イベント -動き出す者たち-
「ゲームだと?」
私は横崎から上がってきた報告を聞く、あの後、迅側から接触があり、ゲームで決着を付けないかと言う提案が来たのだ。
(いきなりどういった心変わりがあったというんだ?だがまあいい。もとよりかなり無理をしなければいけない状態だった。それをたかがゲーム一つ勝てばいいと言ったところまで譲歩してくれたのならば好都合だ)
「横崎!!そのゲームの詳細は聞いているのだろうな!!」
「はい。こちらになります」
横崎から送られてきた情報に目を通す。まず驚いたのはそのゲーム名だ。
「ブレイブカード…カードゲームか?プレイしたことはないが…しかしカードと言ったアイテムが主体となるのであれば金でどうにでもなるな…あとはチームを整えるだけか…相手のプレイヤーの情報はどうなっている?」
「それはこちらになります」
さらに送られた資料に目を通す。対象のプレイヤー…そしてそれが所属するレギオンの情報が載っている。
「リヤンショワ?無名のチームみたいだな。それだけじゃない…そのレギオン員もほとんど無名の奴ばっかじゃないか!!これで本当に私に勝つつもりなのか!!」
私は思わずバカにされたように感じ憤慨する。しかしすぐに落ち着きを取り戻した。
「っち、何をイラついているんだ。相手が弱ければ弱い方がいいだろうが。ただ歯ごたえの無い障壁こそつまらないものはないな」
その怒りを受けた横崎が答える。
「一応、一人トッププレイヤーが混じっているようです」
「この――と言うやつか?炎皇と言われているようだが…だが多数いるトッププレイヤーの中の一人だろう…実際前回のランキング戦では他の攻略ギルドのレギオンリーダーと相打ちになっているみたいじゃないか」
「は、確かにそうなのですが…。この者を含めた七色の担い手と呼ばれる者たち…その者達はこのゲームで初めて超高難易度レギオンボスのバハムートの最上級レアを手に入れたことで有名になっております。そして迅もその担い手の一人です。伝手を辿り、その七色の担い手が敵に回るとなるとそれなりにてこずることになるかもしれません。…こちらにはカードゲームプレイヤーが少ないので…」
その言葉を聞いた私はふむとその考えに納得する。確かにそうだ。この炎皇というのも、そしてリヤンショワというレギオンも担い手たちもゲーム全体から見ればあくまでトップの一つという判定だ。だが私たちはこのゲームの新参者…どれほどの差があるかということがわからない。そう考えれば状況は対等…いや少し不利か。侮っていたがなかなかどうしてよく考えられているゲームだ。
確かにその担い手とやらは脅威になるだろう…だが…
「敵に回せばまずいならこちらに引き込めばいい。カードゲームを知らない私たちの戦力にもなるはずだ。そうして相手の兵力を減らせばそれだけ有利になる…横崎動くぞ!まずはブレイブカードで彼らとコンタクトを取る!!」
アバタ―の情報から現実世界の情報を仕入れるのは少々骨が折れる。直接出向いてゲーム内で処理した方が速い。私たちはブレイブカードの中へと旅立った。




