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隻眼の竜  作者: 白木
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最終章

「いや・・はは。いえいえ・・そんな大仰なもんじゃ・・」


 佐野が笑う。人一倍研究熱心な佐野の事、常に未来志向で飼育管理をしている。きっとその方向は、川上氏と大きく変るまい。半時を過ごして、矢内は佐野鳩舎を後にした。

 矢内鳩舎は、この数年封印していた仔取りを、今春は既に32羽、秋には50羽弱の参加羽数になるだろう。それは、選手鳩を種鳩として一線から退けた鳩達に加えて、現種鳩の作出年齢がピークになっている事もあった。

 年老いた者は、自分の後継を若い世代に繋ごうとする。しかし、若い世代にとって、それは押し付けに感じて反発をする。自立と言う言葉と自由とは違う。自由と、利己主義とは全く違うものだ。継承する事の難しさがそこにある。押し着せられた伝統からは、発展的な技能や奔放な発想は生じ無いが、一方で、伝統と言う継承の重大な意義は守り続ける事でもある。

 若い世代は、着実に東神原連合会の伝統や、方向性を自然に守り、そして独自の方法論で継承しようとしている。香月は全てを悟っていた。佐野、矢内、佐川・・この3名が次代の東神原連合会の核となる事を。

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