一夜で育ってしまいました。 元・乳児が説明に苦労しています。
当たり前ですが人外に近づいた主人公には、新しい、負荷に耐えられる身体が必要です。
そのための処置でしたが、さて、周りの人たちに、どう説明したものでしょうか。
今回は成長説明と、それに基づく、新しい魔法・魔術の訓練に入ります。
(訓練場所や訓練方法は変わりませんが)
次の刺客も、さくっと潰して経験値にするんですからね。
でもって、本部へ乗り込んで枢機卿会議ってゴミを大掃除しなきゃ、主人公は安心して旅には出られません。
当たり前ですが、この物語は主人公が転生後の世界を巡りながら、仲間を集めて悪神や邪神と戦い、倒したり封印したりしていくのがメインなんですから。
決して、神聖教会って組織そのものと戦うのがメインの物語じゃ無いんですよ。
題名に書いてませんよね?
教会とか宗教と戦うとは。
人族 ラスコーニコフ 1歳
レベル27 なし なし
体力 898(898)
魔力 2699(2699)
素早さ 299
器用さ 386
賢さ 587
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)
適合率(中)
なし
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
一晩経ったら体力の現在値、魔力の現在値もアップしてました、やっぱり。
これってさ、もしかして魔法も魔術も使わなくたって俺、拳1つで人間相手どころか魔獣クラスでも無双できるんじゃね?
ってな時点までたどり着いてしまった感じのする、見た目15歳の一歳半、ラスコーニコフです。
朝、いつものように父さんに連れられて神殿へ行きました。
当然のごとく司祭様が出てきたのですが、こいつ誰?
という表情をしておられます。気持ちは分かります。
実の両親にすら昨日は、そんな目で数時間ほど見られてましたから。
父さんの説明にも胡散臭い表情をされておられます。
ここは1つ、ご納得いくようにしましょう。
「司祭様、私に鑑定魔法を放って下さい。そうすれば、これが真実かどうか分かりますから」
まあ、それはそうですね。
とか呟きながらも、司祭様は俺に向けて鑑定魔法を放つ。
しばらくして、俺の顔と、得られた鑑定結果を交互に参照していたのであろう、完全に納得はしてないようだが、ある程度は理解してくれたらしい。
「ラス、本当に君なんですか?鑑定魔法は、君が本人だと結果で表示されていますが、とてもじゃないけど納得できる現象ではありませんね」
「自分でも驚きましたよ、このレベルアップの眠り現象の結果には。神様が説明してくれましたが、極端なレベルアップで今の肉体が耐えられなくなるようだと自動的に数値やレベルに対応した肉体に成長したり調整されたりするようです」
「はあ、そうでしたか。お父さんと一緒に成人間近の少年が来るから、ラスはどうしたのだろうと心配してしまいましたよ」
「ご心配、おかけしました。今の身体は、とても調子がいいですよ。今まで出来なかった事も出来そうです」
「まあ、それはそうでしょうね。もはや、私ごとき通常人では届かないレベルと数値ですから。でもね、忘れないで下さい、ラス。君は私の教え子であり、君は人間です。神に届くレベルと数値になっても、君が人間であるという事は決して忘れないで。迷いも、間違いも、後悔も、泣くことだって、人間だから許される。決して神になろう、替わろうとは思わないで下さい。私は、人間であるラスが大好きなんですからね」
う、泣けてくる言葉だね、司祭様。
「分かってます。ラスコーニコフは人間の子です。悩んで、苦労して、泣きわめきながらも生きていきます」
俺達は久々のバ○ムク○ス!
を、ガシッとやったさ。
それから、しばらくして。
「それじゃ、今日からは、ラスに無属性以外を教えようと思います。実は、私はあまり得意ではない属性なのですが闇属性と、こちらは得意の聖属性」
「はい、司祭様、質問です。僕が戦った審査官ですが、呪いのような魔法を最初に放ってきました。もしかして、あれが闇属性という魔法・魔術ですか?」
「ああ、よく覚えてましたね。そうです、あれは結構レベルの高い闇魔法でした。私は、あれだけの闇属性は使えませんが、基本だけなら教えられます」
「闇魔法って、あれを見る限り、相手の精神を直接攻撃するような類のものだと思いましたけど。ああ、だから、神に関する聖属性と反する属性になるんですか」
「ほお、ラス。レベルアップして賢さも3桁になったので一段と推理が鋭いですね。概ね正解です。精神関係に作用する魔法・魔術を闇属性と言います。でも、これには精神治療の魔法や魔術も含まれますから全てが悪いものではないのですが。まあ、強い薬は毒に成り得ると考えれば良いでしょう」
「強い魔法や魔術で相手の精神に作用や強制をしたりすると、確かに、使い方を間違えると精神錯乱や、精神破壊につながりかねませんよね」
「だから、ラス。まずは闇属性を君に教えます。相手やレベル、魔法や魔術を慎重に選ばず、審査官や審問官のように悪影響だけを与える使い方は絶対に間違っていますからね!」
と言いながら、鑑定や、相手の行動、反応、会話などを交えながら、闇魔法を活用する方法を教授してくれる司祭様であった。
一応、俺も、その後、闇魔法の使い手にはなったが、色々と闇魔法のえげつなさを知ってしまった今では、こいつは封印しておくのが正しいのではないかと思うようになった。
ただ興味を引く事が1つだけあった。
それは闇属性でも治療関係の分野だ。
『洗脳の解消』という闇魔法・魔術があり、それは、相手の思考を正常な状態へ戻すもののようだ。
確定的に言えないのは、洗脳状態が、その人間にとって普通なのか異常なのか、やってみなきゃわからないって点だ。
その人間が本来異常なのか、それとも、何かで思考操作されたり洗脳されたりで、行動が異常なのに本人が気づいていないのか、それは、本人にしか分からないことじゃ無いだろうか。
俺は、魔法・魔術を習い始めて、今回、けっこう悩んでしまった。
あ、恒例の、今日の鑑定魔法結果です。
人族 ラスコーニコフ 1歳
レベル27 なし なし
体力 898(898)
魔力 2699(2639)
素早さ 299
器用さ 391
賢さ 590
魔法・魔術:
適合率(高)
無属性(99%)
適合率(中)
闇属性魔法(40%)
適合率(低)
なし
武器・防具:
適合率(高)
なし
適合率(無)
なし
ギフト:
恐れを克服する、己を超える、仲間を呼ぶ
まあ、なんとかなるだろう。
今でも人間相手なら悩まなくても無双できるし、ね。