889/938
明日はやって来る
「もう一度確認させて下さい。香月博士はこの鳩を?」
「恐らく北欧の鳩でしょうね、足毛が長く、代々品評会で上位入賞をしている血統であり、この鳩も皆さんが言われるように賞をとっているでしょう。例えば、具体的に・・オルレアンN、カオールNレース総合優勝とか・・750キロ、800キロの優勝鳩では・?」
金石の顔が凍る。
「・・そ・その鳩を知って居られるとか?」
「いいえ?今初めて拝見させて頂きました」
金石の表情を見ながら、川上氏が、
「ふ・・金石君。どうやら一男君が図星を指したようだね」
「いや・・参った。聞きしに勝る鬼神の眼・マジシャンなのか、超能力者なのか・」
金石は鞄の中から、この鳩の成績表を取り出し、全員に見せた。




