レギオン -観ル-
俺はセナがトラップによって起きた雷に貫かれた瞬間、自分の策が成ったことを理解した。…人は一度その形で勝利すればその勝ち方に希望を持つ、二度勝利すればその勝ち方で勝ちたくなる。それは追い詰められればられるほど傾向が高くなると言えるだろう。
セナは炎皇から聞いた話では炎皇戦、そしてユーリ戦ともにブロウオフによるコンボで勝利をしていた。だからこそ今回も俺を倒すためにブロウオフを使用してくることはわかっていた。だからこそその対抗策を用意していたのだ。
ブロウオフは手札のカードを使用不能にする強力なカードだ。だがあくまで対象は手札のカード、そのカードを設置していればそれを使用不能にすることはできない。
ブロウオフを発動させ、無駄打ちさせるためにギリギリまで引き付けてトラップを設置発動したのだ。
(まずは一人だな。だが手札は使い切ってしまった。思ったより消耗してしまったな)
そんなことを考えているとセナが何かを呟いた。そしてまかせてというユーリの言葉が聞こえたと思うと、セナの体を貫いて槍が飛んできた。
「仲間の体ごと攻撃してきただと!?」
俺は咄嗟の状況に驚くもその槍を鉄線を蜘蛛のように張り巡らせ俺の眼前で止めさせることに成功する。
「だが甘かったな。あと一歩届かなかった!!」
俺の目の前にはセナが消えた先に槍を投げた姿勢で固まっているユーリが見える。彼女の周りには手札が一枚回っていた。
(?手札が残っている…?なぜそんな状況で槍を投げた?いくら不意を突けるとはいえカードでの攻撃の方が確実性は高かったはずだ。それに情報ではユーリは常に手札がゼロになって勝つような積極的な戦い方をすると聞いている…なのになぜ…まさか!!?)
「起点…!!」
「フリーズバースト!!」
雷帝がその正体を叫ぶ前に槍から伸びた氷が雷帝を貫いた。ゴーレム戦の後、攻撃力不足に悩んだユーリが入れた…情報に無い槍が雷帝を貫いたのだった…
☆☆☆
「勝った…」
私は目の前で消えていく。雷帝を見ながらそう呟いた。
手ごわい相手だった。この間戦った時とは比べ物にならないほど強い相手だった。
(セナがやられてしまった…とにかく今は態勢を整えて!!)
その時、油断した私の胸にナイフが刺さった。
「…え!?」
ダメージを受けた私はフィールドからはじき出されるために消えていく。
「この戦いは四対四だってことを忘れるな」
言葉の出た場所に視線を向けるとレンと呼ばれていた男がいた。
「はあ、それにしても雷帝より影が薄いってこれやばいな…こっち終わったし次の場所に行くか」
その言葉を聞いた後、私は戦いの場から消え去った。
☆☆☆
フィールドから弾き飛ばされた私は控室に戻っていた。戦いの様子を確認するために関戦場へと向かう。そこには先にやられたセナと雷帝がいた。
「お~ユーリちゃんも来たか、俺に勝ったんだから最後まで残ってて欲しかったんだけどね~」
雷帝が気さくに声をかけてくる。私は辺りを見回し言った。
「まだ、私たちだけ見たい。それに人多いね」
「そうですね。他の人たちはまだ戦っているみたいです。あそこの画面に映ってますよ」
「だいたいレギオン戦があると外部から観客がこれ位くるからな~まあマキシマムエックスはそれなりに有名だからその分人は増えているだろうけど」
二人の言葉を聞いて私は画面に目を向ける。そこにはちょうどおじさんがマサキに魔法を放っている場面だった…




