イベント -喜劇-
「はあ!」
「ギギギ!」
目の前でアーサーとエドバクが撃ち合う。アーサーのデッキ[武装光機]は光の装備魔法が主体のデッキだ。輝く鎧をまとって戦うあれだと思えばいい。
「…さすがになかなかやる…。ならば一押し」
私は手札を確認する
<M-アルカナムジョーカー…六属性のいずれかの魔法がランダムに選択され発動する魔法。あなたの運命はいかに!?>
<I-ラッキーダイス…ダイスを振り、偶数が出れば一回ダメージを無効、奇数ならばダメージ。さあ!振れ運命のダイス!!>
<I-スーパービックリ箱…何が飛び出すか割らないビックリ箱。覗いちゃだめよ>
<A-ずっこけアタック。相手に頭からスライディングする。時たまクリティカルで二ダメージ与えることが出来る。こけた拍子にクリティカル!>
(…ふむ…アルカナジョーカーかな?)
アーサーのデッキはアーサー自身の武術に頼った接近戦主体のデッキなので魔法戦に弱い。ここはエドバクを壁にして魔法攻撃を繰り返すのが一番。
「…アルカナジョーカー!」
放出された炎の渦がエドバクごとアーサーを討つ。ダメージを受けたアーサーとエドバクはお互いに燃え盛りながらも渦から抜け出した。
「まさか味方ごととは」
「…立派な戦術の一つ…それにエドバクはこれ位じゃやられないよ」
「そのようだ!」
再び襲い掛かってくるエドバクをいなすアーサー。そろそろけりを付けたくなったのかカードを発動させる。
「光武装!ゴールドグローブ!!」
光り輝くグローブを手に付けたアーサーはエドバクの一つ目の腕が起こす斬撃を避け、そして二つ目の腕を破壊するために動く、だがそれは三つ目の腕による防御に防がれた。そしてエドバクの蹴りが飛び出す。
「腕が多いと言うだけでも厄介だな…」
蹴りを受け止めたアーサーはそれを思いっきり上に持ち上げる。態勢を崩すかと思われたが腕の一つを足側にしてカポエラのように足技を仕掛けてくる。
「光武装!レッグスパイク!!」
その足技を同じく足技で打ち返す。そして撃ち合った衝撃による反射を利用して回転して飛ぶようにエドバクの頭部への足技。だがそれはエドバクが頭部を逸らしたことで躱された。
その後も激しいやり取りが行われる。その中、私は冷静に相手の手札の枚数を確認する。
(…後二枚。あっちの作戦は成功しているかな?もう少し減らすべきか…だけどこれ以上は)
そう考え、エドバクに目線を向ける。エドバクはもうボロボロだ。アーサーの猛攻に腕は既に一対へし折られていた。
(…私のデッキはギャンブルデッキならここで一発勝負を仕掛けるのが花!)
「ふん!」
ついにアーサーの拳がエドバクの頭を潰した。消えゆくエドバクを見ながら私はタロットカードを取り出す。そしてそれを投げた。
「それで当てるつもりか」
余裕で回避するアーサー。さすがにこれでは無理か。アーサーは最小限の動きで私の元に接近した。
「まずは一枚。貰っていくぞ!」
そしてアーサーの拳が私に当たる。だが私の手札は減らなかった。
「…ラッキーダイス…スーパービックリ箱!!」
「く、なに!?」
そして動きの止まったアーサーにビックリ箱を当てる。捨て身の戦術これぞギャンブル!!
ビックリ箱から飛び出したのは大量の針だった。さすがのアーサーもこれは躱し切れなかったらしい。ダメージを受け後ろに下がる。
「ぬ、ぬう。まさか元より障壁を張っていたとは。やられたわ。だが…二度は無い」
そう言ってアーサーが飛び出そうとした時、空から声が聞こえてきた。
「うわ~なんだと~!!」
「なに!?」
アーサーが上を見上げるとそこにライムが落ちてきた。
「ぬ!」
「ぐへ!」
ぶつかり地面に倒れるアーサーとライム。そして同じようにトウドウも落下してきた。
「カカカ、仕事は果たしたぞミライ!」
「…ナイス。これでアーサーの動きは封じられた」
私はアーサー達の方に向かって飛び出す。そして地面に頭から突っ込んだ
「…ずっこけアタック」
「く、もとよりこれが狙いか」
「カカカ、そうだこの場所で戦った時からこの結果は決まっていた。策とは戦う前からもう始まっているものだ」
そして地面をすべる形で進む私はライムとアーサーを吹き飛ばす。クリティカルが発動し、二人を吹き飛ばした。
「まじか…これで終わり!?」
「是非も無し約束は約束だ」
既にカードがゼロだったアーサーと一枚だったライムはクリティカルによってあっけなく散った。
だが倒したのまでは良かったのだが勢いのついた私は止まれない。そして目の前に木が迫っていた。
「ミッション成功だな!…あ」
「…あ」
ゴンっと鈍い音が立ち、木が倒れる。そしてダメージを受けた私は消え始めた。その光景を目撃していたトウドウは腹を抱え笑い出した。
「カカカ、まさに喜劇。コメディだな。なんて終わり方だ!!」
こうして戦いは終わった




