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レギオン -騙ス-


 「そこにいるんだろう?出てこいよ」


 俺は剣を拾いながら声の聞こえてきた場所に声をかけた。


 「あーあ。ばれちゃったんなら仕方ないね」


 そこから人が飛び降りてくる…対戦前にレンと呼ばれた男だった。


 「しかし炎皇さんえげつないことしますね。やっと勝てる希望を見つけたところで不意打ちなんて」


 一部始終を見ていたのだろうレンはそういう。


 「油断するやつが悪い!」


 俺は胸を張り、ドヤ顔をした。


 「ははは、まあそうっすね。じゃあ炎皇さん俺と勝負してくれますか?」


 ギラギラとした目でこちらを見るレンに俺はドン引きをする。


 「なあ…なんであんたらVRチルドレンってそんなに戦闘狂多いの?」


 その言葉にレンは少し考えた後答えを返す。


 「優秀だって周りから言われ続ければ自分がどれだけ優秀か試したくなるじゃないですか…そういうことですよ」

 「はあ。試させられるこっちの身にもなってくれよ…」


 お互いに武器を構えた。


 「それじゃ、先手はもらう!来いA:アロー!B:ブロス!」


 その言葉と共に1mくらいの小型の機械でできた人型が召喚された。

 俺はそれを見て驚きの声をあげる。


 「A、B?ABCDEデッキか!?」

 「そうだ!こっからがこのデッキの真価!!A:アロー、B:ブロス!融合進化!!」


 俺の目の前で二体のモンスターが重なり合い融合する光と共に新たに一体のモンスターが生まれた。


 「AB:アブロー!!」

 「っち!!いきなりABまで持って行ったか!!」


 ABCDEデッキとはファンデッキの一つだ。融合進化…たとえばドラグーンとゴブリンソルジャーを融合進化させると竜騎士ゴブリンとなるように特定のモンスターとモンスターを組み合わせることで新たな進化カードを作り出すことを主体と置いたデッキの一つだ。


 その中でもこのABCDEデッキは一段と使い辛いデッキとして知られており。使い手が少ない。理由はAから順にEまで進化の順番を守って進化させないといけないからだ。間にモンスター自体が倒される可能性なども高く扱いこなせないのが普通なのだ。だがその使いづらさの反面、最終進化形態のABCDE:エドバクは進化モンスターでありながら究極召喚に匹敵する能力を誇るという。


 (まさか、ABCDE使いに合うとはな)


 珍しいファンデッキに合えた喜びとそれと戦える楽しみを抱えながら、合体し2mとなったモンスターがその手に持った剣で切り付けてくるを剣で防ぐ。


 「く…!!」


 つばぜり合いの形となり両者硬直するがそれを破ったのはレンの一手だった。


 「C:クロス…融合進化!!」

 「なに!?」


 つばぜり合いを行う目の前のアブローの姿が変わる。新たに増えた二本の腕に握られた剣が俺の腹を抉った。


 「ABC:カブ!!」

 「ぐぁ…」


 手札が一枚削られ、吹き飛ばされる。転がる俺が視線を向けると投げナイフが飛んできているのが見えた。


 「っち!」


 回転の勢いをあえて自身の動きで増やすことでナイフの到着地点から逃げ出す。しかし勢いをつけすぎたため上手く立ち上がることのできなかった俺にカブの攻撃が迫る。


 (連携が上手い。お互いの隙を完全に埋めてきている!!)


 俺はカブに対抗するために咄嗟に手札を確認した。


 <I-紅蓮のマント…紅蓮を纏ったマント、氷属性耐性を装備者に付与する。これぞザ・マント!!>

 <I-フレアカノン…一発使い切り、極太の火炎レーザーを放つ。一撃必殺…これぞロマン>

 <M-ファイアウィップ…鞭のようにしなる炎の魔法攻撃。掴もうと思ったら燃えちゃった…>


 (ここは…!!)


 「紅蓮のマント!!」


 俺は紅蓮のマントを発動しあえて自分で装備せずにそれを投げる。そしてそれは攻撃をしようとしていた。カブの顔面に命中し、顔を少し焼き怯ませた。


 (今ならカブはこちらを認識していない!!)


 マントで目を塞がれたカブを倒すため俺は位置を変え剣で切りかかる。だが視界の端に影が映ったことでそれを止めその影を剣で吹き飛ばした。


 「させるか…がぁ!」

 「は!!…だめか!!」


 影…レンは手札を失い吹き飛ばされる。追撃しようと動くがマントを取ったカブがその間に入ったため俺は一旦引き演唱を行う。


 『大いなる魔の力よ。我が名においてそれを解放せよ。俺のターンドロー!!』


 <M-ミラージュファントム…使用者が考えた幻影を作り出す。幻影は実体もなく攻撃力もない。脅かし専用の技です…はい>


 (このカードは!?…来た!!これで勝利の方程式は揃った…。奴はあのモンスターを使うことに固執している。…さっき危険を冒しつつも守りに来たのがいい例だ…そこが奴の弱点になる!!)


 俺は武器を構え動き出した…


☆☆☆


 (さっきは油断してダメージを受けてしまった…でもカブは守れた。あの攻撃に反応するなんてさすが炎皇っていった所かワクワクしてきたぜ…)


 俺は演唱を終え動き出す炎皇を見ながらそう思った。


 (手札は一枚だが残りの手札はD:デム…だ。これがあればABCD:バダックにできる。そうすれば戦闘力は格段に上がる…まだ充分戦える…)


 炎皇に向かわせるためにカブを前に立たせると炎皇が突然呟いた。


 「一直線に並んだな…くらえフレアカノン!!」

 「なに!?」


 炎皇が発動させたカードによって巨大な銃が現れそれが俺達に向けられた。反応するまもなくその射撃が行われる。


 極太のレーザーが俺達に向かって飛んできた。広範囲のレーザーを防ぐためにカブがその攻撃を受け止める。


 「まずい…このままじゃカブがもたない…!!」


 このレーザーを防ぎきることは簡単だ。代わりにカブがやられることになるがこのまま耐えさせればいい。だがそれではここまで積み上げた結果が無駄になってしまう。


 (やるしかないか…)


 俺は最後のカードを使うことにした。進化をすればダメージと召喚時間はリセットされる。ギリギリ終わる段階でカブをバダックに進化させればこの攻撃を実質無効化できる。


 「D:ダー召喚!融合進化!!ABCD:バダック!!」


 レーザーが晴れる…と同時にこちらに向かってモンスターが飛んでくるのが見えた。


 (レーザーの間に召喚したのか!?こちらが手札がゼロになるのを見越して直接攻撃に来たか!!)


 「バダック!!」


 俺はそのモンスターを倒すようにバタックに命令する。バダックはそのモンスターへと切りかかり…すり抜けた。


 「な、幻影…!!陽動か!?」


 叢の中から炎皇が飛び出してくる。


 「させるかよ…!」


 俺はナイフを取り出し投げようとするが…


 「ファイアウィップ!!」


 炎皇が出した炎の鞭にナイフを弾き飛ばされてしまった。


 「しまっ…!!」

 「得るものばかり考えて、自分をないがしろにし過ぎだぜ!」


 その言葉と共に炎皇の剣が俺を貫いた…


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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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