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隻眼の竜  作者: 白木
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魔窟への誘い

 奇跡は起きた。若き俊鳩達に・・本当のGCレースの覇者達とは、この5羽では無かっただろうか・・


「黒竜!黒竜号!」


 後から方向転換したもう1羽を加えた天空の4羽は、天高く舞い上がる竜巻のように消えて行った。

 そして黒竜号は、滝に身を投ずるように一瞬で視界から消え去った。

 ぶるぶると体を振るわせる2人がそこに立って居た。


「わしは・・奇跡を3度・・こんな事が・・」


 村岡氏が呟いた。

 呆然と体中の筋肉、全精力を費やしたかのような佐川が無言で震えていた。

 その視界から消え去ったと言う報は、村岡によってただちに磯川に告げられ、4日目午後2時43分、黒竜号帰舎・・鳩舎には矢内が待っていた。続いて白虎号他3羽帰舎。それぞれ4時前後であった。

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