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隻眼の竜  作者: 白木
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治療

 そして、疲れ切って少し寝坊した日曜日の朝、今度は、社内の城内と言う女子社員から電話が入る。しかし、大事な競翔の日、矢内は又しても駄目なんだと断る事に・・。

 ここにも矢内らしい生真面目さがあるが、悪く言えば女性に対して、もっと融通の利かないのかと言うダサ男だと言う事でもあろう。

 多少の思惑が相手女性にあれど、自分に好意の一端を見せてくれているかも知れない女性に、こうもあっさりと断る独身の男性は世の中に少ない筈。それほど、香月香織と言う女性が素晴らしい理想の人なのであろう、彼にとっては・・。

 午前中に、日下部ペットショップに立ち寄った矢内。少し店内が慌しい。


「あれ・・どうされました?日下部さん」

「あ・はは。矢内さん、大変大変・・」

「・・大変って?・・」


 日下部氏が矢内に耳打ちをする。

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