田舎でも、邪悪な奴は叩き潰します。 又の名を、経験値稼ぎの旅。
はい、お待ちかねの無双場面が登場します。
もう、人外領域を爆走している主人公、すでに人間(個人)や小隊規模では叩き潰されるだけです。
朝になりました。
いつものように鑑定魔法、それ。
人族 ラスコーニコフ 1歳
異名:人の形をとりし死神
レベル48 修行僧 なし
体力 1152(1152)
魔力 4799(4798)
素早さ 504
器用さ 486
賢さ 697
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)、闇属性魔法(78%)
適合率(中)
なし
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
ひさびさにギフトを起動したが、いつの間にか耐久力も、超回復も上がっているようで、地味に体力値が増加していた。
朝になったら痛みも引いたし、これは数値上げ、やりやすそうだな。
昨日、街に入った時の人々の覇気のなさを思い出して、修行僧として寄進を募りながらも、この街の支配者の様子を聞く。
まあ、こちらが修行僧だからか、思いのたけをぶちまけてくる人が多いこと多いこと。
立ち寄った数10軒の民家や商家、鍛冶屋などで話を聞いたが、総合すると、支配層が宗教的にも政治的にも、ろくな奴らじゃないらしい。
中央に返り咲くことばかり考えて、神殿にも寄進を強要し、税も倍になって、両方から絞りとって民の涙を思いやることもなし。
寄進や税の額が足りないと、即座に子供を奴隷商に売り、その金でまかなわせる。
こりゃ、深く考えなくても「有罪」決定!
昼過ぎに神殿長様と司祭様に、ここの悪行三昧を報告し、ここの神殿の要人達と、政治的に収めている街の知事に、予め警告だけはしておいてくださいと伝える。
2人が手分けして、協会側と知事側に悪行の即時撤廃と悔い改めを伝えたが、両方共、鼻で笑って相手にもされなかったとのこと。
はーい、これで言い逃れも出来なくなって、両方共、詰みです。
チェックメイトです。
神殿長様、司祭様、両名に、罪を償わせる人名リストを書いてもらい、次の日の夜に神殿で、そのリストにある者共を集めてパーティーを開くように指示する。
その日は、夜まで計画を詰めて、俺は寝る前のギフト発動。
はい、激痛で気絶ね。
朝が来た。
鑑定魔法で確認。
人族 ラスコーニコフ 1歳
異名:人の形をとりし死神
レベル48 修行僧 なし
体力 1296(1296)
魔力 4799(4798)
素早さ 504
器用さ 486
賢さ 697
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)、闇属性魔法(78%)
適合率(中)
なし
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
地味ですが、体力がえらいことになってます。
さて、夜まではやること無いから、ひさびさに闇魔法の練習しましょ。
カンストまで行かなくてもいいから、80%まで行きたいですね。
闇魔法の練習中、ふと思いついたことがあって、ちょっと司祭様に聞きに行った。
修行僧と教会重鎮では活動できる部屋すら差別されるのだ。
「司祭様、お伺いしたことがあるのですが」
「はい、修行僧ラス。何でしょうか?」
「無属性魔法ですが。打ち消し、つまり無効化の他に、吸収って、ありましたよね?」
「はい。君には必要ないと思いましたが、吸収も覚えますか?」
「はい、ちょっと面白い使い方を思いつきましたので」
てことで、司祭様に魔力吸収を指導してもらう。
無属性99%だから、すぐにコツも覚える。
「ありがとうございました。これで今夜、ちょっと面白い趣向になります」
「ラス。もう私が言えることじゃないですが、なるべくなら死人は少なくして下さい」
「はい、そうですね。そのために、この吸収、使いたいと思います」
後は、時間まで闇属性の訓練と応用。
ちなみに、こうなりました。
人族 ラスコーニコフ 1歳
異名:人の形をとりし死神
レベル48 修行僧 なし
体力 1296(1296)
魔力 4799(4700)
素早さ 504
器用さ 495
賢さ 700
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)、闇属性魔法(85%)
適合率(中)
なし
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
おお、闇属性85%になってる。これで今夜は面白い趣向になるぞ。
はい、日が落ちて、神殿の広間では悪人たち勢揃いのパーティタイムだ。
皆様、ほろ酔い気分になったところで、俺が登場。
当然、ブーイングの嵐だ。
「なんだ?お前は、新しくこの街へ来た修行僧ではないか。お前のような下賎な位のものが来て良い区画ではない。早く自分の与えられた区画へ戻りなさい」
ふっふっふ、その言葉に、俺は笑いで返す。
修行僧が、そのように返事をするなどと考えなかったのだろう知事の護衛が、俺をつまみ出そうと手を伸ばしてくる。
その腕を掴み、腕ごと後ろへ放り投げる。
グキャッ!
と音がしたが、腕が外れたか、それとも首の骨が折れたか。
周りから音が消える。
聞こえるのは、俺の笑い声。
「はっはっは。堕ちた者共よ。俺は神々より使命を託されし、人の形を取りし死神である。お前たちの罪科、もう天・人ともに許しがたし。大人しく静かに死ぬか、無駄な抵抗をして惨たらしく死ぬか、どちらかを選べ」
という俺は無手。
護衛の兵士や冒険者崩れの者共が、剣や槍を構えて斬りかかり、突きかかる。
俺は、風のように動き、剣も槍も寸前で躱す。
次の瞬間、剣も槍も、指毎、俺の握力に握り潰される。
ふふふふふ、と、俺の笑いは止まらない。
あっという間に、死者は無だが、重症軽傷(確実に指は潰されている)者が30名ほど。
後は護衛の魔法使いや魔術使いがほとんど。
魔法を放ってくるが、打ち消す。
吸収は?
あ、そいつの出番は後だよ。
全ての魔術、魔法を打ち消し、魔力切れで倒れる奴、ぞろぞろ発生。
残るは、ここの神殿の神殿長以下、腐った重鎮共と、知事以下も腐った政治家共。
さすがに神殿関係者は、腕に覚えのある魔法や魔術を放ってくるが、ここで、あえて吸収を使う。
「む、無効化ではなく、魔法や魔術を吸収しおった。無効化もそうだが、吸収などという秘儀を使うお前、何者じゃ?!」
神殿長(神殿長様と紛らわしいから、神殿長Bと呼ぶことにする)Bは俺の素性を聞いてくるが、
「はははは。もう言ったよ。俺は神の使いさ。ただし、死神の、な」
神殿長Bに近寄り、逃げようとする襟首を捕まえて、強制的に魔力を吸収。
気を失う一歩手前で止め、次のやつも同様。
10分後、疲れ果てたような顔で、その場にへたりこんだ権力者達が30名ほど。
俺は、催眠術と闇属性を組み合わせた精神強制暗示魔法を彼らにかけてやる。
催眠暗示の内容は、こうだ。
「民衆から嫌われるような悪行をした場合、心臓の鼓動一つごとに頭痛がする。悪行をすぐに止めて民衆から好かれるようなら頭痛は止まる。悪行を止めない場合、鼓動10回毎に頭痛のレベルが1割づつ上がっていく。死ぬことはないが、死ぬよりも辛い頭痛に、いつまでも悩まされる事になるぞ」
という強制暗示を与えて、そこを去る。
もちろん、彼らから俺の記憶は消しておく。
指を潰された者達も記憶だけ消されてしまい、この怪我の原因は分からずじまいとなる。
これ、相手を圧倒はしたが死人は出していないから、経験値は入らないかと思っていたのだが、思いの外、大きな経験値が入ってきて驚いた。
はい、鑑定魔法、どん。
人族 ラスコーニコフ 1歳
異名:人の形をとりし死神
レベル52 修行僧 なし
体力 1484(1296)
魔力 5199(4600)
素早さ 515
器用さ 502
賢さ 709
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)、闇属性魔法(90%)
適合率(中)
なし
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
すごいわ、やっぱり。
審査官や審問官のような高レベルじゃないから一気には上がらないけれど、多人数相手にすると、これだけ上がるのね。
神殿長様や司祭様に事後報告をして、俺は自分の寝場所へ戻る。
明日からの施政と教会が見ものだね。
ということで、ギフト発動。
俺は気絶して、寝る。