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脱出デュエル


 「姉ちゃん、姉ちゃんだ!!姉ちゃん!姉ちゃん!」

 「うげ、あいついるのかよ」


 会場に着いた俺に向かってきたのは不肖の弟であるマサキだった。レギオン作成時の一件以来隠すことすらしなくなった態度からは単純な気味の悪さが目立つ。

 とりあえず無視しておこう。そう思って待っているとアナウンスがなり始める。


 『レディース&ジェントルメン~!!ついにやってき第四回戦!君の知力が突破の鍵!脱出デュエルの時間がやってきた~!ではレーヴェちゃん!解説よろしく!!』

 『は~い!!脱出デュエルはちょっと特殊なデュエルです!参加者は指定のフィールドのどこかに飛ばされます!そしてそこからフィールドのどこかにある脱出ポイントに向かうのが目的のデュエルです!!』

 『脱出ポイントには数に限りがあります。脱出ポイントが全て使われるか、手札ゼロの状態でダメージを受けた時、敗北が確定します!!』

 『さら~に、デュエル開始時の手札はいつもより少なめの三枚となっています!!加えてドローによる手札の補充はできず、手札を増やすためにはフィールド内に落ちているカードを拾う必要があります!!』

 『拾ったカードはランダムに自分のデッキのカードに変わります。これと手札を使ってフィールドに設置された様々な罠や、妨害してくる敵プレイヤーを突破していくことになります』

 『数少ないカードを考えて効率的に使って脱出を目指す。それこそが~』

 『『脱出デュエル!!』』』

 『では早速第一グループから行きましょう!!転送ボタン、ポチッとな』


 その言葉と共に俺たちはフィールドに転送された。


☆☆☆


 気づくと辺りを壁で囲まれていた。


 「これがフィールドって奴か」


 昔、弟がやっていた推理ゲームの閉鎖環境に似ている。部屋には何も無く、先に進むための扉があるだけだ。


 「取り敢えず手札っと」


 <M-フォトンジャンプ…発動後一定時間使用者のジャンプ力を上げる。キノコ一個分のジャンプ力アップ!>

 <M-フォトンスピード…発動後一定時間使用者のスピードを上げる。HAHAHAチーム○○それがお前のスピーry>

 <M-光学迷彩…発動後一定時間姿が見えなくなる。攻撃を行うか、カードを使うと時間に関係なく姿が見えるようになる。男のロマン、悪用すると憲兵がその場にやってくるから注意だ!>


 「攻撃技がないな…、いざとなったらこの拳でなんとかなるか」


 そう言って扉を開ける。開けた先を見て、思わず声を上げる。


 「これ、どうなってるんだ!?」


 空間がねじれていて縦と横、縦横無尽に広がっている。まさかと思って壁に足を付けると。まるで重力があるかのように張り付いた。


 「上も下も、右も左も、後ろも前も斜めも。全て進むことができるのか。脱出ポイントはどっちにあるんだ?つーか俺はどこにいるんだ?」


 見ていると自身の居場所すら見失いそうだ。


 「確か、こういう場合、壁伝いに進み続けるのが一番なんだよな…よし、行くか」


 俺は壁に手を当てながらまっすぐ走っていく。左手を当てたので進む先は左の方角だ。しばらく歩いていると目の前に扉が現れた。


 「これはなんかあるな」


 扉に仕掛けがあるかもしれない。俺は扉を蹴り開けると後ろに飛び退く。何も起こらないことから扉に仕掛けは無いらしい。開けた扉から中を見ると、アクション映画でありそうな振り子の刃物が狭い一本道を何重にも横切っているのが見えた。


 「なるほど、これを突破しろと。わりーが。俺も少しは考えることを身につけた後でね。軽く超えさせて貰うぜ。フォトンジャンプ!!」


 そしてそのまま走り出す。


 「っしゃ!!」


 俺は高く飛び上がった。刃物がついた先端より上はただの棒。それに刃物の上の面は鋭さは無い。これを利用すれば簡単に飛び移れる。そうやって飛び続けていると上の方に奥に見えていた扉とは別の扉が見えた。


 「別の道か!左はあっちだ!!」


 刃物の上からそちらに飛び移り扉を開けて中に入る。そこは大きな広間だった。そしてそこにいたのは…。


 「姉ちゃん」


 そう叫ぶ、マサキと。


 「む、乱入者か」


 そう言うガウガオーだった。


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過去作紹介

結城中学ロボ部!!
学園×スポーツ×ロボット×VRMMO! 仮想現実の世界で巻き起こる少年達の熱き戦い!

おすすめ短編集
『ハーレムなんて絶対いやだ!』や『プロ・ゲーマー ノリ』などがあります
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