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世俗に染まり、悪をなす。 世俗を超えても心が無くなる。 ならば、世俗を離れるのが修行かな?

一応、少しばかりは世直し旅を続けます。

ちなみに主人公、思考的には「悪い虫は叩き潰しましょう」

なのですが、司祭様と神殿長様が、なんとか人間界につなぎ止めている状況です。

(前世の記憶に引っ張られて人間に対し情けをかけているように見えますが、瞬間的に死ぬのと、悪い事して死ぬより辛い頭痛に一生の間、悩まされるのと、どちらが果たして悪人には優しかったりするのでしょうか?)


朝になりました。

例によって鑑定魔法結果です。


人族ダークエルフのクォーター ラスコーニコフ 1歳

異名:人の形をとりし死神

レベル52 修行僧 なし

体力   1780(1780)

魔力   5199(5198)

素早さ  515

器用さ  502

賢さ   709

魔法・魔術:

適合率(高)

無属性(99%)、闇属性魔法(90%)

適合率(中)

なし

適合率(低)

なし

武器・防具:

適合率(高)

なし

適合率(無)

なし

ギフト:

恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ


もうすぐ2000も間近な体力値。

これ、もう俺1人でビル解体できるレベルだよね。

もう生き物じゃないな、この数値。

重機だわ。

闇属性も90%となって、無属性は吸収まで会得。

今の2属性だけで対人戦闘は敵がいません。

これからの仮想敵は上位魔人や下位の神たち(悪神や邪神の使役神だ)になる。

まだ、俺に対する神の加護は有効だと思われるため、魔人や悪神・邪神の攻撃は受けていないが、これも、そろそろ対応策を立てなくては(まあ、対応策とは言っても今のようにレベルを上げて相手と戦える、対抗できるまで強くなるだけのことなんだがね)

司祭様、神殿長様と会い、今日は様子を見ることにした。

神殿内部でも、街の中でも偉そうにした奴らが頭を抱えて七転八倒している。

民に対して悪をなすと絶対に治らない頭痛に悩まされる事、その恐ろしさに気づいた奴も、チラホラと見受けられ、明らかに接客態度と寛容さ、笑顔が(作り物だとしても、無理やりだとしても)あふれた行動をとっている。

馬車を往来で走らせたり、無理難題で民を困らせたり、税や寄進を強要することも少なくなっている(やろうとした奴らは頭痛で蹲っているか転げまわっている)

昨日までの行為、行動とは全く違った支配層の人間たちの行動に不審がる市民たちに、司祭様や神殿長様たちが説明する。


「昨夜、彼らの上に神の罰が下りました。死を賜ることはありませんでしたが、民の嘆きや恨み、怒りを受けると、死ぬより辛い頭痛に、その身を苛まれるという罰です。痛みで死ぬことはありませんが、それは民の嘆きや怒りが無くなるまで続くことになります」


これを聞いた後、支配者の者達が、どうなったか?

予想はつくだろ、今まで虐げてきた民たちから、そのままの意味で「言葉の暴力」を食らったのだ。

怒りの言葉、恨みの言葉、家族を奪われた嘆きの言葉、いっせいに、そんな言葉が彼らの上に降りかかってきた。

もう、苦痛の言葉すら上げられないほどの痛みが、彼ら、もと支配者達に襲いかかっていることだろう。

さて、死ぬことはないと暗示はかけたが、精神はどうだろうかね?

司祭様も神殿長様も、


「ラス、ちょっとやりすぎじゃないですか?」


と、今にも言いたそうにしてますな。でも俺はお二人に、こう応える。


「とんでもない。ここで許したら奴隷に売られた人たちは、どう思いますか?神の怒りは、そんなに人を差別するのですかと逆に言われますよ」


これを言われてしまうと、お二人には言葉が無くなるよね。

そう、お二人が悪いのじゃないですが、あなた達は世間というものを知らなすぎますよ。

っと。

これは一歳半の俺が言えた言葉じゃないけどな、ははは。

2日間ほど様子を見て、もう心がバキボキに折られている奴ばかりだと確信したところで、もう一度、奴らを集めて暗示をかけ直す。


「今までの頭痛は消え去る。しかし、己が今までなした悪行を全て謝罪、補償するように。死んだものには特に残された者達に手厚い補償と保護を。これが全て達成されなければ、夜になると、死んだほうがマシだと思うような悪夢に悩まされる事だろう。神は、お前をいつでも見ていることを忘れるな。特に、死神は隣にいて、いつでも命を刈る用意ができているのだ」


これを催眠術として暗示かけるだけじゃなく闇属性の精神干渉として心に焼き付けておく。ここまでやっとけば、さすがに真人間になるだろう。

これで改善しなきゃ、それこそ悪夢がいつまでも続いて安眠の夜は決して来なくなるだろうよ。

司祭様と、神殿長様には、とりあえず精神干渉まで報告して、ここの神殿関係者で、まだ清い精神を持っており、神殿を任せられる者たちを選んで新しい神殿長と司祭のグループを構成し、後を任せる。

新米に任せて大丈夫か、だって?

俺が知ったことじゃないよ、それは。

まあ、真人間になった旧神殿長や政治家達もいるんだから、何とかなると思うよ。

ってなわけで、俺達は旅立つ。

司祭様や神殿長様は、まだ不安がってるけど、それよりも枢機卿会議ですってば。

臭い臭いは元から断たなきゃダメって言うでしょ?

次の街目指して、レッツゴー。


ーーーーーこれより、司祭と神殿長の会話ーーーー

「神殿長様、ラスが死人を量産せずにいてくれたのは良かったのですが、何か穏やかではない方向に彼は向かっているような気がするのですが」


「うむ、私もそう思う。しかし、人として見るのではなく、ラスを神の使いとして見た場合、それほど突飛な行動はとっていないと私は感ずる」


「はあ、神の使いですか。ラスは、この頃「人の形を取りし死神」という異名を取り、また、相手を蹂躙する場合にも、この言葉を使います。このまま行くと、本当に、人の中から、人の形を取りし死神を生んでしまうように思えて仕方ありません」


「神の考えは人には分からぬ。人に分かるのは人に見える事だけだ。ラスは今この時点で、我々の見えないものを見て、我々に感じられぬものを感じているだろう。我々、人が、そういう「人を超えたもの」を人の枠で論じて良いものだろうかな?私は、そう思う。大量虐殺にならなかったことだけを喜ぼう」


旅は次回へ続きます。


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