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イベント -託されたもの-

予約投稿の日付が一日ずれて開いてしまいました。

申し訳ないです。

 次々とタルタンの外壁が剥がれ地面へと落下する。その破片に当たり手札を失う物、その破片が落ちた衝撃に巻き込まれ次々と自身の乗り物から落下していった。俺はそんな質量の嵐の中を駆け抜けていく。


 「むちゃくちゃだろうこんなのどうしろっていうんだよ!?」


 目の前に落ちてきた破片をバイクを操作して躱す、衝撃波で倒れそうになるバイクを何とか維持し進んでいく。

 …もはやRE-LITの元へたどり着く以前のことだった大量の物体によって巻き上げられた粉塵によって視界は狭まり、意識の合間を縫って破片が自身へ向かってくる。それは攻撃ではない、ただ自分を自壊させながら落ちてきているだけだと言うのにそれはただの攻撃以上の凶暴性を俺らに発揮していた。


 「嬢ちゃん気を付けろきやがるぜ~!!あれが!!」


 ヒャッハーの言葉に俺は上へと視線を向ける。そこには既に眼前へと迫ったタルタンが居た。


 (このままじゃ押しつぶされる!一か八か走り抜けるしかねぇ!!)


 俺はバイクの出力を限界まで上げそして走らせる


 「うぉおおお!!」


 そして粉塵の中を自分の勘と武術で鍛えた反射神経だけを頼りにして破片を躱しながら走り抜ける


 そして粉塵の中から抜け出した俺は背後で巨大な何かが落ちる音と共に発生した巨大な衝撃波を受ける。


 「くぅう…」


 必至で耐えながら辺りを見渡すとヒャッハーが俺と同じように抜け出していることに気付く、他のものはカードを利用して防ぐなどして切り抜けたようだ。まだかなりの人数の参加者たちがこの場には残っていた。


 「ふっ…走れないデュエリストにターンは回ってこない…これだけの数が生き残りましたか…ですが!まだ!終わりではありませんよ!!さあ再生せよ!そして再臨せよ!古代機城タルタン!!」


 そして再び初めてタルタンを見た時と同じように、そして同じ姿でタルタンはそこに再生する。


 「さあ、終焉の時間は始まったばかりですよ?」


☆☆☆


 「な、でたらめもいいところじゃないですかこの状況!この状況で再生までするなんて…!!」


 俺達の見る画面の中でミユは必死にタルタンの残骸から逃げ惑う、逃げ切れないと悟ったのか今回は闘技壁を使いタルタン自身の落下から身を守ったようだ。だがすぐに三回目の崩落が始まる。


 「でたらめでもないさ、タルタン自身は攻撃力を持たないカードだ。出来ることと言ったら今回のように自壊を利用して相手を巻き込むしかない…いくら攻撃範囲が広いと言っても避けることが不可能ではない以上、通常ならただの雑魚カードだ…それにタルタンの利点である再生能力も場にあるトラップと引き換えにするほどの価値のある物とは限らないわけだしな」


 だが…っと俺は言葉を続けた。


 「今回の場合だとそれが利点になったという話だ。何より大切なのはタルタンの質量だ。乗り物から落ちた時点で敗北なチェイスデュエルでは衝撃波を喰らってもダメージの無い通常デュエルとはタルタンの扱いが段違いに変わる。単純に言えば当たらなくてもいいわけだその後の衝撃波で相手を吹き飛ばされるならそれで利点になる、そして再生能力も何度も連続して相手の態勢を崩すためと考えれば大きな利点だ。けどこれらも相応のリスクを負った上での出来事だ。何より評価されるべきはRE-LITの戦略だろう。初めからこの展開へと導くために彼は[再起の夢火]を使い戦いながらもトラップを残した。そして手札が一時的にゼロになるというリスクを侵しながらも究極召喚を行ったわけだ。距離が近ければあの召喚と同時に攻撃を受け、負けていた。考えてみればカードの効果で距離をはがされたときにこの結果は必然となっていたのかもしれないな」


 再び迫りくるタルタンをフォトンスピード使いスピードを上げ何とか乗り切るミユ、だが既に手札はゼロになってしまった。他の参加者も似たようなものだ。そんな彼らに最後のタルタンが今、襲い掛かろうとしていた…


☆☆☆


 「くそ!まだ終わらないのか!!」


 再び降り注いできた破片の嵐に俺は思わず悪態を付く、多くの参加者が既に倒れており、後ろの方は確認できないが、目に見える範囲で生き残っているのは俺とヒャッハーだけになっていた。ヒャッハーはカードを使いブースターでバイクのスピードを上げたり、破片を重火器で吹き飛ばしていたが既にそれらも尽き俺と同じように現状打つ手がない状態だ


 破片の衝撃波で車体が揺れる。俺は態勢を維持するためにスピードを落とすしかなかった。そして自身の真上にタルタンが存在することを理解する。


 「くそぉ…躱し切れねぇ…。こんなこんな負け方なんて…」


 そう俺が呟いた瞬間何かが後ろにぶつかった音がした。それと同時にそれ以上、上がらないと思ったスピードが上がっていく。


 「な、これは」


 驚いて振り返った俺の目に映ったのは俺のバイクを後ろから押し出すように走るヒャッハーの姿だった。


 「ヒャッハー。このままじゃ共倒れだぜ、ならせめて一人だけでも俺が送ってやる」

 「お前…なんで俺を!?」

 「へへへ、一度戦えばそいつは全員ダチさ、ならダチのためになんかするのが男気って奴だろうよ。それによ」

 「それに?」

 「このままやられっ放しってのはしょうにあわねぇ!だからよ託すぜ嬢ちゃん!!あのすかした面を思いっきり殴ってやれ!」


 そう言ってヒャッハーは更にスピードを上げる。二つ分のバイクのスピードが合わさり、タルタンの範囲外まであと少しの場所まで来ていた。


 「嬢ちゃん!おめぇは俺ら敗者の希望だ!せっかく生き残ったんだ!この粉塵を切り抜け熱い勝負を見せてみな!!」


 そして鈍い音共に後ろから後ろに何かが落ちる音がする。俺は振り返ることもせずバイクを走らせた。


 「変な物、託されちまったぜ。だがな…」


 そして俺は粉塵を切り抜けRE-LITを眼前に収める。そしてそのままスピードを上げ、拳を振り上げた。


 「お前を一発殴るのは同意見だ!!」


 そして拳を振りおろし…


 「ふ、愚かですね。トラップ発動パンクアース」


 その拳がぶつかるより速く地面が膨れ破裂し、バイクから吹き飛ばされた。地面に落下するまでの短い間にRE-LITの声が聞こえてくる。その口調はやっとこの言葉を言えたと言った喜びに溢れていた。


 「常に人間にはいくつもの選択肢があります…ですがその中から選びとれる可能性は極僅か…だからこそ慎重に選び、追求しなければなりません」


 吹き飛ばされたバイクが先に地面に落ちる。


 「確かに託されたのでしょう…ですが何の考えも無い一撃ではその思いすら無駄にする。どうして私が何も仕掛けてないと思いました?時間は充分ありました。警戒し準備を行ってから私を狙うという手段もあったでしょうに」


 そして俺は地面に落ちた。


 「すべてはあなたの無謀さから導いた結果です。常に考え続けたものが勝利する。それが真理。私の勝ちです」


 こうしてチェイスデュエルは終わりを告げた。

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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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