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護衛中です。 例によって例のごとく……

なんとか再開します。

なんでこんなにリアルが忙しいのか?

農家って、こんなもんなんですよ……


商隊を護衛することになり、街を出てから、もう4日目。

まーしかし、護衛任務が、こんなにやりにくい物だとは思わなかったよ、実際……


初日目から、やってくれましたよ、同行集団が

(単独だと盗賊や魔物に狙われた場合、逃げ切れないことが多いので、でかい商隊に近寄って、あるいは商隊に入れてもらって安全率を上げる小さな商人達がいる。これを、同行集団という)

商隊に入ってる商人は言うこと聞いてくれるから良いんだが、勝手についてくる奴らが問題だ。


商隊に入れないということは、かなりワガママなのか、脛に傷持つ輩なのか、どちらかの「いわくつきの商人か、いわくつきの商品を扱う商人」ということだ。

つまりは……


「おーい!ちょいと止まってくれー!馬車の車軸が折れそうなんだよー!」


後方から同行してくる馬車集団(俺達が護衛する集団じゃないよ、言っとくが)から、声が上がり、商隊は停止する。

本来は止まらずに進んでいくほうが安全なんだが、商隊の責任者、カンダータさんが、これまた性格の良い人で、本来は保護する必要のない集団にも気を使っている。


ああ、これでまた1時間以上のロスだ。次の街へは、いつごろになったら着くのやら……まあ、俺達の護衛任務は次の街じゃ終わらないんだけどね。

ジャックに、近くを周回して危険がないかどうか確認してきてもらう。


「ワフッ!」


と、了解!とばかりに飛び出していくジャック。


俺は魔力を薄く拡散させて、魔物や盗賊、危険な獣が商隊の近くにいないかどうかを確認する……

現在、何も引っかからないから大丈夫だな。

しっかしまあ、いくら気のいいクライアントとは言え、この商隊はのんびりしすぎだろ。

商隊ということは商人。

商売が出来ない旅の時間が多くなればなるほど、商売のチャンスが少なくなるという事だろうが。

まあ、そういうことも兼ねて、武器・防具などを積んだ荷馬車や、魔法薬(マジックポーションは言うに及ばず、回復薬も含む)や魔道具等の貴重品、宝石を運ぶ荷馬車もいる。

色々と高価な品が多く、それにしては護衛の人数が少ないのが気になる。

大丈夫なのか?

この規模の護衛で。


まあ、いまだに重武装の盗賊集団や、狼などの集団で行動する獣達に狙われてはいないので、なんとか助かっているが。

それでも、このペースで旅をする商隊なんぞ、格好の獲物だろうがなぁ……


カンダータさん、大丈夫なんだろうか?

と、いらぬ心配までしてしまう俺である。


と、ここまで妄想していると……俺の魔力レーダーに引っかかるものがある。

これは……馬が10頭、人間が30人ほど……

そんなに魔力としては強くないが、薄い魔力の中、鑑定魔法を混ぜてやると状況は違ってくる。


人殺し、強盗、連続暴行、空巣に殺人鬼なんて称号がいくらでも出てくる奴らが近づいてくる……


「カンダータさん、ちょっとまずい事が……」


俺は商隊の責任者に忠告を兼ねて、危険が近づいていると告げる。


「はい?……ああ、そうですか。では防衛隊形になるとしましょうかね」


カンダータさんが、副官を呼び寄せ、何か小声で話している。

副官は、委細承知!とばかりに、各荷馬車隊を駆け巡り、何かを話している。

少しすると、荷馬車達は車軸の交換作業を行っている荷馬車を中心にして、輪を描くように隊形を変えていく。

おお!

西部劇で見たような、見事な輪形陣だな。

この馬車を緩やかに囲むように護衛達が展開していく……

うん、かなり手馴れているように見える。

実際、この防御陣を見ると、護衛が少ないとは言えないなと思う。

さて、俺も外側の攻撃陣に加わるとするかな……

俺が動き出すと、ジャックが索敵から帰ってきたようだ。

ジャックも盗賊集団を見つけたようで、張り切っている。

尻尾がブンブンと唸りを上げるほど振られているな。


「さーて、ジャック。久々の対人戦闘だな、気を抜くなよ」


ジャックの頭を撫でてやり、声をかける。

久々に闘争本能を全開できると理解しているジャックは、本当に嬉しそうだ。


まあ、実は俺も、経験値が多めに入る対人戦頭は好きなんだけどね。

久々の戦闘に、俺の顔にも笑みがこぼれるのだった……


あ、昔の教会のような戦闘はやらないよ。

あれは相手に絶望を与えようとして、わざとやってたからね。

今回は、さくっと終わらせてやろうか。


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