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筋肉痛で、動けません。

今回、視点を替えてます。

主人公の両親視点で、お読み下さい。

でもって、最後は父親の仕事仲間の視点となります。

分かりにくくて、すいません。



我が子ながら、この子のやっていることが全く理解できない。

我が名はリャドニコフ、ダークエルフ族と人族のハーフだ。

妻の名はエリザ、こちらは純粋な人族。

我らは2年前に結ばれ、我らが働いている商会も順調に発展し、子供も授かった。

しかし、我が愛し子のはずなのに何かおかしいのだ、この子は。

ああ、名前を言ってなかったな。

子供の名はラスコーニコフ、ラスの愛称だ。

生まれて三ヶ月過ぎた頃からだろうか、おかしな事を我が子がやらかしていると勘付いたのは。

とにかく、おかしい。

何がおかしいって、まずは普通に寝ているだけなんだが突然に泣きわめいて気絶する。

ああ、わかってるよ。

ベッドから落ちるんだろうって?

そんな脆い、安い赤ん坊用のベッドなんか使用してるはずないだろう。

うちじゃ、立派なベビー専用ベッドを使ってるさ。

何もしてない、ただミルクを飲んで普通に寝てるだけなんだぜ。

それが突然に泣きわめいて気絶。

最初、俺もエリザも何が起こったのか理解出来なかったさ、今でも理解出来てるとは思えないけどな。

エリザが抱きかかえようとしても目が覚めたら泣きわめいて気絶の繰り返し。

薬師や医者に診てもらったら、筋肉が異様に腫れていて、あまりの痛みに泣きわめいて気絶してるんだろうという話。

まあ、理由は分からんが、ものすごい負荷を身体にかけたんじゃないか?

それでも親か?と、虐待すら疑われる始末。

やっと授かった、目に入れても痛くない可愛い我が子を虐待なんかするものかい。

で、なんやかんやあって(衛兵を呼ばれる寸前まで行ったよ、ひどいもんだ)

経過を観察って話になったんだが、それからしばらくして、おかしなことに気がついたのさ。

赤ん坊、いいか?

生まれてから三ヶ月ちょいしか経ってない赤ん坊が、だぜ。

自分で自分の肉体に過負荷をかけてるんだよ。

どう見ても、そうとしか思えないんだ。

俺もエリザも自分の見ている事が信じられなかったよ。

だけど、数日して筋肉痛の酷い痛みがおさまったと思ったら、しばらくすると、また酷い筋肉痛で泣き叫んでは気絶してるんだ。

こりゃ、自分でやってるとしか思えないだろ。

表情を見てたら、痛みが引いて、しばらくすると何か観念したような無表情になる。

赤ん坊だぞ、信じられるか?

そして、目を閉じたと思ったら痛みに泣き叫び、その後、気絶する。

このところ、その繰り返しだよ。

何か魔物か悪魔、邪な霊にでも取り憑かれたんじゃないかと神殿から司祭様にも来てもらったよ。

だけど司祭様の言うことにゃ、


『この子に悪霊も魔物も悪魔もとり憑いてはおらぬ。それどころか神の力で守られている特別な子供じゃ。本来は神殿で授けられるギフトすら、この子には与えられておる。この子が何をしようと妨げてはならぬ。この子が歩けるようになったら是非とも神殿へ連れてくるように』


ってお言葉をもらっただけ。

気絶してるラスコーニコフには祝福の言葉も与えてくれなかった。

なぜかと聞いたら、もう、すでに神からの祝福は与えられているからだってさ。

なあ、俺やエリザはラスに、愛しの息子に対して何が出来るんだ?

してやれることは何もないのかな?


普段は真面目で口数少ない、リャドニコフが、こんなに饒舌になるのは珍しい。

喋るだけ喋ったリャドニコフは普段は飲まない強い酒を一気に飲み干して、つぶれてしまった。

通常は職場仲間と飲んでもエールばかりで素面を崩すことの無い奴がだ。よほど息子のラスが心配なんだろうな。

さて愛妻のエリザの待つ家へと送ってってやるかな。


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