい、というわけで、いかがでしたでしょうか第2章。めっちゃ誤字脱字があったかもしれないですね。一応校閲アプリとしてるんですよこれでも。でもまあ、見落としてしまったんですね、、、。
そんなことより、この話を書きながらふと、1冊の小説にどんくらいの文字数がいるのかなって気になったので、調べてみると、、、なんと400字詰めの原稿用紙400枚前後だそうです。
恐ろしい。
なかなかの文量があるのでびっくりです。僕の話はこの話までで大体15枚くらいですかね、、、。
いやーまだまだだ。というわけでこれからも精進していくので、皆さんどうか温かい目で見てやってください。それでは第3章でお会いしましょう。ばいばい!