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隻眼の竜  作者: 白木
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明日はやって来る

「それでは・・Aの鳩ですが、幅広い副翼、やや前屈気味の体型の雌鳩で、これは中距離向きの競翔鳩だと見る。Bの鳩、立ち姿で非常に綺麗な鳩だ。主翼も長く、竜骨もしっかりしている。短距離向きの鳩と見る。Cの鳩、やや小柄で、頭部が比較的大きく主翼が少し短いものの尾羽が大きい。そして、両脚が頑強。これはスピードバードで、成績を残した記録鳩」


 金石の眼が一瞬輝いた。流石に川上氏だ。この道何十年の競翔家の言だった。しかし、矢内はその評価とは少し違った。

 次は今井と言う若手競翔家だった。


「次は今井さんですね?Aの鳩、ふわふわする筋肉と羽毛でこの鳩は長距離向きなのか?Bの鳩・・品評会に出す鳩じゃないですかね?Cの鳩、小さいけど、手にすっぽり収まるって感じなので、名のある競翔鳩なんですか?・・はは・・全て疑問符ですね」


 ははは・・全員が笑った。今井が頭を掻いている。

 矢内の評価に回って来るまでに、そう全員が大差無い評価で、見方は変わりなかった。

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