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隻眼の竜  作者: 白木
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次代を担うべき若手

 少し皮肉っぽく言う者も居た。それは仕方が無い事だ、豪快に笑う相談役の奥底の、鳩に対する本当の情熱や本心が読み取れない者には、やはり金持ちの道楽と見えるだろう。


「でも・・普通そんな鳩同士の直仔なんて使翔しませんよ・・相談役って、お金持ちぃ」


 これは皮肉の言葉では勿論無い。実際その言葉の通りだ、そうだよな・と、皆も思っている。


「ははは、誰が銘鳩同士の仔を使翔してはならんと言う方程式を作ったんだ?紫竜号は、じゃあどうなる。紫竜号は鳩舎の中に居て大記録を作ったのかい?そうじゃ無いだろう」


 その言葉には、誰も反論する者も無かった。紫竜号と言う偉大な功績は、東神原連合会にしっかり根付いているようだ。・・矢内は思った。長年飼って来た愛鳩を放出して、平然としている者なんて居ないと・・。

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