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レギオン -頼ム-

 「さあ、ここからは雷帝のデュエルってやつを見せてやるよ!!」


 そう言った。雷帝に向かっていたユーリを援護するために僕は雷帝に向けて弓を放つ。


 (風見鶏も手札にある…ここは出し惜しみをせずに攻撃すべきだ!!)


 残り四本の矢が雷帝に向かっていくが雷帝はそれを鉄線を使い、蜘蛛の糸のようにからめ取ることによって防いだ。


 「そんなんじゃ俺には届かないぜ!!」

 「ならこれならどう?」


 既にすぐそばまで寄っていたユーリが雷帝に向かって槍を放とうとする。


 「おっと。そう簡単には行かせないさ!!雷の舞踏!!」


 その言葉と同時にいくつもの雷の球が空を漂い始めた。


 「槍を振り回せば感電するぜ。さてどうする?」

 「くっ!!」


 雷の球はあまり距離を開けずに漂っており、長さのある槍を振り回せばそれに触れてダメージを受ける可能性があることは僕の位置からも見て取れた。ユーリもそれに気づいたのだろう。顔を苦々しげに歪めながら槍をしまう。


 「なら…来い、氷冷の太刀!!」


 振り回しにくい槍に変え小回りの利く太刀を出し、ユーリは雷帝へ向かっていった。そして雷帝に切りかかる。


 「想定通りだ…!!幻電亀!!」


 雷帝とユーリの間に亀が召喚される。ユーリの太刀は亀によって防がれた。


 「!!止められた!?」

 「そいつは斬属性に耐性があるからな!それにそれだけじゃないぜ?」


 その時、バチリと亀が光った。そのことに急速な危機感を感じた僕はユーリに向かって叫ぶ。


 「ユーリ逃げて!!」

 「…!!」


 言葉に気付いたのか、それとも自分で危険性に気付いたのかユーリは太刀から手を離し後ろに飛び退いた。

 その瞬間、太刀に強力な電流が走る。


 「おしい。そのまま持っていてくれれば一枚持っていけたんだがな」


 まるでこちらの行動を防ぐように次々と打たれる手…僕はその戦術の正体に気付いた。


 「まさか…メタ!?」

 「そうだ!相手の情報を仕入れそれを元に相手の行動を防ぐ手段を用意して戦う…それが雷帝の戦い方だ!!」


 『最速の速さを持つ雷よ不確かな力を今この手にドロー!!』


 無指定演唱を行い手札を回復させる。雷帝。それを見て僕も前衛をユーリに任せ演唱を行おうとする。


 『風よこの手に…』

 「させないぜ…降り出でて平定せよ!!雷撃!!大魔道!!雷振りの巨足!!!」

 「な!!」


 僕は思わずその光景に演唱を止めてしまった。文字通り空から巨大な雷を纏った足が降ってきていたのだ。


 「セナ!!」


 それに気づいたユーリが僕を助けるために戻ってくる。防御手段となるカードを持たない僕だけではあれを防ぎきれないと判断したのだ。


 「う、うわぁああ!!」


 圧倒的な迫力で自身の近くに足が落ちる。画面越しに見てもすごい迫力だ。運よく今のは躱せたが正直躱し続けられる自身はなかった。


 「…!!空中闊歩氷層の陣!」


 空に氷の足場を作りながらやってきたユーリは僕を抱え飛び去る。その飛び去った場所に足が落ちた。


 「ユーリありがとう!!」

 「話はあと!!」


 ユーリは巨足を避けるように飛び回る。だがその途中で空中闊歩氷層の陣の効果が切れてしまった。


 「しま…」

 「わ!!」


 地面に落下していく二人。ふと上を見上げるとそこには巨足が迫っていた。


 「氷魔反転鏡…!!」


 巨足を氷魔反転鏡で跳ね返らせ別の足にぶつけさらなる攻撃も防ぐ。その攻撃が最後の一撃だったのか。やっと巨足は降り注ぐのを止めた。大量に待った砂埃の中から雷帝が姿を現す。


 「はあはあ」


 肩で息を吐くユーリを見つめながら雷帝は口を開いた。


 「久しぶりに使ったがさすが究極召喚に並ぶ大魔道。すさまじい威力だ。おかげで二枚も消費させることができた。ユーリの方はもう一枚…そろそろ決めさせてもらう!」

 「させない。僕が相手になる!!」


 攻撃を躱し続けたために疲弊したユーリを庇うため。僕はあえて前に出て戦おうとする。


 (このタイミングだ…風見鶏を切るのはこのタイミングしかない!!)


 「そろそろか…あまり使いたくなかったんだけどな…封じさせてもらうぞそのカード!!

 「!?」


 風見鶏を使おうとした僕の前で突然意味の分からないことを言い始めた雷帝は腕を前に突出し言葉を放つ。


 「我が名に従い封じよ!!風影の風見鶏を縛りたまえ!!名縛令!!」

 「な!!」


 その言葉と共に手札に合った風影の風見鶏のカードは使用不可能となり消え去った。


 「な、なんで…」

 「知れたこと。初めからこうする予定だったのさ。セナが風見鶏をここぞというときに積極的に利用していくということは炎皇から聞いて知っていた。だからわざわざ雷帝なのに闇属性のカードまで入れて風見鶏を封じる手段を持っておいたのさ」

 「このタイミングでそのカードを引いたの!?…」

 「いや、違う初めからカードは持っていた。ただ使うタイミングを計っていたのさ。カードの価値を下げるためにね」

 「カードの価値?」

 「そうカードの価値だ。人は絶対的な切り札を持っている時、他のカードを軽視してしまう。それは切り札のカードが他のカードより価値が高いからだ。その状況になった場合、人は切り札を確実に使おうとするために価値の低いカードを多用して状況を作り出そうとする…それがカードの価値が下がっている時に起こることだ。俺はあえて切り札を残させておくことでセナ…君の潜在的な意識の中で風見鶏以外のカードの価値を下げさせたのさ」

 「思い通りに踊らされたというわけですか…」


 完敗だ…相手はこちらの情報をしっかりと把握し、勝つためにあらゆる手を取ってきた。僕がここまで良いようにされたのも必然と言う者だろう…だが…。


 「このまま負けるわけにはいかない…せめて一矢報いさせてもらう!!」


 僕は雷帝に向けて走り出した。


 (まだだ…まだ僕にはブロウオフが残っている!!雷帝の手札はあと一枚あのコンボが決まれば勝てる!!)


 雷帝を守るために飛び出した亀を風影斬によって打倒す。同じ斬属性でも実体のない魔法攻撃なら効果があるようで亀は消滅した。そして雷帝の前に立ち…。


 「ブロ…」

 「残念だがそれももうわかっている!!」

 「ウオフ!!」


 僕がブロウオフを発動した目の前で雷帝がカードを設置するのが見えた。


 「あ…」

 「これで終わりだよ…トラップ発動雷電場!!」


 下から突き上げるように発生した雷が手札がゼロの僕を貫いていく。薄れ行く視界の中で敗北を理解した僕は最後にユーリに呼びかけた。


 「ごめん、あとは…」

 「まかせて!!」


 その言葉が聞こえたのと同時に画面は暗転した。

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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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