イベント -宣戦布告-
イベント、大会編です!
カードアニメと言ったらやっぱり大会が重要な部分になってきますが、それはこのカードバトル的VRMMOでも同じです。
なのでギャグ少なめでシリアス、SEKYOO多めなのでお気を付けを
「幻堂 迅…あなたは会長に引退してなお、Primordial Tree Companyに強い影響力があると聞きます。Primordial Tree CompanyがVRの根幹技術を秘匿するのは先代社長にして現会長のあなたの強い意思があるということも。ただそれは正しいことなのでしょうか?人は有史以前進化を繰り返し、より良い道具を生み出してきました。あなたのやっていることはその進化を否定することだ。奇跡的に生み出すことができたVR技術…そのブレイクスルーの原因は偶然の産物であり、現行の技術をもってしても他の誰もが作れないといいます…そしてその内容を知っているのはあなたを含めた開発陣だけだ。他の開発陣たちが様々な問題でそれを語れなくなった今、その技術を知っているのはあなただけだと言ってもいい。このままその技術を廃れされていいのですか?我々ならばその技術を正しく扱いより発展させることができる…どうか私たちに公開してはいただけないでしょうか?」
私は目の前で穏やかな笑みを浮かべ座っている老人に向けて話しかける。こんな歩みを止めた老いぼれに頭を下げるのは癪だが、この老人がこの世界の他の誰もが持っていない技術を持っているのは事実だ。丁寧に対応し、所々上手く持ち上げて商談を纏めないといけない。
…そもそも私の会社のプログラマーがPrimordial Tree Companyのプログラムを解析すればそれで終わりだったのだ。だがそれはできなかった。単純にそこらにいるプログラマーにパソコンを動かしているプログラム全て説明して。と聞いて答えられるプログラマーがどれほどいるか。おそらくほとんどいないだろう。現存のプログラマーの多くはそのハードとなるものを開発した企業が用意したAPIを利用し、それに合わせてアプリケーションを作成する。つまり中身の詳しい動作を知らないのだ。もちろん調べていくことは可能だ、オープンソースとして公開しているところも多いだろう…だが、今回の事例は違う。VRという前提となる概念の無い技術…そして完全に秘匿されたプログラム…さらに急激に進化したIT技術を利用した最新鋭の暗号化も行っているという。どれほど強力な技術者でも…いや、現在この世界にいるどのプログラマーでもそれを解析することはできないだろう。だからこそそれぞれは限定的な機能として提供されたAPIを使い大人しくVRアプリケーションを作成しているのだ。世界のプログラマーは。
だが、私はそれに納得しない。なぜそんな限定的な機能で満足する?そこにはさらなる可能性があるのだ。多少リスクを冒してでも手に入れる価値はある。様々な国や組織や企業は限定的ではないものを手に入れても大したメリットもなく、デメリットの方が高いと断念しているようだがそいつらはバカばっかだ。私はこの企業の社長としてもっともっと上に行かなくてはならないのだ。このVRはその通過点だ。これを手に入れて私はもっと先にいく。
私は心の中に野心を押し止め、あくまで友好的に迅に相対する。そんな私に迅は話しかけてくる。
「それで…発展させていくといっていますがあなたは技術を手に入れてどうするおつもりですか?」
「そうですね。まず現在の禁則事項になっている感情制御を有効にします。そしてその中で訓練プログラムを実施したいと思っています。現在、VRチルドレンとして天才児たちが多数生まれていますが故に勉強などの苦痛を嫌がる傾向が増えています。そこに商機がある。感情制御によってそういった勉強など、あるいは労働に対する嫌悪感、苦痛間を排除すれば何の気兼ねもなく誰もが健やかに学ぶことができる…これは人類の発展に繋がることですよ?」
禁則事項の話題に触れたことで迅の目が鋭くなる。だがある程度は予測できていたことだ、その為の準備もしてある。
「禁則事項…それらは人体に悪影響を及ぼすから禁止されているのだということをわかっての言葉ですかな?」
「もちろんそう言われていることもわかっています。ですが当社のデータでは人体に及ぼす影響はごくわずか、ほとんど無視してしまっていい値だということが判明しております」
私は自身の社員が作ってきた資料を迅に見せる。このデータが本当に正しい物かは知らない、もともとデータなんて自身の意見を通すために都合のいいところから集めるものだ、別にわが社だけではない、どこでもやっていることだろう。それに影響があるかどうかなんて実際に起こってもわからない物だ、世界は決めつけでこれが起こったのはこれのせいだというが証拠なんてあるわけない。別に押し通しても問題は無いはずだ。…そう、要はこれでVRの技術さえ手に入ればいいのだ。後はどうでもいい、どうとでもなる。ここはダダの通過点なのだ。
「ふむ…」
迅は渡された資料をしっかりと読み込んでいく、そして一息ため息を付くとその資料を置いた。
「本当に良くできていますね。まるで違和感がない。本当に良くできていますよ」
私はその言葉を聞いて悟った。迅はこのデータが本当に証明できるものだなんて思っていないだが正確に作られたデータは人に客観性という武器を作る。世界がそれで回っている以上それを突っぱねることは難しい。だからこその言葉。心の中では苦虫を噛んだような表情をしているのだろう。
「ええ、当社の社員が苦労して調べ上げたものですから」
私は心の中で勝利を確信し言葉を繋げる。私の企業は世界でも最大手の企業だ、その企業が正当な理由をもって参入してきたのだこれを退けるのは難しいだろう…そう思っていた私に思わぬ言葉が聞こえる。
「…ですが、お断りいたします。どのような理由があれ禁則事項は解かないことにしているのです」
私はそこでミスを悟った。最大手だから?正当な理由だから?もはやそういったことはこの企業には関係ないのだ。世界の多くに浸透したVRの根幹を担うPrimordial Tree Company、彼らはもはや普通の企業とは違う。普通は不可能なゴリ押しでも可能としてしまうのだ。
「なぜですか!?私たちのプランならあなたが作り出してしまったVRチルドレンたちのためになるのですよ!!それをするのがあなたの贖罪なのではないのですか!!」
そして私は方針を変更する、利で諭せないならば弱みを付く。企業戦の上等戦術だ。罪悪感をむき出しにさせてこちらの意見を引き出す。
迅は一瞬苦い顔をしたもののその後こちらの意見に従うことはなかった。結局この日の商談は失敗し、私たちは帰路に付くことになった。
その途中こちらを伺う男と少女に気付く
(なんだあの男はこのショップに用が…?いつか使えるかもしれない覚えておこう)
私はその男の特徴を一応記憶しておいた。今迂闊に動くのは危険だ。迅の部下の目もあるだろう。だが…
(もし折れないというならあらゆる手を使わせてもらうからな…!!)
私は迅に宣戦布告をし車に乗った…
ああ、もっと魅力あふれるキャラが作れるようになりたい…
カードアニメを作ってる人たちは化け物か!
どうやったらあんな濃いキャラが作れるんだか




