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イベント -タイムアップ-


 「戯言を…!!七人がかりで倒したものに一人でそう簡単に勝てると思うなよ…やれ。ネオ・アルカナフレア!!」


 バハムート・ゼロの口元に高濃度の熱量が集まる。ネオ・アルカナフレアはアルカナフレアの上位技だ。あれで俺を焼き払うつもりなのだろう。


 (そう簡単にはやられないけどな。俺がそれで何度焼かれたと思ってる!!)


 ネオ・アルカナフレアの攻撃範囲は既に覚えている。いや覚えていなくても避けられる口から放出される性質上、高さが固定化され、斜めに降り注ぐ形でアルカナフレアは放たれる。すなわち足場が空白地帯。安全領域だ。


 熱の光線が放たれるのと同時に俺はバハムート・ゼロの足もとにスライディングする。バハムート・ゼロの上に載っていたフィルはバハムート・ゼロが障害物となり俺を見失ったようだ。


 (そういうところがまだまだ未熟だっていうんだよ!)


 俺はそう思いながら死角で手札を確認する。


 <M-ダブルキャスト…このカードを発動した後の、演唱のドローカード数を一度だけ二枚にする。一回で二枚なんてお得…>

 <A-エボルボムシュート…手に勢いを増す爆発する炎球を出現させる。貯めれば貯めるほど威力を増すが、ためすぎると自爆する。ボム投げはタイミングが命!!>

 <S-龍皇バハムート・ゼロ…龍の皇、バハムートの始祖。始まりにして最強。バハムート最上級レアで力を認められたものしか手にすることはできない。ゼロって付くとなんかかっこいいよね>

 <M-アルカナムジョーカー…六属性のいずれかの魔法がランダムに選択され発動する魔法。あなたの運命はいかに!?>

 <S-クロノ・クロニクル…


 クロノ・クロニクルの効果を確認し直す瞬間、焦れたフィルがバハムート・ゼロに足踏みを促す。足元の俺はそれにあたらないように走って飛び出す。手札には既に二枚のスペシャルがあるこれは言い手札だ。そしてフィルと同じようにバハムート・ゼロも手札にある…だけど俺は


 「俺は手札のバハムート・ゼロをコストに大魔道を発動する。時の支配者よ、その魔道の神髄を見せよクロノ・クロニクル!!」


 その言葉と同時に空に大きな時計が現れた。それは秒針を刻む。だが、今現れるのはそれだけだ。


 「なんだ…何も起こらない?自らバハムートを捨ててこの程度の魔法とはな!」

 「まあ!お楽しみはこれからだって奴だ!行くぜ俺はさらにダブルキャストとエボルボムシュートを発動する!!」


 演唱によるドローを二枚にし、そして手元に炎球を出現させた俺は走りながらその玉を上へと飛ばす。その玉はフィルに当たることはなかったものの爆風により、フィルとバハムート・ゼロの視界を塞ぐ。


 そしてその隙を突き、俺はバハムート・ゼロの龍燐にしがみ付き、よじ登っていく。


 「小癪な…どこだ…そこか!!振り落してやれ」


 バハムート・ゼロの叫びと共に腕が大きく振られる。俺は吹き飛ばされ、遺跡の方へと飛んでいく。


 「おおっと。手荒いな!もっとスマートに行こうぜ!」


 俺はダメージを受けないように武器で遺跡を破壊しながら態勢を直し着地した。そして遺跡の中を走っていく。


 「どれだけ逃げても無駄だって言っているだろう!ネオ・サテライトフレイム!!」


 近くの至る場所から湧き出した炎球、それがやたらめったらに遺跡に居る俺を探すように遺跡に降り注ぐ。その炎球は徐々に遺跡を破壊していく、その瞬間壊れた遺跡の先にあるものが俺の目に入った。


 (水?地下水か!!遺跡の下にそんなものが…)


 だが、今役に立つとは限らない。俺はそれを記憶に留めつつ走る。遺跡は三階建てだその三階は大きなテラスとなっている。そこからならバハムート・ゼロの肩口へと向かえる。足元からの攻撃では圧倒的に不利だ。まずはそこに向かうことが先決…


 (…ま、相手もそんなこと分かってるんだろうがな)


 俺は目の前に出た骨の軍団を見てそれを思う。あれは確かスカルレギオンという名の魔法だったはずだ。一定時間骨の軍団を生み出す魔法…魔法であるにも関わらず強力な軍団を召喚するということで有名になった強力な魔法だ。


 「もっとも位置設置型だから発動した場所から動かせないという弱点があるんだけどな…。だからこうすれば!」


 骨の軍団がこちらに向かってくる。俺は隣の壁を双剣槍で破壊するそしてその中へと入っていく。


 「カードは用法要領を守って正しく使いましょうってね」


 スカルレギオンの集団を越え、二階へと上がる。スカルレギオンが失敗したことが分かったフィルはバハムート・ゼロを遺跡へと顔ごと突っ込ませた。そしてそこから降りて俺を探す。その際に手札が三枚だった。バハムート・ゼロの召喚とコスト、そしてスカルレギオンを使ったことを考えると演唱をしてドローしたのだろう。


 「ちょこまかと…なんで私に気持ちよく倒されないんだ!もうお前の勝ち目何てないぞ!」

 「それはやってみなきゃわかんないでしょうが!」

 「そこか!ネオ・アルカナフレイム!!」


 その攻撃が遺跡を破壊する。俺が声をあげたのはわざとだ。俺の居る場所と誤認させた場所にはこの遺跡の支柱が存在する。それが破壊されたことで天井が崩れ、バハムート・ゼロとフィルを押しつぶそうとする。


 「何!?」

 「掛かったな!そのまま押しつぶされろ!!」


 次々と天井が崩れる。俺はそれから逃れ反対側のテラスへと向かっていく。


 するとカードの発動する声が聞こえる。


 「クラッシュオブフレイム…!!ふざけるなこれ位で私がどうにかなると思うなよ…!!」

 「思ってないさ『不確かな力!!我が名に置いて解き放て!!俺のターンドロー!!』」


 俺は炎の圧縮による破壊で天井の瓦礫を破壊し、フィルが脱出してきたのを確認しつつ演唱を行う。俺の引いたカードはこれだ。


 <M-改変する世界…このカードが発動した時、手札を全て捨てる。そして捨てた数+1の数を手札に加える。手札入れ替えはデュエルの基本!!>

 <C-ロードオブ・フレイムタン…炎の精霊王。実体を持たない姿で遠距離攻撃を得意とする。召喚時間を過ぎると自爆する。道連れ攻撃にご注意を!>


 「改変する世界!」


 そしてすぐさま改変する世界を発動させる。ドロー加速は熟練デュエリストに必要な要素の一つだ。俺は引いた手札を確認する。


 <I-俊移槍…投げた後一定距離をワープする槍。ワープ距離は選べない。き、消えた!!>

 <M-変転する力場…相手の魔法の属性を変える力場を作り出す。逆転現象って奴です>

 <T-隆起する世界…足場を隆起させる。但し隆起場所は特定できない。ぐへっと腹に当てないようにね>


 「マグネ・マグネル!!」


 フィルの次なるカード。それは物体を引き寄せる魔法だ。俺は瓦礫ごとフィルの出した磁力に吸い込まれそうになる。


 「っち…!」


 足元に双剣槍を突き刺し耐える俺、そこをバハムート・ゼロが狙う。


 「ネオ・サテライトフレア!!」

 「変転する力場!!」


 遅い来る炎球を俺は氷へと変え自らの盾とする。そしてその衝突が放つ水蒸気に紛れ走り出した。そしてテラスに駆け出しカードの効果を発動させる。


 「隆起する世界!!」


 どこから飛び出すかわからない足場を横向きに出すことで足場を増やすことに成功する。俺はその足場を伝い、バハムート・ゼロの眼前に飛び出した。


 「瞬移槍…!!」

 「いつの間に…だが!!無謀なる巨大壁!」


 俺は槍を投げる。すると巨大な壁が槍を妨げるように現れる。だがそれくらい予想済みだ!!


 「槍が…!!」


 突然消え、現れた槍がバハムート・ゼロの前に現れる。そしてそれはバハムート・ゼロを貫き…


 「そんなこの私が…!!」

 「タイムアップだ」


 そう俺が言った瞬間に頭上に存在する時計の針が一周し、世界が変わった。

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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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