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世界はこの一冊の本によって変えられた  作者: 未知風
4章 本とのマニーロワイヤル 前編
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7節 月の裏は何も無いかのように暗い

掲示板には最後の生き残りの二名が表記されていた。


『ラストステージ

最終戦 海塚航平(うみづかこうへい) VS 月野輝夜(つきのかぐや)


最後になってフルネームで出るのか。ってか月野輝夜って何?かぐや姫のアレですか?月に帰っちゃうあの人ですか?


「さて、この部屋も最後になりますね。お互い準備はいいですか?」

「えぇ」


いや、待て。何で着物。教師か?いや、絶対生徒だろ?


「海塚さん?」

「あっ、はい。大丈夫だったです」


大丈夫だったですって何だよ。インパクトガールのせいで間違えたよ。


「では、始め」


着物を着た目の前の女性は文字を書いて言う。


表月(ひょうげつ)


彼女の後ろから眩しい月が現れる。


月見(つきみ)


体が重い。骨が軋み出しそうだ。何とかしなくては。


無攻(むこう)


何も起こらない。なんだ、この圧迫感は。


無血(むち)


ダメだ、効かない。


無権(むごん)


よし、軽くなった。権利はないと自由になれるからな。あの月さえ壊せば。私は月に向かって拳を引き寄せながら持っていく。月に向かって腕を伸ばす。


「あら、残念。反月(はんつき)


壊すどころか私が吹き飛ばされた。あの月はただ眩しいだけではないのか。眩しい?それだ。


「月って光がないと暗くなるよね。まるでその裏のように。光無(こうむ)


私は走りながらそう言って月に拳を一撃食らわせる。月にヒビが入ってきた。近くにいた彼女はにこやかに笑う。


「本当に残念ね。私、月なんてたくさん増やせるのに。増月(ぞうげつ)


私のいるところから円を描いて三百六十度に月が増えた。体が軋むのはそれ以上だろ。いや、潰れる。それは困る。


無海(むかい)


月の下で波音が聞こえる。そして三百六十度の月が一斉に消えた。


無束(むそく)

「体が動かない」

無寝火傷(むねやけ)

「あつい……ねむい……でもあつい!!」


そう叫びながら彼女はその場に倒れ込んだ。

どうやら、決着はついたようだ。


「勝者、海塚!!あちらの門から階段を上がって行ってください」


私は言われた通りに行く。月野さんの姿はいつの間にか消えていた。静かな部屋を背にして私は階段を駆け上がる。大きな部屋が姿を現した。

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