レギオン -動ク-
「っとこれが転送ですか」
見ていた画面が変わったことによりそれを理解したセナは辺りを見回した。
「…森ですかね。特に特殊効果があるわけではなさそうです」
そして他の人々を探すために歩き始める。
(この森だと死角から攻撃され放題ですね…注意しなければとりあえず先に仲間と合流したいところですが…)
「っとその前に…デッキオープン!!…レギオン戦はPK…デッキを展開してない相手へのワンキルが可能だから注意しないと」
デッキを展開したセナは奥へと進んでいった…。
☆☆☆
「はあ、いつまでも落ち込んでるわけにはいかないか」
俺はいじけるのを止め立ち上がる。そしてデッキを展開し、あたりを見回すと自分のいる場所が草原だということが分かった。
「ふむ、周りに人の気配はない…とするとどこに向かうかが問題になってくるが…」
俺はさらに辺りを見回すと少し離れたところに森への入り口とその奥にある高台が目に入った。
「あの山の高台…あそこからならフィールド全体を見渡せそうだな。まずはそこに行くか」
俺は歩き出した。
☆☆☆
森の中を歩いていると突然近くに合った藪が揺れた。
「敵!?」
僕がそう言い武器を構えると藪の中から見知った声が聞こえた。
「私」
そこから現れたのはユーリだった。最初の地点に隠れて敵が来るのを待ていたらしい。そうかあの場で隠れて罠を張る手もあったかと思いつかなかった戦術の一つに気付きながらも僕は仲間と合流した。
「このまま二人で行動しよう。その方が相手を倒しやすいと思う」
「そうですね、一緒に行きましょうか」
こうして僕はユーリと共に敵を探して歩き始めた。
しばらく二人で歩くが今だ敵は見えない。
「なかなか見つかりませんね…」
「森で見通しが悪いからね。それに敵がこっちにいるとも限らない。私たちが合流した様にミユかおじさんが同時に何人かと戦っているかも」
「それだと厄介ですね…何とか合流しないと…」
「うん、でもどうすれば…」
「そういう時はカードを使うといいんだよ」
「「…!!」」
二人で会話している時に突如聞こえた第三者の声。あたりを見回していると空から一人の男が降りてきた。
「よっと…二体一か…合流する前に戦いたかったけどしょうがないか。ユーリにセナ、俺が相手になるぜ、この間のリベンジマッチと行こう。…一人多いがな」
空から降ってきた男…それは雷帝ことライムだった。僕はそれを見て声をあげる。
「ライムさん!?一体どうやって空から!?」
「だから言っただろうカードを使ったって。戦闘前に使用カードが一枚無駄になることも多いしあまり使いたくはないけど探すのには便利だからね~」
そういってライムは空を指す。そこには雷を纏った鳥が空を飛んでいた。
「モンスターを召喚していたんですか…」
「そ、手札は演唱すれば回復するから敵と合う前に出しておくって言うのもレギオン戦では重要な戦術の一つなんだ…。もっとも確実と敵と会えるってわけじゃないし、合う前に消えたり、そもそも移動で召喚時間などが減っているからデッキの中の使用可能カード無駄にすることになったりする可能性があるんだけどね」
「なるほど…」
そうか、これはあくまでもカードゲームを主体にしている。馬鹿正直に歩かなくてもカードの効果を使う手もあったのかと感心する。
「長々と話しちゃったけどいいの?事前に召喚したカードが一枚だって俺は言ってないけど」
「セナ!!」
その言葉と共にユーリが僕の名を叫んだ。周りにはいくつもの光が溢れ木々の合間を照らしている。
「幻電デッキ…相手を惑わし倒すデッキ…その真価をみせてあげるよ。まずはこのモンスター幻電光虫を越えてみせな!!」
その言葉と共に雷帝の姿が消えた…
☆☆☆
「待ってたよ炎皇」
ちょうど森の入り口に差し掛かったところで俺は目の前に人がいることに気付いた。そして俺がその正体を確認するよりも速く相手がこちらに声をかけてきた。その声で俺はそれが誰なのかに気付く。
「マサキか…大方こっちの居場所を調べて俺を待っていたんだろう?」
「正解。あのときの答えを聞かなくちゃいけなかったからね」
「答えか…そうだな…。確かに俺はお前に良いように操られてきた」
「??そうだね?」
「まあ、お前の目的もわからんことはない。…ミユは明らかにただ意地を張っているだけだからな。それを壊してやるっていうのも一つの解答だろう」
「じゃあ――」
「だがな」
俺がその一言を発するのと同時に嬉しそうにしたマサキの顔が表情を変える。
「子供に良いようにやられるっていうのは大人としてどうかと思うだろう?大人の威信ってものを見せなくちゃいけないからな…だからここからは大人の時間ってやつだこっから先は俺のシナリオで行かせてもらうよ小僧」
俺が決別の意を込めてにゃりとそういうとマサキはにやりと笑った。
「へえ。言うじゃん。できるのかな?オジサン」
「さあな。だが年の分だけ俺はお前を越えているぜ。あまり大人を舐めないことだ」
「それは勝ってから言うんだね!!」
俺とマサキの戦いの火ぶたが切って落とされた…
☆☆☆
「よっと。やっと登れたか…。誰もいないな。まったく他の奴らはどこにいるんだ?」
俺はそう言いながら高台に上った。あたりを見回し誰もいないことを確認すると森の方を一望しようとする。その時後ろから声が掛けられた。
「誰もいない?…我がいるぞ。確認を怠るとはまだまだ未熟だな」
「…!!てめぇ…ババアか!!」
そこには光将のアーサーが居た。
「我がレギオンの他の者はお前のレギオンの他の者の足止めに言っている…お前の相手は我だ」
「っけ。ご丁寧にあの変態の作戦通りってわけか。まあ良いぜ…予定が狂ったがあんたを俺が倒してその計画ぶっ壊してやるよ!!」
「…。まあ頑張るのだな」
こうしてミユとアーサーの戦いが始まった。




