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隻眼の竜  作者: 白木
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次代を担うべき若手

 香織は少し視線をドンに向けて、優しく頭を撫でた。


「この子・・本当に私達を癒してくれたわ。主人が言ってたけど、ドンには人を見抜く眼があるって・・訪問販売の営業も一杯家に来るけど、ドンが気に要らない人は追い出しちゃうのよ」

「お利口さんね、ドンちゃん」


 幸子が代わって頭を撫でると、嬉しそうにドンは尾を振った。


「ね・・ドンはちゃんと分かってるの。矢内さん達には特別の愛想を振りまいてるわ、動物って本当に感じるのよね」


 ドンを通じて、香月と香織もこれまで同じ人生を生きて来た。白川博士と言う出会いがあった。矢内は、この日又何かを感じていた。その何かが何であるかはこの時は分からなかった。

 午後1時になって帰宅した矢内だったが、親から何度も電話があったよと告げられた。

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