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目覚めても、生後三ヶ月の赤ん坊です。

説明回は長かったですか?

まだ全ての説明が終わってないんですけどね。

後は、少しづつ説明していきます。


あー、もどかしいったら。

通常なら、ここは鑑定とかの力を鍛えたり魔法を訓練したりする描写をしたりして次は一年後とかに描写が飛ぶんだけどな。

赤ん坊に何をさせたいんだ?

泣きわめく描写とかオムツ替えの描写とかゲップの描写とか必要ないだろ?!

とか考えても仕方がないよな、時間かけて肉体は成長していくものなんだから。

そう言えば、神様からのギフトって、結局、何なんだ?

恐れを克服するギフト。

己を超えるギフト。

仲間を呼ぶギフト。

合計3つのギフトを貰ったわけだが、あまりに説明が少なすぎて、わけわからん。

恐れの克服ってのは、まあ、生前の修行でも、地獄のぞきとかやったからなあ、想像できないこともないが。

己を超える?何それ。

レベルアップしやすいって事かな?

でも、そんなのギフトにするか?

仲間を呼ぶ、これは想像しやすいね。

読んで字のごとく、仲間集めのギフトだろうな。

でも生前の俺は引きこもりじゃなくて結構な数の友人や知り合いがいたんで、こんなギフト無くたって困らんのだがなあ。

はあ、分からん。

いくら考えても分からないものは分からないので、俺は自分の仕事に戻ることにした。

仕事とはミルク飲み、排泄、ゲップに睡眠だ。

ちょうど、神様と会って夢から覚め、あうあう言ってたら両親が帰ってきた。

俺の両親、ちょいと変わってる。

母親は、こりゃ人間、人類はヒト族だろう。

父親が、こりゃ、ダークエルフだな。

肌は浅黒く、耳の先は尖り気味。

目は猫のように虹彩がきらきらして、細くなったり太くなったりする瞳。

まだ、両親が何を言っているか言語が理解できない。

俺自身は日本語で思考し、神様とも日本語で会話してたが、異世界では全く違う言語のようだ。

出産後の母親のふくよかな乳房を口に含み、ごくごくとミルクを飲む。

とりあえず、今の俺の身体ではミルクのような物しか消化できないようで、まあ、三ヶ月では当たり前か。

タップリと栄養補給した後は、背中をトントンと叩かれて、屈辱の「ゲプッ!」

後は、おしめを確認してもらい、必要ならば交換の屈辱2連発。

両親とも、かわいいはずの自分たちの子供の中身が異世界の中年男の魂だとは、思ってもみないだろうな。

ごめんなさい、父さん、母さん。

でも、両親とも、そんなに懐具合は寒く無いようで、結構な良い服を着ている。

家の内容と、この服の程度からして、下級の役人か、それとも大きな商店・商会の結構な重役さんクラスかな?

そんなことを考えてると、不意に睡魔が訪れる。

あ、待って!神様に確認したいことがあったんだよ!

眠りに落ちた。

あ、ここ、以前に来た場所だ。

神様〜!


【なんだなんだ?横道 至だったものよ。お主の魂の力は、普通じゃないと言っておいたろうが。お主が力を込めて呼べば、神だとて引っ張られるんじゃよ】


あ、そうでしたか。

そいつは知らずとも、すいませんでした。

俺の魂の力って神すら呼び寄せられるのか。

マ○マ大使の笛だね、こりゃ。


【異世界の物語を、こちらの世界でジョークに使っても理解出来んぞ。で、今回は何の用じゃ?】


あ、そうでした。

ちょいと聞きたいことがありまして。


【ふむ、儂で分かることなら、答えてやるぞ。何でも聞くが良い】


すごいね、やっぱ知らないことがないのは神様の特権?

まあ、そんな事は置いといて。

ギフトで一つ、分からないことがあります。

おのれを超える、って、どういうことですか?


【読んで字のごとく。今の自分を超えられるギフトじゃ。又の名を、リミッター破りのギフトとも呼ばれる。こいつは本来、人間に授けるギフトじゃ無かったりするんじゃがの】


わお!

リミッター破りですか。

今の自分が弱いと思ったら瞬時にレベルアップするとか?


【そりゃ、チートという。まあ、魔法薬とかで、それに似たようなものはあるがギフトは違う。具体的に言うと脳や身体にかけられている枷、リミッターというが、そいつを一時的に外すギフトじゃ。もちろん人間の肉体を守るためのリミッターを外すのじゃから、骨は折れ、筋肉がズタボロになるぞ、長いこと使うとな】


うえ?!

いちかばちかの大勝負の時にしか使えない。

でも、使わなくて死ぬようなら使ってみる価値はある、って、そんな大変なギフトじゃないですか!


【そうじゃ。ちなみにチートな魔法薬も大きなリスクがある。レベルが上がっても元の魔力は変わらないから、命がけで魔力を全て使った大魔法を使い、後は時間切れと魔力切れで、元のレベルに戻って気絶するか、死ぬぞ】


ギフトもチートも、ろくなもんじゃないですね。


【しかし、ギフトの方は救いがあるぞ。いちかばちかじゃなくて通常の身体状態で、このギフトを使った場合、まず間違いなく、お主は気絶する】


はい?

どこが救いがあるんですか、絶対に気絶しちゃうギフトなんぞに。


【話は最後まで聞きなさい。気絶して、その後、しばらく筋肉痛で動けなくなるが、肉体には「超回復」があるって知っとるか?】


はい、知ってます。

行者の修行で、筋肉痛と超回復でプロレスラーみたいな肉体になりましたから。


【ぷろれすらー、ってのが何か分からぬが格闘者みたいなものだろうな。じゃから、己を超えるギフトを上手く使えば労せずして鍛えに鍛えた肉体になるって事も可能なんじゃよ】


その代わり激痛で動けなくなるわけですね。

うう、なんというドM向けのギフトなんだ。


【まあ、そう悲観するな。どのみち、お主は鍛えなければ早々に死ぬ運命にある。魂の力が強すぎて神どころか悪神も邪神も引き寄せられる事になるんじゃよ、このままだとな。3回めの人生、やってみる気はあるか?】


いえいえ、精一杯、この世界で生き延びるように努力します!

はあ、そうですか。どんな神様でも引き寄せちゃいますか。

じゃあ、赤ん坊のうちから頑張って鍛えなきゃ。

物心ついて、これからって時に死んじゃうのは嫌です!


【その意気やよし。精神と身体と、両方鍛えれば、その魂の力もいつか制御できるじゃろうて。あ、それから忘れておったが、お主が生前に会得した能力はギフトとは別に残っておるからな。まあしかし、よくもまあ、これだけの数の格闘技や剣術、棒術なんぞ覚えられたもんじゃ。お主は某ムツか?】


異世界のジョークを知らないくせに、某むつ○○流は知ってるとは、変なとこだけサブカルな神様ですね。

分かりました、修行してやりますよ、死ぬ気でね。


【その意気じゃ、頑張れよ。ちなみに今は儂が神の力でお主を保護しとるから悪神や邪神からはお主は見えぬ。じゃが、これもお主が強くなればなるほど、儂の力で保護するのが難しくなるからな、覚えておくが良いぞ】


そうか、俺は神の力で保護されていたのか。

じゃあ、独り立ちしても大丈夫なように、早めに強くならないとな。

俺はギフトの「己を超える」を発動させようと念じた。その瞬間、


「オギャーッ!?」


目覚めた瞬間に激痛!

思わず痛みで泣き叫ぶ。

これがギフトの発動結果か。

俺は、あまりの痛みで気を失う瞬間、そんなことを思っていた。


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