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最終章
「金石さんは野望の塊のような男だ。あっちの協会でも、権謀術数を駆使して散々色んな方面にも働きかけたし、結果的に速水競翔会が脱会するまでになったんだけど、一つは鳩競翔について大きな疑問と、不満を持っていた。そして、こっちの協会に移って来た時も、聞こえて来てたけど、色々やったらしいよね。」
「ふ・・まあね」
川上氏がにやっとした。
「けど、東神原連合会には、川上さん始め、郡上さん、高橋さんと言う大きな支柱が居られて、そして会員相互に至る理想的な形が既に出来上がっていた・・と、金石さんは言ってた。自分が揺さぶりを掛けても、びくともしない強固なものだったと。川上さんが協会理事長に推挙されて、自分の目的を達成出来たので、これで鳩競翔会の方向も変化するだろうとも言ってた」
「少し、疑問なんですが・・お義父さんが協会理事長にほぼ決定したのは、今年に入ってからです。その前から金石さんがショップを手離す話になっていたのは?」
確かに少し矛盾がある。川上氏も香月と同様に感じた。




