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オープニングイベント -第一ラウンド-

 お互いに距離を開けて向き直る。


 「さてっと…それじゃ始めるか。デッキオープン!!」

 「デッキオープン!!」


 お互いの体の周りに五枚の光の板が回る。同時にお互いが敵に向かって飛び出した。


 「いくぜ!!」

 「…こい!!」


 俺は手札の内容を確認しながらユーリと剣を交える。


 <S-バハムート…龍の皇。最強の召喚獣。とりあえずよんどけば何とかなる!!>

 <M-ファイアーストーム…炎の竜巻を発生させる魔法。森では使わないでね?>

 <T-ワイヤートラップ…ワイヤートラップを設置する。通せんぼだ!!>

 <C-スライム…最弱のモンスター。プルプル、プルプルプル>

 <M-ファイアーブースト…炎で体を包み身体能力を向上させる。燃えてる燃えてるよ~でも熱くな~い>


 (よっしゃ。スペシャル発見!!)


 いきなり強力なカードを手に入れて少し舞い上がる俺。ユーリの槍を横に避け剣で切り付けようとするがユーリは槍の持ち手を変え槍を回転させるように上へと突き上げ俺の剣を防ぐ


 「っち!」


 バックステップで距離を取ろうするが槍の攻撃範囲の長さによって一発をもろに喰らってしまった。


 「ぐあ」

 「まず一枚」


 俺はすぐさまダメージによってどのカードが消えたのか確認する。


 <S-バハムート…龍の皇。最強の召喚獣。とりあえずよんどけば何とかなる!!>

 <M-ファイアーストーム…炎の竜巻を発生させる魔法。森では使わないでね?>

 <T-ワイヤートラップ…ワイヤートラップを設置する。通せんぼだ!!>

 <M-ファイアーブースト…炎で体を包み身体能力を向上させる。燃えてる燃えてるよ~でも熱くな~い>


 (く、スライムか!!バハムートじゃなくてよかったが。出し惜しみしてる場合じゃね~)


 再び距離を詰めようとするユーリ。俺はその前に魔法を発動する。


 「わが身に纏え。ファイアーブースト!!」

 「…!!」


 ユーリの想定外のスピードで俺は距離を詰める。相手の槍を飛んでかわしそれを踏みつけた。


 「カードを使えばVRチルドレン並みの身体能力を得られるんだぜ!!まあ、カード捨てて肉弾戦なんてカードアニメでやったらもう終わりな感じになっちゃうけどっな!!」


 俺の剣がユーリの顔に迫る。ユーリはあえて槍を捨てそこから逃げ去った。

 武器をなくして佇むユーリに対して俺は語りかける。


 「武器をなくしちゃ戦えないだろう。カードを使ったらどうだ」

 「…!!そんなのいらない。私は私だけで最強!!」


 ユーリが殴りかかってくる。俺は足元の槍を足で持ち上げ剣を持っていない方の手で持った。


 「二刀流だ!!」

 「剣と槍じゃ二刀じゃない!!」

 「細かいことはいい~んだよ!!」


 俺は槍をユーリへと突き出す。ユーリはそれを躱し、何と両手で槍を掴んだ。


 「マジか!!」

 「大マジ!!」


 そして槍を始点にして俺にけりを放つ。俺は槍を捨て両腕を使い蹴りをガードした。


 「ぐっ」


 体制を立て直そうとするが吹き飛ばされて上手くいかない。その間にもユーリはこちらに飛び掛かってきそうだった。


 「っち。ワイア―トラップ!!セット!!発動!!」


 俺は自分の後ろにワイア―を仕掛けそれ足場にして体制を立て直す。


 「なに!?」

 「トラップは攻撃だけでなくこういう味方を生かす使い方もできるんだぜ!!」


 『人が作りし力。それは新たな世界へと導く力。現れよ!俺のターンドロー!!』


 「く、また!」


 おれはカードをドローする。


 <I-魔玉…投げて割れば周りを魔法の闇が包み込む。間違って自分が見えなくなってしまうんだよね~あるある>


 「くらえ!!」

 「っく…!!」


 俺は魔玉を割り闇の煙で辺りを充満させる。


 「みえない…でも動けば私なら判別できる…」


 『大いなる魔の力よ。我が名においてそれを解放せよ。俺のターンドロー!!』


 「そこか!!」


 俺の目の前にユーリが現れ俺に襲い掛かってきた。だがそれは…


 「俺の狙い通りだ!!ファイアーストーム!!」


 「…!!!!」


 俺はユーリと共に炎の渦に包まれる。そしてお互いに一枚手札が割られた。


 「自爆…!!」

 「そうさ自爆特攻ってやつさ!!」

 「カードをわざわざ無駄にするなんて!?」

 「言っただろう?どんなことでも布石にするそれがデュエリストだってな~!!」


 お互いに距離を取り。森の中を走り回る。俺はその間に二枚手札を回復させた。


 <M-リジェレイト…使い切ったCカードを一枚手札に戻す。いざと言うときに一本持っとけば安心安全>

 <C-ドラグーン…魔王軍の誇り高き騎竜。ほらそこ飛行機の方が楽とか言わない>

 <C-モンタージュミスト…人の姿をまねる魔物。くるくるくるぱ。さ~て本物はどっちかな?>


 実は先ほどから手札にはリジェレイトが存在した。どちらを失っても実質的にバハムートになるだから俺は迷わず自爆特攻を仕掛けたのだ。


 (デッキ圧縮要因はしっかりと考えないとな。カードバトルの基本は自身の思い描くコンボを繋ぐことだ!!)


 「サモン!我が騎竜!!ドラグーン!!」


 それにより黒色の立派な騎竜が召喚される。俺はユーリが突撃してくる前にそれに飛び乗った。


 「まて、空へ逃げる気。卑怯者」

 「ばか、空も立派なフィールドだろうが!!」


 『大いなる魔の力よ。我が名においてそれを解放せよ。俺のターンドロー!!』

 『今ここに、現れよ俺の切り札のモンスターたちよ。俺のターンドロー!!』


 (これで同数。まだまだこれからだぜユーリ!!)


 俺は手札を確認しながらユーリを見つめる。


 <M-転移…相手と自分の位置を入れ替える。あれいつの間に。>

 <C-オーガ…魔王軍の突兵。戦闘力はゴブリンの二倍だ!>


 ユーリの様子を確認し、暇があるなら再度演唱しようとするが、それより先にユーリの行動に度肝を抜かれる。


 ユーリは木の枝を足場にこちらに飛び跳ねてやってきた。


 「まじかよ!!」

 「空もフィールドなんでしょ!!」


 ユーリの槍にドラグーンが貫かれる。


 「くそ!!」


 ドラグーンが消え。俺はユーリと共に地面へと向かっていく。

 ユーリは空中で体制を整えると俺に向かって槍を落とすようにして突き出した。


 「はぁあ!!」

 「そう簡単にやられるかよ!!移し身の力!転移!!」


 俺に槍が届こうとしたその瞬間、俺とユーリの位置が入れ替わる。


 「それぐらい…読めてる!!」

 「な!!」


 ユーリはそれにすぐさま対応し切りかかろうとした俺の剣を槍で受け止め俺の体ごと弾き飛ばす。そしてその反動を利用して地面に着地した。


 「ふう…」

 「…」


 ユーリは安堵のため息を吐く。それを見ながら着地した俺は必殺の一撃が防がれたことに衝撃を受けていた。


 (やっぱり強いなVRチルドレンは。…ならそろそろやるしかないか)


 「さすがにやるな」

 「…そっちもね」

 「正直このままだとカードを使わせる間もなく本当にやられそうだ。それだとお前にカードゲームの楽しさを教えるって目的が果たせないからな。そろそろ奥の手を出させてもらうぜ!!」

 「お前じゃないユーリ」


 ユーリはそういいながら何が来てもいいように身構えた。俺は俺の周りを飛ぶ二枚の光の板の中から一枚を選択して発動する。


 「今ここによみがえれ…我が最強の眷属バハムート!!発動!!リジェレイト!!」


 その言葉と共にどこかから新たな光の板が追加される。そしてすぐさま俺はそのカードを発動させる。


 「深き深淵の中、光を覆い尽くす最強の龍。ここに出でて我が敵を打ち払え。現れよ俺のエースモンスター。バハムート!!」


 その言葉と共に俺の周りを飛んでいた光の板が全て消えた。それを見たユーリが呟く


 「手札が消えた?」

 「そう、バハムートのような究極召喚はスペシャルカードと言う分類になっている。スペシャルカードは手札をコストとして破棄することで呼び出すことのできるカード!先ほどドラグーンのような騎竜と一緒にすると痛い目にあうぜ!」


 その言葉と共にバハムートの召喚が完了する。そびえたつ木々の二倍ほどもあるその大きさ。がっちりとした翼は全てを薙ぎ払うことを想像させ、闇を模したような黒の色は見るものを畏怖させる。紅蓮の鋭き目はユーリを睨み付けていた。


 「さあ…第二ラウンドの始まりだ!!」


 その言葉と共にバハムートは咆哮と共に動き始めた。


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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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