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次代を担うべき若手
「良かった・・」
原がほっとしたように言う。
「良かったって・・?」
矢内がその言葉に、にやっと笑うと、原もにこっと笑った。印象的にも悪い人物では無いし、それならと矢内は鳩舎に案内する事にした。
原が、
「矢内さん、ついでだから、隻竜号と言う鳩を見せて頂けませんか?昨春のGP鳩の」
「ええ、丁度舎外から戻って来た所ですから」
その前にヤンセン系、アンダーソン系の種鳩を原に見せると、
「・・これだけ素晴らしい種鳩が居るのに、選手鳩が非常に少ないですね、矢内さん」
「ええ。そうなんです。この2年は極端に作出数を減らしています」
「聞かせて貰って良いですか?その訳・・」
「その前に、隻竜号をまず見て下さい・・」




