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武器は手に入った。 次は鎧だね。

そろそろ田植えが近づいてきました。

それまでに、どれだけ書けますやら……

ちなみに前回と今回で、とてつもないアイテムや装備を格安で手に入れてる主人公ですが、レベルが跳ね上がってるという事は数値表示はされませんが当然に幸運のレベルも跳ね上がってるわけですね。


武器屋(鍛冶屋)を出て、またジャックと共に店を探して歩く。

今度は鎧(軽い皮鎧)だ。

俺自身、体力は生物というレベルじゃなくなっているため、実はフルプレートメイルでも良いのだが、くそ重いフルプレートメイルを身につけて目に見えぬ速度で動けるような者を、いくらなんでも冒険者と呼べないだろう

(もしかして、Sクラス冒険者なら?)

だから、とりあえず軽い皮鎧の購入を考えている。

まあ、皮鎧なら何でも良いと言えば良いのだが……

うーむ、この刀に合う皮鎧がない。

どうしようか……などと(ワンパターンだが)考えながら歩いていると……

おや?

ここは確か服装店だったはず……

あまりに奇抜な色彩とセンスで、一時は話題になったようだが、すぐに飽きられて閑古鳥のなく店だったはずだが?

服装店が、防具屋に変わっていた。

奇抜な色彩は変わらないが、質の良い皮鎧やハーフプレートなどが並んでいる店先に、隅の方に無造作に置かれた皮鎧、手甲、脚絆のセットがある。

鑑定魔法をかけてみると……

驚いた。

マジックアイテムだよ、この皮鎧セット。


ヘルメスの皮鎧セット:各々防御+5、全て装着すれば、さらに素早さ+9


すごい……

しかし、なんでこんな店の隅っこに一式まとめて置いてるのか?

とりあえず、店主に確認しなきゃ。


「おーい、この皮鎧セット、いくら?そもそも、売り物?」


店に入って、そう言うと、店主らしき人物が出てきて、まことに申し訳無さそうに……


「売り物ではあります、とりあえず。ただし、それ、いわく因縁付きでして……」


へ?

いわく因縁つき?

鑑定魔法で見た時には、そんな条件や呪いのたぐいは全く感じなかったぞ?


「因縁付きって、どういうことなんだい?そんな呪われた代物なら、まずは神殿へ持ち込んで呪いを解除してもらうのが手順だろ?」


うん、それが普通の手続き。

店としても、売り物になったほうが良いだろうに。


「あー、それがですね〜……呪いではないので解除できないものらしいんですわ」


「呪いじゃない?もしかしたら、装着者を選ぶアイテム類?」


「さすが!お客さん、目利きが出来る!」


当たりだったか。

あれ?

じゃあ俺が鑑定魔法で見た時に何で条件が出てこなかったんだ?

そんな疑問が出そうになったが、店主が答えを出してくれた。


「素早さがですねぇ、3桁以上じゃないと装着できないらしいんですよ。で、そんな魔獣並の素早さを持ってる人間なんか、そんじょそこらにいるわけがない。で、売り物なんですが売れなくて困ってるわけです、はい」


おお、そうだったのか!

じゃあ、俺に買ってくれと言ってるような物だな、これ。


「俺が買うよ、いくらだい?」


店主、売れるとは思ってなかったらしく、


「え?買われるんですか?この誰も装着できない代物を?旦那、よほどのアイテムマニアかい?それとも転売でもするとか?でも条件が厳しすぎて売れないと思うよ、ホント」


まー、この店主、商売人にゃ向かないな。

買うって言ってる客に、買わないほうが良いよなんて言ってる。


「いーや、俺が買って装着するよ。それなら良いよね」


「えっと……それじゃ、この手甲の左部分だけ着けてみて下さい。普通に装着できたら特売価格で金貨100枚で売ってあげます。無理だけろうけれど」


左の手甲を出してきたんで受け取り、ササッと装着する。

おお、なかなか付け心地も良い。

ん?

これ、皮?

えらく強靭な革だな。


「親父さん、これ、普通の皮じゃないよね?適度な伸縮性あるのに、えらく強靭な革だ」


親父の驚く顔、いやー、他人にも見せたかった。


「うわわうぇあうぇあ!装着者が出た〜!凄い!凄いです、旦那さん。いやー、このセットを装着できる人に出会えるとは!長生きはするもんだな〜。はい、特売価格で金貨100枚で結構ですよ。で、その革のことですが、実はドラゴンの皮なんです」


「はい?ドラゴン?亜龍じゃなくて?純粋種のドラゴンは滅亡したって話なんだけど?」


「ええ、そう言われてますよね、世間の常識じゃ。でも、これは正真正銘のドラゴンの革。とは言っても生きてるドラゴンから剥いだものじゃなくて、脱皮した皮なんですわ」


ん?

ドラゴンが蛇に思えてくるな、それ。

まあ、でもそんなもんだろうと思いながら俺はヘルメスの皮鎧セットを購入。

これが金貨100枚なら安いわ、ホント。

いやー、レベルが上がると幸運値まで上がるのかね?

今日一日で、買えるはずのないものが2つも買えちゃったよ。

上機嫌だった俺は、買物を終えた後、ジャックと共に雑貨店をぶらつく……

後はマジックバッグが欲しいよなー……

まあ、腹も減ったし、ジャックと共に、露天で売ってる食べ物を適当に買って分けあいながらパクつく。

雑貨店は多いが俺が欲しいレベルのマジックバッグは売ってない……

せめて、この前狩った亜龍ワイバーンがすっぽり入るくらいの物が欲しいんだが、俺とジャックが入る空間容積を持つ物くらいしかない……

これでも金貨300枚と来るから暴利だよなぁ。

あっちこっちの雑貨店に入ってみるが目的の物は見つからない。

日も陰ってきたため、次善のマジックバッグで妥協しようか〜な、と思った時、目の前に、その店の看板が飛び込んできた。


〈お望みのもの、創ります。   魔法雑貨 千の手〉


興味を惹かれて俺は中に入る

(ジャックは大人しく店の前でお留守番)


「いらっしゃませ。あら?これはまた珍しい方が……」


店主らしい女性だ。

俺のことを珍しいと?

まさか、こいつ鑑定魔法か鑑定のギフト持ちか?


「望みのものを創るって言葉が気に入ってね。どんなものでも創ってくれる?」


「はい、それがお客様の真に必要とされる物ならば」


ふむ、気に入った。

この店で頼むか。


「じゃあ、俺の希望を。無限とは言わないが亜龍を50匹位入れても余裕のある空間容量のマジックバッグが欲しい」


無茶だとは思う。

しかし店主は真面目に、


「作成可能です。しかし残念ながら、その規模のマジックバッグを創るには私では魔力が足りません。お客様の魔力が必要となります」


俺の魔力?

大丈夫かな?


「作成時に魔力を注ぎ込めってことかな?どれくらい必要?」


「作成時に注ぎこむ魔力量によりマジックバッグの空間容量が決定されますので、魔力量が多ければ多いほど、それは見た目よりも大きな空間容量となります」


「よし決まったな!創ってくれ!」


店主は軽く頷くと、


「では、こちらで少々、お待ちください。あ、外にいるワンちゃん、魔獣ですよね?中へ入れて一緒にお待ちください」


「いいのかい?ジャックは、そっちのお見立て通り魔獣だよ?」


「大丈夫です。この店、軽い結界が張られてまして、レベルの低いお客様は入れないどころか店を認識することも無いようになっていますから」


こ、こともなげに言い放ったぞ、こいつ。

店が客を選ぶなんてムチャクチャだ。


「じゃ、お言葉に甘えて……ジャック、入っても良いってさ。一緒に待とうぜ」


ワフ、というジャックの声を聞いてから店主に……

ありゃ?

いない。

さっそくマジックバッグの元づくりに入ったかな。

ジャックと共に店内の商品サンプルを見て歩く。

うん、斬新な物が多い。

こいつは……魔力ライター?

こっちは魔力ポット。

魔力弁当箱に魔力スライサー?

需要と供給に関すると完全に供給が勝ってる感じの商品がズラリ。

店主は、この店を繁盛させようとする意欲がないのか?

レベル結界なんて張ってるし……

そんな事考えてると店主が奥から現れる。

おっ?

あれがマジックバッグの素か?


「お待たせしました。素材は創りましたので、ここにお客様の魔力を出来るだけ多量に注ぎ込んで下さい。ストップと言っていただけば、そこで空間容量が設定されます」


「一つ質問いいかな?」


「はい?何でしょうか?お客様」


「これ魔力量の上限はある?」


「ない、とは言えませんね。あります……でも4桁の魔力量ですよ?普通は無限に近いと思われますが……」


4桁ね。

聞いといて良かった。

危うくマジックバッグを破裂させるところだった。


「じゃあ、今から注入して行きます。限度になったら教えて下さい」


「え?お客様、それは無謀と……え?何?何なの、これ?!」


店主の叫びを無視して俺はマジックバッグへ向けて魔力を放出していく。

3桁到達……300……500……800……1000。

さすがに大食いだな、こいつは……2000……3000……4000……5000……

「ちょ、ちょっと?!いくらなんでもこの魔力量は……ストップ!これ以上はバッグが破裂しちゃう!」


「ふう、久々にいい汗かくね、これだけ魔力を使うと」


「爽やかに言い放たないで下さい!何者ですか、あなた?こんなの魔人でも無理な魔力放出を、さらっとやってのける。そもそも人間ですか?」


うん、俺も最近そう思う。


「ホント、俺って人間なんだろうかね?あんた、こんな趣味丸出しの酔狂な店やってるんだから口は固そうだな……俺を鑑定してみな」


店主が俺に鑑定魔法を放つのが分かる……


人族ダークエルフのクオーター ラスコーニコフ 2歳

異名:人の形をとりし死神

レベル116 修行僧 冒険者

体力   10685(10685)

魔力   11599(4596)

素早さ  2301

器用さ  1892

賢さ   2998

魔法・魔術:

適合率(高)

無属性(99%)、闇属性魔法(99%)

地属性(78%)、水属性(78%)、火属性(78%)、風属性(78%)

聖属性(72%)、光属性(72%)

適合率(中)

適合率(低)

武器・防具:

適合率(高)

鋼鉄のナイフ(特殊能力:なし)攻撃+2

適合率(無)

なし

ギフト:

恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ


店主の仰天する顔。

まあ、そりゃそうだ。

今まで見たこともないレベルと数値なんだから。


「あ、あなた……いえ、貴方様は一体……この、ありえないレベルと数値のオンパレードを見ても、とても人間の到達できるものではありませぬ。神の子ですか?あるいは、闇の使い?」


失敬な、俺は悪神や邪神と戦うものだぞ。

闇の使いとはヒドイ。


「まあ、神との契約で、あまり喋れないけどね。俺は悪神や邪神と戦う運命にあるんだ」


「確かに悪神や邪神と戦うのなら、そのレベルも途中でしょう。分かりました、このマジックバッグ、金貨100枚となります」


「え?安くない?ちなみに、このマジックバッグの性能って……」


「最強にして最高級品です!このバッグ一つに、すっぽりと、この街が収まります。それでも余裕があるくらいです」


「えーと……それって金貨100枚じゃ安くありませんか?1000枚でも安いよね、常識で考えると」


「はい、普通は、このような常識はずれの代物はダンジョンあるいは国家の特別宝物庫にしか存在しません。このような物は通常は戦略級のアイテムと考えられます」


あ、それ理解できる。

一個師団を率いても輜重隊が不要になるわな、このバッグ一つあれば。


「しかし、このマジックバッグの可能性を最大限に広げていただいたのは、ひとえにお客様の膨大なる魔力あってこそ!私の方は素材の作成費だけいただきます。それ以上貰ったら神様から怒られますわ」


ってことで、この異常とも言える空間容量のマジックバッグは金貨100枚で俺の物になりましたとさ。

いいのかね?

なんだか幸運の塊状態になってるんだが……


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