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その後のお話です。 また、故郷の街に戻ってますよ。

今回は、ちょっとしたお休み回のようなもの。

次回から主人公は冒険者として、しばらく街で働くことになります。


あれからひと月あまり……俺は懐かしき我が家へと戻っていた。

父親、母親は、もう完全に成長してしまった我が息子(1歳と数カ月。まだ2歳までに間があります)に久々に違和感が再発したようだが、すぐに慣れてしまったようだ。

とりあえず俺の働く場所が無い(どこの世界に2歳にならない人間を雇うものがいるんだろうか?)ので、アルバイト状態で父親の勤めてる店で働くことになった。

ちなみに数週間前に終了した神聖教会内部抗争(という名の、俺の経験値稼ぎとお金稼ぎ、だったりするのだが)

で上皇様が再び法皇様に復帰したせいで、とてつもない金額の報奨金を貰ってたりするのだが今は盗賊からカッパギした数億G(日本円で換算するのが難しいが、数千万円というところかな)しか俺の懐にはない。

白金貨(一枚で100万G)だから通常の貨幣入れで目立たないくらいの量しか無いけどね。

報奨金は、その都度、神殿ならどこでも百万Gを上限に、法皇様の書状を見せれば都合してくれる事になっている(事実上、無制限という褒章金額だね)

しかし自分が生きるために、そしてレベルアップしていくために、とりあえず働くことにした。

まず、俺は何も分からないため力仕事からだ。

今日も今日とて朝から父さんと一緒に商会へ出かける。

午前中に荷馬車が着くので、そこから荷物を下ろして倉庫へと運ぶ。

早朝から黙々と荷運びだが俺には苦労でも何でも無い。

木箱で(一箱あたり100kg相当)5箱づつ「よいしょ!」の掛け声と共に運んでいると驚愕の表情で皆さんが俺を見てくる。

ああ、死神の使いとして見られるよりも、よほど気持ちがいいもんだな、こういう視線。

一週間続けてると、父さんが週給をくれる。

おんや?

ちょっと多すぎませんか?

明らかに周りの人たちよりも倍以上の給料なんですけれど。


「とうさ……リャドニコフさん、俺の給料、多くないですか?」


ここでは俺と父さんが親子であることは秘密になっている。

当たり前なんだが父さんの息子は、まだ1歳と数カ月の赤ん坊のはずなんだから。


「ラスか。いや、それでいいんだ。お前の働きは普通の4人前以上だから、もっと支払わなければならないところなんだが、お前は新人だからな。とりあえずは3人分の給料だよ」


「新人だから、もっと少ないかと思ってましたが」


「あのな。お前の剛力は、とてつもない利益なんだよ。ただな、後少しで今の荷役の半分以下になるんで、お前の活躍場所が無くなってしまうかもな」


「無くなっちゃいますか。俺は次、どこで働きましょうかね?」


「まあ、お前ほどの千人力なら、どこでも大歓迎だろうが……もっと稼ぎのいい働き口もあるぞ」


「本当ですか?!どこです?」


「この街の、ここと反対側にある冒険者ギルドだよ。お前ほどの剛力、千人力があるなら稼ぎと旅にはピッタリだと思うぞ」


「あ、そうですか。じゃあ、この仕事が終了したら冒険者ギルドへ行ってみますかね」


はあ……以上の親子漫才は脚本・父さん作だ。

俺が神聖教会の抗争事件(まあ、間違っちゃいない)から帰ってきた時、俺は両親と相談した。

正直に俺の現在のステータスも白状した。

ちなみに今の俺のステータスは……


人族ダークエルフのクオーター ラスコーニコフ 1歳

異名:人の形をとりし死神

レベル105 修行僧 なし

体力   10095(10095)

魔力   10499(10499)

素早さ  2158

器用さ  1579

賢さ   2375

魔法・魔術:

適合率(高)

無属性(99%)、闇属性魔法(99%)

地属性(70%)、水属性(70%)、火属性(70%)、風属性(70%)

聖属性(65%)、光属性(65%)

適合率(中)

適合率(低)

武器・防具:

適合率(高)

なし

適合率(無)

なし

ギフト:

恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ


はっはっは、もう俺、一体何なんでしょうか?

魔力と体力が5桁に突入しましたよ。

今の時点で俺は人間界とは隔絶しちゃってます。

神聖教会中央部が沈静化して、もう安心って事になり、こっちの街へ帰ってくる時、ふと思いついてジャンプしてみたら小高い山を文字通り「飛び越して」いました。

「鳥だ!」

「飛行機よ!」

などと言われなかっただけマシでしたがね。

どこの「人間を超えた男」なんだよ!

でも、ここで自重してたら悪神や邪神に殺される運命だから、自重なんてしませんからね。

と、こんな状態であることを両親に丁寧に「ぶっちゃけた」わけです(さすがに転生した中年男だとは言えませんでした……両親に対して裏切りになるような気がしてね)

両親は、しばらく気が抜けたように放心状態でしたが(気持ちは理解できます)数分後には正気に戻って、俺の、これからを考えてくれました(ありがたいことです)

でもって、最終的に俺が悪神や邪神に狙われる対象であること、今は神の加護で守られているが、いつかは加護も消えてしまうことなどを考えると俺は「冒険者」になってレベル上げを頻繁にやったほうがいいのではないかと言う結論になった。

最初から冒険者ギルドへ行ってもいいが何の前職にも着いていないものが(見た目が子供じゃない俺ですからして)ギルドへ行っても、登録時に不審がられて根掘り葉掘り聞かれることになりそうでは?

という事で、前職を商店の手伝いとするための素人芝居をやっているところである。

まあ、素人芝居とは言えアルバイトは真面目にやりますよ。

お金はいくらあっても困らないしね。

ってな事で、もう少しで終了のアルバイトではあるが俺は今日も張り切って仕事に励むのだった……


ちなみに、俺の働く姿に惚れたと言って、あちこちから縁談があったぞと、後から父さんから聞かされた。

何なんだ、これ……


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