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今までは個人との戦い。 今回は個対集団の戦いをお送りします。

神聖教会中央部の枢機卿会議まで、もうちょいかかります。

まずは、手先の軍隊で様子見です。


それまで、街に入っちゃリサーチして、腐敗してたら強制的に愛と信仰と優しさにあふれた神殿と施政者達の街にしちゃったら、その街を出ることを繰り返してきた。

でもって、名前も知らない(あっても、すぐに通り過ぎるか強制的に治すか、どちらかの日程だから覚える必要もない)街に入ったとき、その街も同様だと思ったよ。

そしたら有無を言わさず捕らえられて今現在、神殿長様も司祭様も牢の中。

俺は?

と言えば修行僧ということで、ろくに調べもせずに牢屋入りって事はなかったが今は神殿の修行僧エリアより離れた神殿警護兵の詰め所みたいな場所で取り調べを受けているところだったりする。


「神の御前である。知っていることは全て言え。そうすれば修行の旅に戻れるであろう」


うん、むかつく奴。

まあ、ここでひと暴れしても俺自身は無敵だけど、牢に入ってる神殿長様や司祭様がどうなるか分からないため手が出せない。

とりあえずは殊勝な振りでもするか。


「何でございましょうか?このような修行僧に知っていることであれば全てお話しします。神殿警護兵様のような方々が私のようなものに何のお話しがあるのやら何も心当たりがありませぬ」


うわ、俺、役者だわ。


「我々は神殿警護兵などという身分の低いものではない。修行僧ごときには目にした事もないだろうが我々は神聖教会中央部の枢機卿会議により派遣されし「神の軍」の兵士である。此度は、お前たちがやって来た方向にある一地方神殿の噂を聞きたいのだ」


おや?

枢機卿会議だと?

「神の軍」だって?


「おお!そんな高いご身分の方々に何故に修行僧の私ごときが隠しごとなどできましょうや。お聞きになりたいことで私の知っていることは全てお話ししましょうに」


はっはっは、俺、今ならシェークスピアでも演じられるかな?


「うむ、お前の信仰、確かに確認した。で、その一地方神殿の噂だがな、なんとも眉唾ものなのだ。神殿にて祝福も受けていない子供に神の祝福と加護が宿って、神の子が生まれたという話なのだよ」


ははあ……

俺の話が、ついに枢機卿会議の連中の関心を引いたか。

それとも審査官と審問官の両方共に連絡がつかないことが不審がられたか。


「神の子の話ですか。それなら、とある街で噂だけですが聞きました。まだ生まれて2歳にもならぬ子供に神の祝福と加護が与えられたとの話。しかし噂だけで私は、その子供を見ておりませぬが、それがどうかいたしましたのでしょうか?」


確かに見てないよ。

俺自身だから、自分で自分は確認できないさ、鏡でもなきゃ。


「そうか。では捕えた神殿長と司祭が何か知っているかも知れないな。ああ、お前はもう修行僧エリアで休んで良いぞ。また、何か聞かせて欲しいことがあったら呼び出すから用意だけはしておくように」


「はい、御役目ご苦労様です」


詰め所を出る。

ふむ、ちょっと厄介な事になったな。

まさか神殿長様や司祭様に危害を加えることはないと思われるが、こいつは早めに手を打ったほうが良いかも知れない……

やってみるか。

無属性魔法・魔術で俺が推測していた事が一つある。

それは無属性を扱う時に発する魔力波動の周波数が個人によって違うことだ。

ごくわずかな違いゆえ通常は問題にならないのだが、俺は、これに目をつけた。

いわゆる個人識別レーダーってやつだ。

俺の無属性波動を微量、極薄く放つ。

魔力を持つものを検知すると反応が返ってくるが、その反応に極僅かな違いがある。

個人の波動周波数の僅かな違いを見極められれば、その個人がいる場所が特定できる、って事だ。

あれだけ個人指導してもらった司祭様の波動を俺が間違えるはずがない。

うーん……

あ、見つけた。

司祭様だ。

もう一つ、すぐ近くに反応があるから、これが神殿長様だな。

おや?

修行僧の休憩エリアの、すぐ近くだぞ、これ。

ああ、地下エリアだな。

覚えたての風属性魔法を使い地下への隠し通路を暴き出し(こういうのは、たいてい隠されてるんだよ)

そっと地下エリアへ忍び込む。

神の軍の兵たちは、どうやら地下エリアに居住エリアがあるらしく、そこに多数の魔力が集合しているのがわかる。

少し離れて、司祭様達が囚われている牢があるらしい。

俺は音もなくそのエリアに走る(俺の数値で真剣にやったらジグザグ迷路でも時速50kmくらい余裕で無音疾走できる)

と、見張り2人を簡単に無力化する。

まあ、簡単に殺せるんだが神の兵じゃなく、ここの神殿警護兵だったらかわいそうだからな。

牢のカギも引きちぎり、2人を助け出す。

聞けば、まだ尋問はされていないとのこと。

地位が地位だけに慎重になってるんだな、奴らも。

二人には、どこかに隠れてもらっても良いのだが、司祭様と神殿長様は首を振る。


「神の軍が出てきた以上、私達が一緒のほうが行動しやすいでしょう。ここからは一蓮托生です。ラスだけに責任は負わせません」


俺も腹をくくる。

2人を守る、なんてことはもう考えない。

3人での戦いだ。

俺達は神の兵が待つ居住エリアへと歩いて行く……

ここからは公然たる枢機卿会議への反逆だ。


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