亜竜退治、終了です。 んでもって、地上戦だった理由の説明です。
皆様、ワイバーンが飛ばなかった理由が知りたいでしょ?
という事で、そのお話です。
村へ帰った俺は、村長へ群れを全滅させた事を報告して、村人に亜竜の死骸を荷車に載せて村へ持ってくるようにお願いする。
俺かい?
もう、レベルアップの眠りで、まぶたが重すぎて目も開けていられないんだよ……
村長との話が終わったら、俺とジャックは仲良く、寝所でグースカ夢の中……
「これ、ラスコーニコフ。久しぶりだというのに、全く感動のしがいのないやつ」
「あ?これ夢の中……あ、神様だ。お久しぶりです、神様。相変わらず、レベルアップ中ですよ。ペットも出来ましたし」
「それだ。そのペットの魔獣の件で伝えたいことがある」
「はい?何でしょうか?やっと一人ぼっちから抜けたところなんで、別れろ切れろは芸者の時に言って下さい」
「あのな、前世ネタは、いいかげんにやめい!通じないんだって。ま、いいか……コホン、あの魔獣な、実はお主の仲間じゃ。正確に言うと、もう少し後で仲間になるはずの魔獣じゃった」
「え?ジャックは仲間なんですか?ははあ、それで成長率が高かったんですね」
「ん、そうじゃ。で、今回は、そのジャックにギフトを与えに来た。ジャック、ここに来なさい」
ふわっと、さっきまでいなかったジャックが俺の横に現れる。
俺の仲間だという事情は聞かされているらしく、神妙な顔つきだ。
「さて、今は魔獣のジャックよ。適切なレベルアップがなされたので今からお主にギフトを授ける。お主に授けるギフトは電光石火のギフト、これじゃ。通常の速さから一瞬にして数倍の速さに加速できるギフトじゃ。ただし、このギフトの稼働時間は1分間。ギフト効果が切れると体力が半分以下になるので気をつけて使えよ」
「か、神様……いつものことですがギフトのマイナス面が普通じゃないんですけれど……」
「それだけギフトが身体と精神に過負荷をかけるという事じゃよ。お主も気をつけろよ。それではな、順調に育っているようで良かった良かった……」
ふぁっ!と、俺とジャックが同時に起きた。
お互いに顔を見合わせて、苦笑い。
で、俺とジャックがどうなったかというと……
人族 ラスコーニコフ 2歳
異名:人の形をとりし死神
レベル115 修行僧 冒険者
体力 10597(10597)
魔力 11499(11498)
素早さ 2288
器用さ 1873
賢さ 2958
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)、闇属性魔法(99%)
地属性(78%)、水属性(78%)、火属性(78%)、風属性(78%)
聖属性(72%)、光属性(72%)
適合率(中)
適合率(低)
武器・防具:
適合率(高)
鋼鉄のナイフ(特殊能力:なし)攻撃+2
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
魔獣族(魔狼からの進化) ジャック 3歳
異名:人を超える存在のペット
レベル57
体力 257(257)
魔力 198(198)
素早さ 93
器用さ 60
賢さ 85
魔法・魔術:
適合率(高)
地属性(65%)、風属性(65%)
適合率(中)
適合率(低)
武器・防具:
適合率(高)
適合率(無)
なし
ギフト:電光石火
うん、順調である。
ジャックの電光石火、使い所が難しいが凄いギフトではある。
もう一度寝なおして(いつものように、俺はギフト発動、激痛で気絶です)
数時間後に起きたら、村長がナタリー連れて俺を迎えに来た。
俺達が倒した亜竜の群れが荷車に山と積まれている光景が目に入る。
「ありがとな。今回、群れがタイミングよく地上におったのは、もう少しで卵が孵る時期だったみたいだ。村に持って帰ってきたが、合計で50個以上もあっただよ……全てが孵っていたら、この周辺の村や街まで危なかっただよ」
ナタリーが説明してくれる。
卵を守るために地上戦を選んだのか、亜竜たちは。
それはそれで潔くあるな。
狼の群れは村で飼ってもらうことにした。
ボス(ジャック)とのお別れは本能で分かっていたようで、哀しそうな遠吠えが聞こえていたが、俺達は引き返さない。
とりあえずは、この亜竜の素材をギルドに売り、次の依頼もこなさないとな。