クエスト -「お楽しみはこれからだ!!」-
「んじゃ、先行は貰うぜ!ルールは簡単。手札5枚とドロー1枚でコンボを決める。ちなみにドローは演唱も必要だからそこは見せ方が大事だぞ、別にドローしなくても得点に影響はない、不安定なカードにかけるより手持ちで見せるってのもありだ!!」
「デッキオープン!!」
俺の周囲に手札が展開される。俺はそれを確認した。
<M-光の泡球…破裂する光の球を大量に出現させる。攻撃範囲は大きいが威力は低い。何と儚きかなシャボン玉>
<M-ミラーミラー…一つ前に発動した魔法と同じ魔法となり発動する。反射、反射>
<C-光騎士ユーシス…光を継し戦士。その極めた剣技が敵を撃つ。こう騎士的な?(笑)>
<M-シャイニング・ジャベリン…五本の光の槍を作りだし、敵を撃つ。攻撃は敵を軽く追尾する。魔法っぽい魔法ですよこれは>
<I--聖剣セント…聖なる力を持った剣。使用者の身体能力を上昇させる。これを持てば君も勇者!!>
(この手札なら…)
「まずは一番手!!先陣を切るのは此奴だ~!!シャイニング・ジャベリン!!」
その言葉と共に光の槍が五つ現れる、それらはそしてそれは俺の操作によって互いを縫うように空へと舞いあがりぶつかった。
「「「おー!!」」」
観客の歓声の中、大きな光が溢れる。そしてそこが晴れた時、まるでその光の残照がそれに変わったかのように大量の光のシャボン玉が周囲に浮かんでいた。
「炎皇が送る光のショウ。第二幕!!シャボンの輝きをご覧ください!!まだまだ増えますよ~!!ミラーミラー!!」
その言葉と共に大きな鏡が現れ、そこにシャボンが移ったと思うとそれが砕け中にいたシャボンが飛び出す。そしてシャボンの光と砕け散った鏡が周囲に乱雑な…それでいて調和のとれた光を送る。
「幻想的だ…」
NPCの観客の言葉を聞きながら俺はまだ手を緩めない。そう
「お楽しみはこれからだ!!『一瞬の閃光は真なる境地を見つけ出す。極めし一撃ここに!!俺のターン!!ドロー!!』」
そのシャボン達の中心に立った俺は演唱をし、カードをドローした。
<A-双刃乱舞…剣を持った人型が二人いるときに発動可能。二つの剣撃が周囲の全てを切り裂く。ぶんぶん飛び回ります>
(きた!!これだ!!)
「俺はユーシスを召喚!!さらに聖剣セントを装備させます!!」
現れたユーシスに俺はセントを渡す。だがこれはただ武器を装備させたわけではない、これにはその先が…さらなる展開が待っているのだ。
「ただモンスターに装備させただけだと思いますか~?それは違います!!いまここで私が装備のその先をお見せしましょう!!装着進化!!」
ユーシスと彼の持つ剣セントが輝きだす。そしてそれが晴れた時、そこには神々しい勇者が召喚された。
「勇者ユーシス!!これが彼の真の姿です!!そして…双刃乱舞!!」
俺はユーシスと共に空を飛びまわりながらシャボンを切りまくる。広範囲攻撃アビリティ双刃乱舞によってシャボンが割られ光が溢れる。観客はその剣舞と光の酔いしれた。
そして全てのシャボンを割り、着地した俺はユーシスを消し、観客に礼をする。
「以上が炎皇がお送りする光のショウです。ご観覧ありがとうございました!!」
その言葉と共に会場が湧いた。意外性の評価点は低かったが俺は無難にNPCの評価を勝ち取った。
(次はお前の番だぜ…)
そして舞台裏に移動した俺はもうすぐ始まる弟子の演劇を心待ちにした。
☆☆☆
(逃げないで…ここから始めるんだ!!)
舞台上に立った私は大勢いる観客に怯えながらもなんとか逃げずに踏みとどまった。自分がやりたいと思ったことをやるべきことをそう思った時にしっかりとする…忘れちゃいけない大切なことだ。私は成るためにもここで逃げずに最高のショウを見せなければならないのだ!理想のミスト・シュナイダーのように!!
「デッキオープン!!」
私はデッキを展開させる。そのカードとは…
<M-変身(魔法少女)…魔法少女へ変身する。魔法適正が上がり、負荷効果が付くことになる。制限時間が終わると元の姿に戻る。げへへこれでカードゲームも女子人気獲得だぜ…>
<M-ダークウェーブ…闇の波動を飛ばす。波です、並みな波です>
<M-闇の回廊…目の前に攻撃を別場所に飛ばす回廊を出現させる。飛ばす先はランダム。一か八か飛ばしてみよう、そうしよう>
<M-アビスボトム…重力魔法。対象の重力を増やす。重力系は大抵チート能力が多いです>
<M-スロウルーム…カードの動きを遅くする空間を作り出す。発動は遅め。ちょうどいいタイミングを狙いましょう>
「行きます!!変身!!」
私はまず、魔法少女に変身する。何もかもここからだ。ここから少しずつ近づけていく!!
「霧の魔女ミスト・シュナイダーは銀河すら支配する!発動スロウルーム+ダークウェーブ!!」
私は二つのカードを同時に発動させる。変身により効果の付与されたダークウェーブから星が現れる。さながらそれは新しく現れ出た銀河のようだ、そしてそれはゆっくりと広がり始める。
「自身の魔法にデパフを!?そうかそれで発動完了までの時間が伸びて発動状態が維持されているのか考えたな!」
師匠の言葉が聞こえる。師匠を驚かすことができたことに喜びを感じつつ、私は次の手を打つ。
「星すら私の手の内だ!見せてあげましょう流星の夜を!!アビスボトム!!」
私はダークウェーブによって発生した星に重力魔法をかける。重さを増した星はその銀河を離れ落下し始めた。そして取り残された銀河はまるで夜のようになり、そこに星降る夜が生まれる。
「ふん、これだけでは先ほどのプレイヤーは越えられんぞ!!」
観客の罵倒の声が聞こえる。だが私にはもう関係がない。それを無視し自分のベストを出すのだ。
「ならこれはどうでしょう!!闇の回廊!!」
変身の追加効果で出現口をある程度操作をし、回廊を出現させる。そしてそこに落ちた星は回廊を移動し再び空へと舞いあがり回廊に向かい始めた。
「星がまた降ってきた!!」
「すごい!!」
「願い事しなくっちゃ!!」
観客の歓声が聞こえる。
「無限ループ…!!カード効果を組み合わせてくるのは常道だがそれをこんな形で!!出現口を固定させて何度も流星を繰り返しているのか!!」
さあ、ここからが本番だ!
『霧の魔女ミスト・シュナイダーが命じる。我がもとに深遠なる魔の力を顕現せよ!!』
「こい!!」
<M-キャッチ&リリーフ…対象を捕えて飛ばす。ちゃんと捕まえたら離さないとだめだぞ>
「星降りの夜ももう終わりです。最後は皆様に私から星をプレゼントいたします!!キャッチ&リリーフ!!」
回廊に入る直前の星を捕まえ私は観客の方へそれを飛ばす。スロウルームの効果が消え、消えかかったダークウェーブと星は観客に届いた瞬間儚く消えた。
大歓声の中、私の演技が終わる。意外性を評価され…私は師匠に勝利した。
☆☆☆
「さ、さすがだな弟子よ…我が技術は全て伝えたもう残すことは…ゴホ!!」
舞台裏に戻った時、師匠はどこかから用意した血糊を付け、倒れそういった。
周りではミライさんが寝ちゃだめだー目を開けろー凍え死ぬぞ!!と場違いな対処法をしている。
私は少し呆れながら、会話に参加した。
「し、ししょう…」
「もう免許皆伝だ。これからはしっかりと頑張れよ!これプレゼントだ!」
そう言って師匠はミラーミラーのカードを私にくれた。私が疑問の顔で見ていると師匠が答えを返す。
「コンテストバトルっていってもバトルだからな。負けたらカードを渡さなくちゃいけないんだ。今回はまあこのカードだったってことだな」
「あ、ありがとうございます…」
それってプレゼントっていうのかなと思ったがさすがにこの空気を壊すことはやめた。
賑やかな雰囲気の中、私と師匠の修行の日々は終わりを告げたのだった…




