表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/135

イベント -もう一人の勇者-


 『時空を越え極めし一撃!その力解き放ち!群がる敵を撃て!!俺のターンドロー!!』

 『策謀巡らし!喜劇を作る!!アヤカシの力!!今こそ、この場に見せよ!!ドロー!!』


 炎皇がカードを発動し、自分に向かってくるのを見ながら自分はカードをドローする。そしてそのカードを見た。


 <M-アースピック…土でできた針を多数放つ魔法。外れても自然に帰るエコ素材です!>


 はずれを引いた…自分は瞬時にそう思った。ピックによる攻撃ではダメージを与えられても吹き飛ばすことはできない…さきほどの炎皇が使った付与と同じだ。一瞬苦い顔をするものの表情を戻し、相対する。こちらに向かってくる炎皇に対し、自分も駆け出し迎え撃つためにカードを発動する。


 土で作られた多数の棘が炎皇に降り注ぐ、炎皇はそれを炎球を持たない左手で全て受け切り、痛みを堪えながらもかけてきた自分に対して右腕を向ける。


 …だが自分もただでやられるわけにはいかない。炎皇が黒炎によって固めた地面を踏切、拳を振りかざす。


 「うぉおおおおおお!!!」

 「とべぇえええええ!!!」


 クロスカウンターのような態勢になり、自分の拳は炎皇の頬を打ち抜き吹き飛ばす。だが既に炎皇の手を離れた炎球を防ぐことはできなかった。


 自身の腹に命中した炎球が急激に膨張するのが分かる。そして一瞬の時の後、爆風に俺は吹き飛ばされていた。落ち行く中、自分の目に立ち上がる炎皇が映る。その時、ふと自分は思った。


 (…もし当たりのカードを引いていれば自分は勝てただろうか?あそこに立っているのは自分だったか?)


 だが自分はその考えをすぐに自分で否定した。


 (…いや、カードのあたりもはずれも無い。はずれに見えてもそれを活かせばよかったのだ。自分ははずれに見えるカードを活かし切れなかった。対して炎皇は最後まで駈けずり回ってカードを活かし、そして今勝利した…自分の完全な負けだ!!)


 公平な勝負だった。運ゲーと言われるカードゲームでも勝ちを導くのは最後まで足掻こうとする人の意思だ。


 「…見事!!」


 自分は晴れ晴れとした表情でそう言い切った。やはり、デュエルはいい。またいつか戦おう。そう思いながら自分は場外へと落ちた。


 「しゃあああああ!!」


 最後に聞こえたのは勝者の雄叫びだった。


☆☆☆


 スマッシュデュエルの仕合が終わった俺は通路を通り、会場から観客席へと向かっていた。


 「ん?あれは…」


 そんな俺の前に向かい側から歩いてくる男の姿が目に映る。金髪の皮鎧の少年…単純に言えば勇者のような男、クリア・バーテックスレギオンリーダーのエイトだ。


 俺はエイトの横をすれ違うように歩く、するとエイトが通り際に声を掛けてきた。


 「いい勝負だったよ。…でもやっぱり君を倒す勇者はあっちじゃないみたいだね」


 俺は声を掛けられたことに気付き足を止め振り返る。だがエイトは足を止めることなく会場に向かいながら振り向かずに一言いった。


 「魔皇を倒すのは勇者の仕事だ。決着を今度こそつけよう。バトルロワイアルで待ってるよ」


 そう言ってエイトは通路を抜けきり見えなくなった。俺はそれに対して一言物申す


 「ものスゲー死亡フラグだったぞ、今の。スポーツ物で大抵ダメなやつじゃん」


 心の底からの一言だった…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ