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最終章
「ちゃんと念書も取ってた。田丸さんも強豪としてここまで競翔もやって来た。実績も残してる訳だから、金石さんも3羽を再分譲出来たんだろうね。金石さんは、誤解も多い人物だけど、芯は真っ直ぐでぶれないよ。筋は通ってる。だから、速水君が以前金石君の所で修行した時も、厳しくはあっただろうけど、それは、速水君が誤解するようなものじゃ無かったと思うね、私は」
「速水君からすれば、父親の信頼を裏切った男に見えただろうね・・どんないきさつだったかは、私も聞いては居たが・・」
人間の奥深い内面は、見えるものでは無い。しかし、金石は嫌われ者を演じる事で、彼は彼自身を叱咤激励し、そして強く生きるバネにして来たのかも知れない。それは、人の良い速水氏を死に追いやった友人への保証人と言う、裏切りや落とし穴に向かわない為にも・・




