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狼の中に、魔狼が混じってましたよ。 ペットが魔獣になりましたとさ。

もう少しで、亜竜の群れ退治です。

その前に、飼い犬に名前をつけましょう。


ナタリーが、不思議なものを見たという顔で俺をながめる。


「ラスさん、あんた確かCクラスの冒険者だったよな?オラも色んな冒険者を見てきたけれど、あんたのような戦い方をするような人は一人もいなかったぞ。あんた、本当に人族か?」


あ、それは様々な人からも言われてきたよ。


「うーん……人族だと思うよ。まあ、俺の父親はダークエルフのハーフだけど母親は完全な人間だしね。ただし、俺は特別なんだ……色んな意味で」


「はあ、そうか。納得はしねえけんど、そういうもんかね。で、この狼の群れとボスの魔狼、どうするべ?」


「ああ、とりあえず亜竜退治には付き合ってもらうさ。後、ボス狼は俺の飼犬にするけどな」


「えっ?!魔狼を、よりにもよって魔狼を飼犬にしようなんて人、オラ、初めて見たわ!あまりの地力と魔力の強さに誰にも飼いならせないから魔狼と言われてるのに……」


「ん?そうか?そうでもないぞ。こっち来い、こっち……よーしよし、カワイイ奴だなぁ」


と言いながらボス狼の頭を撫でてやる。

ボス狼は目を細めて嬉しそうに尻尾を振っているぞ。


「あ、そうだ。お前、俺の飼犬になるんだから名前つけてやらないとな。何がいいかな〜……狼、ウルフ……あ、ジャックが良さそうだな。お前の名前、ジャックで良いか?」


撫でるのをやめて、ジャックという名前で良いかボス狼に聞いてみる。

こいつ、見るからに賢そうだから俺の言葉も分かるかも。

すると、嬉しそうに首を縦に振り、尻尾の速度も急激に増加する。ヒュンヒュンと鞭のような音がしてるが……


「よしよし、それじゃ、今からお前の名前はジャックだ。よろしく頼むな、ジャック!」


ゥオン!

と、高らかに鳴いたボス狼の身体が、ぼんやりと光りだす……


「な、何が起こるんだべか?」


「さあな。名前つけたから進化するんじゃないのか?」


冗談で言ってみたが、その通りだったらしい……

ボス狼の身体は二回りほど大きくなり、知性も魔力も急激に増大したようだ。

さすがに言葉は喋れないようだが、俺の言う言葉を完全に理解し、指示の先まで予測して動いてくれるようになる。

夕暮れになったので、この近くで野営するのだが、現在の状態は気楽である。

夕食の材料は、ジャックが指示して、群れの一部が狩りに回り、他は夜間の警戒に当たる。

獲物は多すぎるくらいだったが俺達だけじゃなく群れの全てにまわるようにしてやると嬉しそうに肉にかぶりついていた。

まあ、魔力レーダーを駆使して俺も夜間警戒はしてたけれど、獣は一部は狩られて朝飯に、盗賊は追い払われるか全滅で夜回り狼達の食料になった奴もいたようだ。

ナタリーは何も知らせていないので気楽なもの。


「ラスさん、昨晩は久々にゆっくり寝られただよ。獣も盗賊も、このへんは物騒なんで有名なんだけどな」


まあ、知らぬが仏だ。

朝は少し重いかな?

と思いながらも昨夜の獲物の肉で、たっぷりボリュームの肉料理である。

ナタリーは、なぜに朝から豪勢に肉料理?

とか聞いてきたが、俺は笑うだけ。

まあ、ちょっとした中規模の部隊だからな。

これなら村に着くまで安心して旅が出来るだろう……


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