レギオン -ボコル-
「さてとじゃあ始めるとするか」
そういって俺は魔王始めましたデッキを取り出そうとする。だがそれをミユは止めた。
「ちょっとまて…最初のデッキを使うつもりじゃないだろうな?戦うなら俺をぼこぼこにしたあの本気のデッキを出せ!!」
そう言われて俺は少し苦い顔をする。あまり隠しデッキを公にするのはなぁ~とだが外野は隠しデッキを使うことに賛成のようだった。
「ついに使うんですかみたいです!!」
「ん。どんなものか見てみたい」
「おい。炎皇がガチデッキ使うって本当か!?」
「みんな来いよ!久しぶりに炎皇の本気が見られるってよ!!」
「まじ?まじまじ~?」
…なんか外野が増えてるんだけど…。つーか使わないといけないような雰囲気なんだけど…。俺ははあとため息を吐き真ナル魔ノ皇デッキを取り出す。こうなったら仕方ない。前にミユに付きまとわれる原因になったカード使い切るまであえて倒さないみたいな舐めプはせずに本気でやってさっさとかたずけるか。
俺は準備を整えミユの前に立った。
「そうだそれでいい…そのデッキに俺はカードがゼロになるまで煽られ続け何もできずに負けた。…まだあの時の「来いよミユ!!カード使ってかかってこい!!」とか「どうしたどうした~お前の実力はそんなものか?もっと本気で掛かってこいよ」とか「ねえどんな気持ち?勝負吹っかけてカードゼロになるまでぼこぼこにされてどんな気持ち?」とか言われ続けたときの屈辱が忘れられね…ここでお前を倒して俺は俺のプライドを取り戻す!!」
ミユの発言に出てきた俺の行動に外野がドン引きする。セナですら冷たい目でこちらを見ていた。俺は冷や汗を流しながらもなんとか体裁を整えようとする。
「いや、あれは悪かったて…つい俺も調子に乗っちゃったんだ。久しぶりのガチデッキだったし?誰にでもあることだよね!!ね!!」
外野に賛成の言葉をもらうように話しかける。だが外野は俺の言葉を無視した。
「おい。無視するなよ!!俺が悪いのか俺が!?」
「悪い」
ユーリのそんな言葉と共に外野からヤジが飛んでくる。なんてこった完全なアウェーだ。こんな場所に長くはいられない。俺のガラスのハートが砕ける前に俺は外野の存在を無視してさっさと始めることにした。
「いや…ごめんね?とりあえず始めようか?…デッキオープン!!」
「今すぐそのへらへらした顔を泣きっ面に変えてやる!!デッキオープン!!」
お互いの手札が五枚現れる。戦いの火ぶたは切って落とされた…。
☆☆☆
(さてと手札はどうかな?)
俺は自身の手札を確認する
<S-龍皇バハムート・ゼロ…龍の皇、バハムートの始祖。始まりにして最強。バハムート最上級レアで力を認められたものしか手にすることはできない。ゼロって付くとなんかかっこいいよね>
<C-狼皇フェンリル…狼の皇。ウルフ族、最上級レア。召喚時アイテムを一つ破壊する。フェンリルって言葉がもう中二病っぽい>
<M-ダブルキャスト…このカードを発動した後の、演唱のドローカード数を一度だけ二枚にする。一回で二枚なんてお得…>
<M-改変する世界…このカードが発動した時、手札を全て捨てる。そして捨てた数+1の数を手札に加える。手札入れ替えはデュエルの基本!!>
<M-魔王化…発動後、能力値上昇、飛行能力獲得、使用カード威力上昇の効果を得る。ただし演唱を行うと効果が消える。魔王化とか…まじ中二…(笑)>
相変わらずでたらめな強さだなと思う。このデッキだと相手がそれなりに強くないとそもそも戦いにならないから困る。まあ元来ガチデッキとはそういうものだが、相手のフィールドのカードをぼこぼこに破壊しつつ特殊召喚するとあるカードゲームのデッキしかり、相手の特殊召喚をメタったり、自身の最強モンスターをあっさり出して何もさせずに終わらせたり。…一歩間違えば友達を失うようなデッキ構成が基本だからな。
(とりあえずバハムート出しておけばいいか)
「先手必勝!!フォトンスピード!!」
自身の体を光らせ、すさまじい勢いでこちらに向かってくるミユに対して俺は宣言する。
「見せてあげよう。俺も含め三人しか持っていないバハムートその最上級レアの力を!!始まりにして全てを司る龍の皇。今、姿を現し乱れた世界を平定せよ!!召喚!!龍皇バハムート・ゼロ!!」
そして龍の皇は召喚された…
☆☆☆
ミユが俺の前で前のめりに倒れ込んでいる。外野もあまりの圧倒ぶりに言葉が出ないようだ。
「攻撃を一回も受けずに…」
「つ、つえ~…」
「あれが超高難易度ダンジョンのボスの最上級レアの力か…対策しないと倒せないなアレは」
「確か持ってるのって炎皇、水精、闇妃だっけ?バハムート百匹切りが既に頭がおかしいレベルの所業だからな…ようやるよほんと」
俺はそんな言葉を聞きながらミユへと近づき、ぐいぐいと叩く。そして言った。
「さてと…約束は守ってもらうからな?」
「わかってるよ…」
ミユは顔を上げずに力なく了承した。逆に面倒事が片付いた俺はものすごいゲスないい笑顔をしていたと思う。こうして俺たちはレギオンメンバーをそろえたのだった。
☆☆☆
「よし、仲間も集まったところだしこれでやっとレギオンが作れるな!!」
そんな風に喜ぶ俺をユーリ、セナは冷たい目で見つめ。ミユは何か燃え尽きている。
「…悪役…」
「さすがにドン引きです」
「いや、悪役ならこうなるように仕組んだユーリも同罪だからな!!それに俺は魔皇だから悪役でもオーケーなの!!」
ユーリ達は俺がバハムートを使ってミユをぼこぼこにした後、いい笑顔で仲間として迎えに行ったことが気に食わないようだ。…そんなことを俺に言われても困るのに…まったく…。
「おほん!!とりあえずメンバーは集まった…早速レギオンを作る…と言いたいところだがこのメンバーはレギオンについて知らないことが多い。っということで明日からレギオン見学に出かけるぞ!!場所は俺の友達がいる。一、二、サンダ―とマキシマムエックスだ。とりあえず今日は解散…じゃあな」
「あ、逃げた!!」
俺は居心地のあまりの悪さに逃げ出した…。
☆☆☆
ぐて~っと机に倒れ伏している姉ちゃん。どうやらショックなことがあったらしい。姉ちゃんは落ち込むとああやってぐて~となる癖があるからな。
そう考えながら僕は原因を探すためネットの海を漁る。バトルシスター、炎皇に挑む!!という記事を見つけそれを流し読んだ。
(ふ~ん。炎皇にぼこぼこにされたわけねそしてレギオンに入ることになったと…)
僕はそれをにやにやしながら見つめた。さすが炎皇といった所か、僕の師匠と同じ担い手の一人なだけのことはある。こちらの予想通りに動いてくれた。
(いいぞ計画通りだ。そろそろあの人に連絡するかな)
僕はそう考えある人に連絡を取る。計画は順調だ。あと少しで僕の目的は果たされる…




