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死んじゃって、転生しました。

オリジナルファンタジーをお届けします。

まだまだ伏線すら張ってない状況ですよ、長い目で見てね。


はい、俺は横道よこみち いたる

年齢は、と言ってもなぁ。

享年は32歳。

現在は0歳と3ヶ月。

例によって例のごとく、と言えば話が早いのかな?

現実世界では、そこそこ忙しいエンジニアだったけど、交通事故で、あっという間に人生「一巻の終わり」

あまりゲームとかに興味のない俺も目の前に20tダンプが反対車線から自分目掛けて飛んできた時には、


「ああ、悔いの残る一生だったよな〜。下手なゲームのバッドエンドだな、こりゃ」


と、最後に思うのが精一杯だったさ。

で、次に目覚めてみりゃ、このありさま。

さっきまで俺がいた道路は、どこいった?

何?

このボロボロの木造家屋って。

それどころか、テレビもねぇ、ラジオもねぇ、それどころか「電気がねぇ」って、歌の文句じゃない!

目の前の現実だよ。

満足に動かない赤ん坊の身体で、見渡せる範囲内で確認したところ、ここはアニメか某国営放送ドラマにでも出てきそうな平屋の木造家屋。

それも日本建築とかじゃなく、むかーしの中世時代くらいの西洋家屋だ。

と、ここまで見て、さすがの俺も確信した。


「輪廻転生だな、こりゃ」


前世の俺は多宗教だった。

無宗教じゃない、様々な宗教に入信・洗礼・得度、何でもいいが、やってみた。

それも、結構真剣に。クリスチャン(カトリック・プロテスタント・グノーシスまで)、仏教は念仏派も密教も、けっこう厳しい修行すらやった。

古代キリスト教を体感したいとユダヤ教会にも通い、それと同時にモスクにも通ってイスラームの教えも礼拝も実践した。

大学の卒論は人間にとっての宗教の意味を考察する論文で、ここまでやった各宗教を、ずたずたに扱き下ろしてバカにして神なぞ不要と断罪した。

まあ、宗教系の大学じゃなかったから卒業はさせてくれた(ただ、卒論は禁書扱いになったらしいと大学の後輩から聞いた。内容が悪魔書や邪神崇拝書の方がマシだと言うくらいのブツだったので、学長以下、教授連すら二度と読みたくないと恐れおののいた論文だったそうだ。おっかしいなあ、俺は卒論は真面目に書いたんだけどなあ、それも、数100Pもの大作で)

ちなみに俺が卒業してから数年後、某国の「ミスカトニック大学」とかいう聞いたことのない大学から俺に講演依頼があったと、その後輩が酒の席で言っていた。

なんでも俺の卒論を一読して、とても衝撃を受けたらしい。

東洋の片隅にある日本という国で、こんな書物に出会えるとは思わなかった、是非とも会って話がしたいと、その人物は言っていたそうだ。

書物じゃなくて個人の書いた卒論だってば。

あ~、社会人になってから妙に運が悪かったのは、あの卒論のせいだったのかな?

工事中のビルを通りかかれば鉄骨が落ちてくる、歩道を歩けばマンホールの蓋が開いている、乗るはずだった飛行機を悪寒がしてキャンセルしたら墜落したりテロで爆破されたり、挙句の果ては20tダンプが降ってくる。

まあ、それもこれも前世の事。

転生後にゃ関係あるまいて。

え?

関係ないよね?


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