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レギオン -撃ツ-

 「雷帝が消えた!?」


 僕は雷帝が消えたことに驚き声をあげる。あたりにいる光の粒は数を増し周囲全てを取り囲み始めた。隣で辺りを見回し何かを考えるようにしていたユーリが言葉を放つ


 「消えた…いや違う。これは恐らく見えなくさせられたってことだと思う」

 「見えなくさせられた…?そうか焦点か!!あの光る虫がいる限り自身の焦点があの虫に固定され、他の場所がボヤケ死角になる。それによっているのに雷帝のことを認識できなくなっているのか!!」

 「正解だよ二人とも。幻電光虫はその場にいる限り自身に注目を集めさせる。それによって疑似的に死角を作り出しているわけだ。倒すにはその大勢いる虫の中から本体となる虫を探さないといけない…君たちにそれが出来るかな!!」


 その言葉と共に体に衝撃が走る。見ると五枚あった手札が一枚削られていた。


 (なに!?)


 驚いて辺りを見回すだが先ほどの攻撃の原因を発見できない。


 僕はとりあえず手札を確認した。


 <I-風切の弓…風を纏った矢を放つ弓。弾数は5。風を切るってどんだけ速いんだ?>

 <S-風影の風見鶏…風を司る鳥。召喚している間周囲の気流を操作できる。風見鶏って鳥ホントにいるのかな~?>

 <M-風影斬…カゲから大きな風の刃を出現させる。風と影ってなんか似てるよね>

 <M-ブロウオフ…相手の手札一枚を使用不能にする。カードが飛ばされるなんてデュエリスト失格!!>


 (…手持ちのカードでこの状況を打開できるカードは少ない…風見鶏を使えば気流操作で一時的に包囲網を抜け出せるだろうが気流操作にはさほど攻撃力がない。おそらく抜け出したところで生き残った虫がまた包囲網を作る…。今はあの謎の攻撃を凌いでドローの機械を探るしかないか…)


 そう考え僕は次の攻撃に対処できるように辺りを見渡す。同じようにユーリも辺りを確認していた。


 「ユーリ、手札は?」

 「アイスゴーレム、空中闊歩氷層の陣、氷冷の太刀、氷魔反転鏡、フリーズバーストの五枚」

 「なるほど…どの技もあの数の幻電光虫を一気に倒せそうではないですね…」

 「そうだね。一匹ずつ潰して本体にたどり着くしかない」

 「くっ…」


 状況の悪さに思わず呻いてしまう。完全に敵の術中にはまってしまった。相手の攻撃は見えず。状況を突破するには攻撃力が足りない…。完全に事前に準備をしていた相手のペースに乗せられてしまっている…。


 何かないか…と手を探している間にまた不可視の攻撃がやってきた。ユーリの手札が一枚削られる。その時、僕はわずかにユーリの近くが一瞬線のように光ったのを目撃した。


 (これは…そうか!!)


 それを目にして僕はある可能性に気付いたそれは敵の…ライムの武器の正体だ。


 「ライムが降りてきた時…彼は武器を持っていなかった。てっきりミユやアーサーみたいに拳で戦うのかと思ったけど…それは違ったんだ!おそらくライムの武器は有刺鉄線。幻電光虫に注目を集めさせ細く見えにくいワイヤーを使うことで不可視の攻撃を作り出していたんだ!!」

 「またまた正解だ。こんなに速く気付かれるとは思っていなかったんだけどね。まあ例え気付いたとしても幻電光虫を何とかしなければどうしようも出来まい!!」


 再び死角から鉄線が飛んでくる。例え存在を意識したとしても幻電光虫の効果で焦点を変えさせられているため攻撃の把握が難しい。僕が躱せなかったその一撃をユーリが槍を使って弾いた。


 「守りは私がやる。その間にあの虫を何とかして」


 そういってユーリは何度も襲い掛かる鉄線を弾き飛ばす。画面を通してみているため強制的に視線を合わせさせられる僕よりも現実のようにある程度自由度が効き、なおかつ身体的な能力が優れているユーリは何とかそれを凌いでいるという状況だった。


 (このままじゃいずれ押し切られる…!!どうにかして本体を見つけないと…一体どこに隠れているどれが本物だ?)


 こうなったら虱潰しに叩いていくしかないか…そう考えた瞬間僕は兄さんが言ったある言葉を思い出した。


 『擬態能力も時と場合によっては弱点になるからな。叩いてればいつかは必ず倒せるんだ。運が良ければ偶然一発で倒せるかもしれない。種さえわかればなんとかなるものさ』


 (叩いていればいつかは倒せる。運が良ければ一発で本体に当たるかもしれない…そんな場所に本体を置くだろうか?)


 置かない…少なくとも自分ならそうする。こと対人戦に置いてそんな不確定要素を入れるわけがない。そう考えた時、僕は雷帝の戦略に気付いた。


(そうか、わざと能力の情報を与えたのはこの中に本体がいると誤認させるためのフェイク…!!本体はこの分身たちがいる場所とは別の場所にいるということか!!…でも、それなら本体はどこにいるんだ?)


 その時、ユーリがポツリと言葉を漏らした。


 「なんか熱いね」

 「熱い?」


 ワイヤーの攻撃を必死に防ぎながらユーリは答える。


 「照りつける熱さっていうか…この分身たちが原因なのかな?」


 僕はその情報を聞いて考えた。外部コントローラから動かしている僕には体感温度はわからない。だが確かに画面を埋める光度が強いような気がした。


 (分身の影響?いやそれにしては光の位置と影の感じがおかしい…これは上か!!)


 僕は上を見つめそしてにやりと笑う。


 「そうか、分かったぞ…。僕が攻撃するのはあの太陽だ!!」


 僕は風切の弓を発動し、その弓でいつもより大きい太陽を打ち抜いた…


☆☆☆


 (削れたのは発動も含め三枚か…まさかこんなに速く見破られるとはね。ちょっと情報からの見積もりが甘かったか)


 太陽に擬態していた幻電光虫が撃ち抜かれ消えていく姿を見ながら俺はそう考えていた。そして分身たちが姿を消し辺りを包んでいた光が晴れていく。


 (だが、まあいい。彼女たちの戦い方の情報は仕入れている。この手札があれば対処は可能だ)


 俺はちらっと手札を確認する。


 <C-幻電亀…固い甲羅を持った雷を纏った亀。固い。遅い。強い!!>

 <T-雷電場…設置した場所から突き上げるように電撃を発生させる。ビリビリビリ…>

 <A-名縛令…指定の動作をしながら名前を叫ぶことで発動可能。言った名前のカードが相手の手札に合った場合そのカードと同名のデッキのカードを使用不能にする。我が名において命じるそのカードを封印せよ…キリッ!!>

 <S-雷振りの巨足…雷を纏った巨大な足の雨を降らせる魔法。水虫とかあったらやだよね>

 <M-雷の舞踏…雷の弾を複数空間に召喚する。この弾は破壊されない限りある程度持続して存在する。対処は回避ゲーのイメージで!!>


 「さあ、ここからは雷帝のデュエルってやつを見せてやるよ!!」



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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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