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隻眼の竜  作者: 白木
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治療

 今春の小谷氏の活躍を川上氏が予想していたように、この数年血統改良にかなりの力を彼は注いで来たのだった。


「凄いですね、小谷さん」


 矢内が言うと、


「いや、はは・・でも、健ちゃんだって凄いよ。この東神原連合会の短距離レースで2回も上位入賞するなんて。これからは、健ちゃんをライバルと呼ぼう」

「何言ってるんですか、小谷さん、ははは」


 矢内は冗談と位置つけて笑ったが、半分小谷の言は本気のようだった。

 その矢内は、200キロから400キロにジャンプ、300キロから500キロへのジャンプで今春を終える。それは、作出が遅かったせいで、小谷氏や、佐野からの助言を受けてのものだった。

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