イベント -鋼鉄の城-
「ヒャッハー~!!お嬢ちゃんもさっさと落ちちゃいな~!!」
「っち!」
ヒャッハーの放つ、銃弾を俺はバイクを逸らし躱していく、そして反撃をするためにカードの効果を発動させた。
「落ちるのはてめぇーだ!喰らえ!気動波!!」
威力を制限してまず一発目をヒャッハーの進路の先に放つ。
「おおっと!」
ヒャッハーはバイクを斜めに倒すとカーブを描くように進路を変え、俺の攻撃目標地点から逃れようとする。
「そう簡単に逃がすかよ!もう一発!!」
俺はカーブによって態勢を崩しているヒャッハーに向けてさらに気の固まりを一発放つ。ヒャッハーはその攻撃に対し、カードの効果を発動させ、新たに手元に召喚したアイテムを使って防ぐ。ロケットランチャーのような見た目の銃器は気の塊を爆破した。そして噴煙の中からヒャッハーが飛び出してくる。
「お返しだぜぇ~!?」
「くそ!バンバン撃ちやがって!!」
ロケットランチャーのようなものから放たれた銃弾がいくつも俺に目掛け飛んでくる。必死の思いで躱す俺に追撃してきたのはヒャッハーではなくRE-LITだった。俺の避けた先にいつの間にか機雷が発生する
「なに!?」
俺はそれを躱すことが出来ずに吹き飛ばされた。そして光速拳を失う。だがバイクから落ちるわけにはいかない、俺は倒れかかるバイクを元の位置に戻すために最後の気弾を地面に向けて放ちその反動を利用した。ほうっとRE-LITが仮面の奥で感心したような声を漏らした。
「今の態勢から立て直しますか、なかなか頭が回るようですね」
「うるせ!!馬鹿にしやがって!!それよりさっきのは何だ!!あんな所にいつの間にトラップを仕掛けてやがった!!卑怯だぞ!!」
俺の苛立った言葉にRE-LITはふっと笑う。
「卑怯?何を甘いことを言っているのでしょうか…得たい未来を得るためにはあらゆる手を打たなければなりません。手段を選ぶのは運命に対する傲慢ですよ」
「はあ?何を言っている?どういうことだ!まるで意味がわからないぞ!」
卑怯云々の話なのに何でいきなり運命論の話になっているんだ?
「わかりませんか。まあいいでしょう。それといつの間にっと気にしていたようですがそんなに気になるなら答えを見せて挙げましょう!私は手札からトラップカード獄炎の箱庭を発動する!」
「手札からトラップだと!?」
RE-LITの手札が三枚に減る、それと同時に俺とヒャッハーを囲むように炎の壁が現れ俺達を囲み始める。そしてその炎の壁から炎が吹き出してきた。
「あっちっち!熱いぜ~こりゃ~」
「くそ!こんな小細工にやられるかよ!フォトンジャンプ!」
バイクの跳躍力を上げる。そして高くバイクで飛び出した。囲いから抜け出した俺は再びRE-LITの元へと向かっていく、視界の端ではヒャッハーがカードを使ったのか手札を二枚に減らし、手に新たに制圧用の盾を装備しながら現れる。
「置いてくなんて酷いじゃないかお嬢ちゃ~ん」
「アンタもやっぱり抜けてきたか…」
そして俺たち二人を見たRE-LITが言葉を漏らす。
「やはりついてきますか。さすがにこの程度ではやられないようですね。…良いでしょう説明してあげましょう。私のデッキ[再起の夢火]は手札から発動できるトラップが大量に入ったデッキです」
「セットせずに使えるなんてインチキ効果もいい加減にしろ!!」
「…もちろん。メリットだけと言うわけではありませんがね、手札から発動したカードは」
そう言ってRE-LITは箱庭があった場所を指さす、俺達がそこに目を向けるとそこには小さな炎の箱が残されていた。
「あのように効果が終わればただの効果のないオブジェクトとしてセット状態で残されます。単純に言えばトラップカードを使う枠が一つ減るわけです。あのオブジェクトもそれはそれで使い道があるのですが…まあ今は良いでしょう」
そしてRE-LITは再びコースの前方へと視線を向ける。
「準備は整いつつあります。あなた方がどこまで私に抗えるか見せてもらいましょうか」
「ヒャッハー!すましたこと言いやがって!!その顔すぐに吠え面を書かせてやるぜ~」
「ああ、そうだな俺もやってやる!!」
俺とヒャッハーはスピードを上げRE-LITに追い付こうとする。彼はやれやれと首を横に振った後言った。
「まさかこうも単純に挑発に乗ってくれるとは…まあ良いでしょう。発動!インパクトレジレンスウォール!!」
俺達の前に突如壁が出現する。俺達はそれに突っ込み…そしてある程度まで進んだところで大きく後ろに吹き飛ばされる。
「うおぉ!!」
幸いあの壁事態に攻撃力は内容でダメージは追わなかった。そして態勢を崩されることも無くただ後ろに吹き飛ばされる。気付けば俺たちはトップ集団から離され、先頭を走るRE-LITから全ての参加者が大きく引き離された形だ。
「くっ!時間稼ぎか?多少引きはがされたってすぐに追いついてやる!あいつはもうトラップは使えないんだ追いつけば勝てる」
「果たしてそうでしょうか?」
「なに!?」
RE-LITの声が聞こえる。彼は片手を上に挙げ宣言する。
「既に軌跡は描かれた!!さあ!終焉を始めましょう!!私は手札を一枚コストに払う!!」
「やべぇ!」
そしてそれを見たヒャッハーは危機感を抱いたのかロケットランチャーを取り出し、RE-LITを狙い撃つ。だが後方からの攻撃の為、威力が弱まり、RE-LITにやすやすと躱されてしまう。
「な、なんだ!?」
困惑する俺をしり目にRE-LITは演唱を続けた。
「幾年の時を経て佇む、太古の技術で作られし城よ!!今こそ壮大なその姿を現し、愚かなる人々に威光を示せ!!究極召喚…現れよ古代機城タルタン!!」
その言葉と共に雲を切り裂き巨大な何かが現れる。それを見て俺は呻く。
「な、なんだよあれ!?」
そこに合ったのは機械でできた巨大な砦…いや城だった。圧倒的な迫力に俺は一瞬怯む、だがそのモンスターが何も攻撃してこないのを見てそれを侮った。
「凄い大きさだ…だけどただデカいだけじゃ」
「タルタンの効果発動。このカードが召喚された時、フィールドにセットされている自身のトラップカードを吸収する!リペアリングイート!!」
フィールドに残っていたRE-LITのトラップカードのオブジェクトが空へと上がっていく。
「そして、吸収したカードの数だけこのモンスターは命を得る!!」
「なんだって!?」
「このカードが吸収したカードは三枚…よってこのカードは三回の再生が可能です。ふふふ、本体であるタルタンを倒すには三つの仮のタルタンを倒さなければならない…あなた方にそれが出来ますか?」
「くっ…たが、いくら復活しようとも結局はでくの坊じゃねぇ~か!どうとにも…」
それを聞いたRE-LITはバイクを後ろ向きに走らせながら振り返る。
「甘い!!ただ強さだけがカードの価値ではない!今それを教えてあげましょう!!」
その言葉と共に鈍い音が響いてくる。音の出元を探していた俺はふと上を見上げた。そして気付くRE-LITの言葉の意味に
「な!?ま、まさか落ちてきているってのかあれが!!」
そうそこには鈍い音を立てその体を崩壊させながら地表に迫ってくるタルタンの姿があったのだ…




