一章~The angel appeared suddenly.~
こんにちは!はじめまして。穴熊激です。ぜひ楽しんで読んでください。つたない語彙力にはめをつぶっていただけるとありがたい!
あの日は過去最低の気温だった。屋根からは氷柱が垂れ、雪だって積もっていた。
田舎暮らしの俺が毎朝六時に家を出て,バス乗って駅行って、電車に乗って、ちょっとコンビニで飯買って、やっとこさ会社につくのは九時ギリギリ。そんでがっつり残業して二〇時に会社出て家に帰るころには二一時。誰かが部屋を暖めているわけもないので、極寒の我が家に帰るということはわかっていた。
ふとストーブのオイルが切れていることに気が付き、ガソリンスタンドによることにした。
「こんにちはぁ。」
とへとへとでもしっかりとあいさつをしたが、返事は来ない。そういえばセルフのガソリンスタンドだったと、思い出し、自分の疲労度に呆れた。
ここら辺はオイルストーブの利用者が多いせいか、オイル運搬用のタンクも貸し出し用があり、重宝している。颯爽とオイルをタンクに流し込み、お金を払って、家に向かった。疲労の溜まった体にオイルは重く、途中何度も雪に足を取られた。
やっとの思いで家の前についてカギを探す。かじかむ右手をポケットに入れ一生懸命に動かしても冷たい金属の感触すらない。反対のポケットかと思ってみると、やっぱりない。そこまでしてから鍵をかけずに家を出たことを思い出した。
冷たくなって感覚のない手をすり合わせながら足で雪をどけてドアを開ける。するとそこには、予想していたとおり、暖かい部屋が待っていた。
ん?
暖かい部屋?おかしいぞ、この部屋にはだれもいないって。もしや、泥棒?こんな田舎で泥棒するとか、即ばれするだろ。とか思いつつ恐る恐る部屋に入る。
そもそも泥棒が暖房入れてくかよ。ていうか、オイル切れしていたし。と、ますます違和感を覚える。
「ムムなに奴じゃっ。童のテリトリーに無断で入るとは。」
いきなり幼女が飛び出してきた。もう動けないほどにつかれているせいで、幻覚を見ているのだろうと、目をこすったがそこにまだ幼女はいた。というかますますはっきり見えるようになった。
「なんじゃ、幻覚でも見ている様なしぐさで童を見て。もしやおぬし童に見とれているのか?」
とやけに上からの口調で言われたので、少しむかついた。
「みとれてねぇよ。大体、ここは俺の家だ。お前のテリトリーじゃねえ。家出娘をかくまうつもりも根からさっさと出ていけ。」
と少し怒鳴った。すると幼女も張り合うように叫んだ。
「童は家出娘ではないわ。たわけ。」
「じゃあなんだよ」
と聞くと、
「天使じゃ。」
と帰ってきた。なるほど天使か。ならば突然人の家に現れても、人の家をテリトリーにしてもおかしくはないか。いやいやおかしいだろ。とひとり突っ込みを脳内で手早くしてからもう話はできないと判断した。
「よし。」
と力ずくで家から追い出す決意を二文字で口にした俺の言葉を何かの許可と受けっとったのか、幼女はない胸を張った。
「天使と聞いて。やっと童に下ったか愚民め。状況を理解するまでに随分とかかったな。」
「ああ、ずいぶんかっかったさ。早すぎる中二病を抱えたこまったロリガキを家から放り出す決断に至るまでな」
といって幼女の脇をつかんで持ち上げ玄関まで運んだ。
「ひゃっ、ちょっ、、、、やっ、やめっ、、わ、わきはよわいからそのもたなっああ。」
「おい、暴れんなよ。蹴るなって。」
激しい攻防の末、玄関までやっと運んだ幼女は床におろすとぺちゃんと座って泣き出した。
「うへーーーん。こんなに高貴な童が、天才で、優秀な天使である童が、こんな愚民に寝床を奪われるなんてぇーん。」
と、泣きながら自画自賛している幼女にアニメの見過ぎな俺は、
「そんなに自分が天使だというんだったらはねでもわっかでも見せたらどうですかね。」
と言ってみた。すると幼女は涙をぬぐいながら立ち上がり、こう言った。
「童の正体を見せる代わりに貴様を童の使いにしてやる。こき使ってやるからな。後悔するがよいぞ。」
幼女がセリフを言い終わるころには玄関には白い羽が舞っていてまぶしくて暖かい光が、暗い辺りを照らしていた。
「童は、神を見る者。カマエル・リズ・ルミナ。汝が童の真の姿を見たとき、汝は童に屈服せよ。汝の名は?」
と急に名前をきかれ、
「は、春斗。」
と答えてしまった。
「ふふっ、春斗か。気に入ったぞ。これから童の使いとなるのだ。よろしくな。承認する。皆実春斗よ我が使者として任命する。」
教えていないはずの名字を言われ、驚く俺は実はさっき下着のゴムに名前を見たのだ、とささやかれ羞恥心でいっぱいになった。
そして、俺の右手の中指に模様が浮き上がって光った。
「それは童との契約を表すものじゃ。こすっても消えぬから、無駄なあがきはよしてこっちへ来い春斗。」
と言われ、また上からかよとうなだれた。
「ヘイヘイロリガキ天使さま。」
と言いながら近づいた。
「なんじゃそのロリガキとは、童のことは、リズと呼べリズと。特別に真ん中の名前で呼ばせてやるのじゃ感謝したまえはっはっは。」
と幼女改めリズは言った。
「主も今日は疲れておったのだろう。もう寝るがいいぞ、春斗。」
と頭を撫でられると、全身の力が抜けて、そのまま寝てしまった。
その日はとても深く、安らかに眠れた。全身を羽毛の布団でくるまれているような心地よさだった。
この日の出来事がすべて夢だったと思えるほど、深い眠りだった。
第1章 ~end~
さて、1章いかがだったでしょう。春斗君が、リズちゃんと使いの契約をするまでの話でしたけど、
前々からサラリーマン兄ちゃんと、ロリっ子の話が書きたかったので、実現してよかったです。ちなみに、舞台が雪の降る田舎なのは、僕が田舎暮らしにあこがれていて、雪の降らないところに住んでるからなんです。
これからも僕の理想がいっっぱい詰まった小説がかけたらいいとおもってるんで、よかったら暇なときのぞいて見えください!
では第2章でお会いしましょう!ばいばい(@^^)/~~~