そろそろ村へ到着します。 誤解されないように、前もって手は打ちますよ
ようやく村へ到着します。
その前に、先触れだけはしとかないと。
狼の群れと一緒に行動してますのでね。
そろそろ、村に近づいていきたと思うんんだが……
「ナタリー、村は、もう近いんじゃないか?」
「え?普通、こんなに速いペースで動くことなんて無いからな〜。あ、あそこに見える看板あるのが見えるかや?あれを左へ曲がると、村の入り口はすぐだなや」
「そうか。じゃあ、ここからナタリーが先に行ってくれ。このままだと狼の群れと勘違いされそうだ」
「そっか、分かっただ。オラ、先に行って村長さん達に知らせてくるから、村の入り口近くで、ちょいと待っててくれや、ラスさん」
「おう、わかったよ。じゃ、俺達の事、くれぐれも間違わないように話しておいてくれよな」
「わかっただ!じゃ、行くからな!」
おうおう、野生児は体力あるな。
けっこうな高さのある草原を、迷いもなく進んでいくわ。
俺達は、群れと共に、速度を落として、のーんびりと歩くような速度で村目掛けて進んでいく。
出入口の柵付近で待機してると、ナタリーと、結構な年齢だろうが身体頑健な初老の人物が2人でこちら目指して歩いてくる。
「こんちわ!Cクラス冒険者のラスコーニコフです。亜竜退治に、やってきました!」
俺が挨拶すると、村長と思われる人間が、やや訝しげな顔色で、
「ラスコーニコフさんとやら、よう来なすった。しかし、依頼書に書いてない事もありましてな……」
「ああ、ギルドで聞きましたよ。依頼は一匹ですが、群れのボスなんでしょ?分かってます。群れごと退治すればいい話ですよね?」
「あ、いや、それはそうなんじゃが……群れを全滅させても報酬はボス一匹分じゃて。それは聞いとるかの?」
「ああ、納得済みだ。大丈夫!俺一人で全滅させてやるからさ、亜竜は」
へ?
と驚いたような顔をする村長。
「あ、あのー、後からあんたの仲間が合流するってことじゃなくて、ラスコーニコフさん、あんた、亜竜の群れに、たった一人で立ち向かうつもりかい?」
「ん、そうだよ。合計で50匹もいないそうだから、俺一人で充分さ」
「あ、あんた!自分が何言ってるのか分かってるのか?!亜竜、ワイバーンが40匹以上の大きな群れなんだぞ!?本当なら、Bクラス冒険者が20人以上いて、ようやく互角かどうかって案件なんだぞ、これ!」
「ん?分かってるよ。ちなみに俺の回りにいる狼達は、この辺を荒らしまわってた魔狼が率いてたもんだ。その魔狼は……こっちこい、ジャック。よーしよし!その魔狼が、俺の今のペット、このジャックだ!」
「村長、理解できねーかもしれねーけんど、これは本当のことだで」
「は?ナタリー……ワシ、なんかの術にでもかかってるんかの?ラスコーニコフさんの横にいる魔獣が、魔狼?もう、そんなレベルじゃねーべや!」
さすが村長、ジャックをみても冷静に判断だけは出来るようだな。
そう、ジャックは元・魔狼。今のこいつは……
魔獣族(魔狼からの進化) ジャック 3歳
異名:人を超える存在のペット
レベル39
体力 145(145)
魔力 79(79)
素早さ 78
器用さ 54
賢さ 79
魔法・魔術:
適合率(高)
地属性(50%)、風属性(50%)
適合率(中)
適合率(低)
武器・防具:
適合率(高)
適合率(無)
なし
ギフト:
おお、人間よりも凄い数値だな。
これでレベル39とは……末恐ろしい奴。
そして、ジャックのほうが俺より年上でした〜、チャンチャン。
異名も変だし……その辺はすまんな、ジャック。
でもって、爪や牙、毛皮の威力というのは体力に含まれるのか、こうなると。
とりあえず、無理矢理に納得させた村長に連れられて、俺とナタリーは村に入っていった。
あ、後の群れの管理や警備、食料調達はジャックに任せてある。
村長にも、当分は村の周辺は安全だと言っておいた。
ただし、警備の狼達には慣れてくれと念を押しておいたがね。