イベント -贈る言葉-
僕は武器を構えレイサンダーを見つめる。レイサンダーも戦いの再開を理解したらしい。
「さ、お喋りはこれ位にして始めるとしますか。行くよセナ君!!」
「先手を打つのは僕です!!」
(踊り子による妨害はまだ生きている。それを利用して相手のペースを崩す!!)
「やれ、踊り子!!」
僕は踊り子に命令を出し、自ら走り始める。
(手持ちのカードの攻撃力は少ない…とにかく相手を妨害しつつ進めないと!)
レイサンダーへと向かっていくがその都度、進行方向に陣を作られ思い通りに進むことができない。僕がそうやって手間取っているとレイサンダーは演唱を行い手札を一枚回復させていた。
「例え見たとしても数の利はこちらにある!いくらやっても届きはしないよ!!」
「く!」
既に王手を掛けれている僕は自然と慎重にならざる負えなかった。加えた先ほどのような気付いていいない陣やハッタリにも注意を払わなくてはならない。結果、空間を把握し持久戦に優れるレイサンダーの後手に回る形となってしまっていた。
それでも、挑み続けると一瞬の隙が生まれた。僕はそれを好機と見て挑もうとして…そしてそこで気付く。
(これは本当にチャンスなのか?先ほどのように相手が作り出した罠なのかもしれない…一体どうすればいいんだ?どうすべきだ僕はこの状況で!!)
そして足が止まりかけた瞬間、観客席から声が聞こえ来た。
「セナァァァァ!!ひっくり返したれや~!!」
その言葉を聞いた僕は苦笑を漏らす。
「いきなり叫ぶ兄さんは嫌いだ…でもお蔭で決まった!!」
(何をすべきなのかはわからない…でも何ができるかはわかる!!例えそれが誰かが作った罠で選ばされただけの選択肢であろうとも、僕はそれを踏み抜いていく!!)
「来るか!!」
「あなたの思惑事ひっくり返させてもらいます!!」
僕はその隙に入り込む。
「なら!やって見せてみるんだね!陣形発動!線縛陣!!」
「自身と敵である僕を起点にした陣形アビリティ!?こんな隠し玉…でも!!」
自分と敵の位置を利用するという、味方の位置だけを利用してきた今までとは違った発動方法の陣形アビリティ。それが僕の動きを阻害する。だが僕はこの程度で止まるわけにはいかない
「トップストリーム!!」
僕は本来高く上がるためのアビリティを横にジャンプすることに使い勢いよく飛び出す。そしてその勢いを利用してボイスハウリングを行う前のルルに向かってダガーを投げる。
「らー」
声をあげ消えていくルル。レイサンダーが驚きの声をあげた。
「突撃に見せかけたルルの撃破!?でも武器をなくしてはどうしようもない!!」
レイサンダーは剣玉を振り、その玉で僕を狙ってきた。僕はアビリティを発動させた。踊るようにできた壁が剣玉の球を弾き返す。
「それはどうかな…武器なら既に準備されている!!」
風の壁が晴れた時、僕の手には一本のダガーが握られていた。このダガーはそう。
「それは…最初に弾き飛ばしたダガーか!!」
「そうだ!!これで~!!」
僕のダガーがレイサンダーへと向かう。だがレイサンダーはにやりと笑った。
「そうはさせないよ…!!陣形扇の陣…!!」
レイサンダーのアビリティが発動する。
光が晴れた時、そこにあったのはカウンター2となったレイサンダーと敗者となった僕だった。
「いや~なかなかいい一撃だったよ!!セナ君!!敬意を表してこの言葉を贈ろう!」
そう言ったレイサンダーは手を銃の形に変え、こちらにそれを向けて言う。
「楽しいデュエルだったぜ!!」
僕はそれを見て苦笑を浮かべた消えゆく中、思う。
(負けはしたけど全力を出した、楽しいデュエルだった)
こうしてカウンターデュエルの戦いは終わった。
☆☆☆
観客席へと続く通路。歩いている俺は自分のレギオンメンバーである。ライムを見つけ、声を掛ける。
「や~。ライム。会場に向かわなくていいのかい?」
「バトルロワイヤルは人数が多いからまだ時間があるんだ。それよりも子供相手に大人気ないよな。ルルまで出して戦うなんて」
「全力を出さなきゃ相手に失礼だろう?それよりもライム。折角次のデュエルを渡したんだしっかりやってくれよな」
そう言って俺達は軽く手をハイタッチのように打ち合わせる。そしてあることを思い出し言った。
「そういえばこの会場に来るまでに風賢を見たよ。…もしかしたら今回のデュエル、久しぶりに七色揃うかもね」




