788/938
次代を担うべき若手
その相談役の言葉に、矢内も少し自分の方向性と一致する部分もあった。
「あ・・それより、相談役、私にお話って・・?」
途端に相談役の顔が綻んだ。
「あ・・ああ。特に大事な用でも無かったんだが・・君の所に、白川さんの所に居たシェットランドシープドックのドンの子が居るだろう?」
「あ、はい。数匹3年前になりますが、生まれて、その中の一匹の子犬を分けて貰いました」
「実はね、そのドンに雌犬を交配させたのがわしなんだ。でも、ドンはもう年だ。子は望めんし、聞けば何匹か生まれた大半は雌犬で、現在健在な雄犬は君の所に居る一匹だけだと言う事だ。どうだね?わしの所に先日血統も確かなんだが、リリィと言う雌犬を借りて居る。見合いさせて見ないか?」
「え・・」
思わぬ提案に、矢内の顔も綻んだ。
相談役が続ける。




